介護職の人事考課のポイントは?自己評価を書く際のポイントも解説
執筆者/専門家
大庭 欣二
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/11
そもそも人事考課はなぜ必要なの?
皆さんの事業所では目標管理や人事考課って、行われていますか? おそらく、多くの事業所では、半年に一度、ないしは1年に一度、目標管理や人事考課が行われていると思います。
人事考課の時期になると、人事考課をする側もされる側も、憂鬱になるという声も頻繁に聞こえてきます。おそらく、人事考課の目的に対する考え方の違いから、そのような感情がわいてくるのではないかと感じます。
人事考課は、賞与の査定や昇進昇級に活用されることが多いので、賞与や昇進昇級のために行われていると思っている方も多いようです。
人事考課をする理由は「多忙な介護業界において、日々の振り返りをおこなうため」
では、目標管理や人事考課は何のために行われているのでしょうか。
もちろん、給与や賞与、昇給などのために行われている一面もあります。
しかしながら、それだけのためではありません。
目標を設定し、人事考課を行うことは日々の業務と向き合い、さらに成長へと繋げていく機会となっているのです。
正しい人事考課を行うためのポイント
人事考課を行う意義を確認したところで、実際に人事考課を行ううえでのポイントを確認しましょう。
評価を行う上司側が留意することと、自己評価を行う職員側が留意することに分けて解説します。
正しい人事考課を行うためのポイント【上司編】
ー本人と考課者が合意できる目標を設定する
人事考課のもととなる個人目標を設定するうえで、上司側が留意すべきことは、本人と考課者がしっかりと合意できる目標を設定することです。
考課者である上司が目標を押し付けてしまうと、職員自身が目指したい姿ではなくなってしまう可能性があるからです。もちろん、期待している役割や業務内容を伝える必要はありますが、目標は本人主体で考えるものにしましょう。
そして、考課期間中は、考課者である上司は評価対象者をじっくりと観察してください。
努力している姿を見てもらえるかどうかも職員のモチベーションの変化に繋がります。
正しい人事考課を行うためのポイント【職員編】
ー考課期間終了後の自己評価は、自身の目線のみで評価しましょう
人事考課期間が終わり、振り返りの時期になった際は、まず設定した目標がその期間でどのくらい達成したのか、未達の場合は何が不足していたのかなどを、自分で評価をします。
その際に、考課者である上司のことなどを考える必要はありません。
自分自身が思ったように自己評価をすることがポイントです。この評価では、自己評価が高すぎる?などと考える必要ももちろんありません。
なぜ、上司のことを考える必要がないのかというと、むしろ上司の考課と自己評価のギャップがどこに生じているのかを把握できる機会となるからです。つまり、自分が何を求められているのか、何が足りないのかを明確にすることで、成長のヒントを得ることに繋がります。
自己評価は自分の目線からの評価であり、上司の立場や上司の目線での評価ではないということを意識しましょう。
ーアピールしたいポイントは必ず明記しましょう
さらに、自己評価は自己アピールのチャンスにもなります。
上司も勤務をしながら考課を行うことが多く、職員のすべての様子を確認することはできません。そのため、自己評価として「これはがんばった」、「力をいれた」というものがあれば必ず振り返りの際に明記し、上司に伝わるようにしましょう。
また、目標未達成の場合もネガティブな表現は避け、前向きな表現で次に繋がるような振り返りを行えるとよいでしょう。
まとめ:評価指標を定めにくい介護の仕事だからこそ、人事考課のプロセスが大事
介護や福祉の仕事は、営業職や販売職と異なり、売上高や販売達成率などの数字の評価指標を定めにくい業界です。
この数字として定めにくい目標を上司と一緒に定め、それを半年や1年のスパンで上司と一緒に検証し、確認する作業が、介護現場における人事考課において必要なことです。
それを行うことによる促される成長こそが、人事考課の大きな目的の一つだと言えます。
このようなことを意識をしながら目標設定や自己評価に取り組むと、憂鬱に感じずに、前向きに捉えることとなり、達成時のイメージも湧いてくると思います。
ぜひともチャレンジしてみてください。
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