夫が話を聞いてくれない人は要チェック。話しかけるときのひと工夫とは?
「話を聞いてくれない」とモヤモヤすること、よくありませんか? そうしたときに相手に「話を聞くこと」を一生懸命説得しても、少し説教臭くなってより聞きたくなくなってしまうかも。 今日は、家族に話をちゃんと聞いてもらうための工夫についてです。
ちゃんと話を聞いてもらうには工夫が必要
夫が「ちゃんと話を聞いてくれない」というモヤモヤをよく伺います。
自分の話を聞いてくれない相手に対しては「ちゃんと聞いてよね」と相手の聴く力のなさを責めたくなるかもしれません。
一方で、子どもの話を聞き流してしまったり、適当に相槌を打ってしまったりして、自分自身の聴く力のなさを反省することもあるでしょう。
わが家でも、ついこの前そんなことがありました。
小4の娘が突然何かを話しかけて来たのですが、何だかよくわからなくて適当に聞き流してしまったのです。
ところが、それはじつは学校関係の確認事項で、ちゃんと返事をしなくてはいけないことでした。
そして娘に「大切な話だったら、ちゃんと聞いてもらう工夫をしないとダメだよ」と話をしたのです。
「ねぇねぇパパ、ちょっと聞いて」
娘が話しかけてくるとき、話しかけられる僕はいつでも聞く準備万端というわけではありません。
料理をしていたり、TVや動画や本を見ていたり、妻と話をしている最中だったり、ときにはトイレにいたり、仕事中だったりします。
大人になればある程度「いま、話しかけても大丈夫かな」と様子を探りますが、子どもだと思いついた瞬間にはもう喋りはじめていたりします。
こちらとしては、聞く準備ができていませんから、最初の方がよく聞こえていなかったり、意識をそちらに向けるのに少しのタイムログができたり、またはそっちに意識を向けずに聞き流してしまうこともある。
だから、大事な話や、ちゃんと聞いて欲しい話があるときは「まずはちゃんとパパを振り向かせてね」と言いました。
話というのは耳だけで聞いているのではありません。相手の表情や仕草なども大切な情報源です。耳だけよりも情報源が増えるほど相手の話を理解することができます。つまり、こちら側を向いてもらってから話をすることで、より話が伝わるようになります。
TVを見ながら何となく独り言のように漏れる会話で、いちいち振り向かされていてはたまりませんが、聞いてもらいたい話があるときは、まずは相手にもちゃんと聞いてもらえるような姿勢をとってもらうこと。
それだけで、適当に聞き流されてしまうことはなくなります。
「あのさ、〇〇のことなんだけど」
もうひとつ。「何の話か、最初に教えてくれると聞きやすいよ」という話もしました。
べつにビジネスじゃないので「結論を最初に!」とか、そういうことを言いたいわけではありません。「学校のことなんだけど」「お願いがあるんだけど」「お弁当のことなんだけど」「買って欲しいものがあるんだけど」「クイズです!」「この動画おもしろいんだよ」など。
もちろん、学校の話のつもりで話していて、いつの間にかTVの話や友達の話になっていたっていいんです。
それでも、何を聞いてもらいたいのかを言ってもらえると、話を聞きやすくなります。
「今日ね、〇〇くんがさ、お弁当の時間に〇〇してて、それで〇〇ちゃんがこっちで〇〇してて…」と子どもたちって思い浮かんだ映像をそのまま説明するように話をすることがよくあります。それだって聞いていて楽しいのですが、その流れで突然「学校のお祭りの準備でトイレットペーパーの芯がいるから、明日持っていかなくちゃ」みたいなホットトピックスが差し込まれたりする。それで本人は伝えたつもりだったりするのです。
こちらもちゃんと聞いていれば「あ、それじゃ準備しておかなくちゃね」となりますが、聞き流していると本当に聞き漏らしてしまいます。
なので、ちゃんと伝えたいことがあるときは、それを最初に伝えるようにしよう。
そんな話をしました。
大人同士だって、聞いてもらう工夫は必要
この聞いてもらう工夫は、夫婦など大人同士においてもときに大切だなと思っています。
話を聞いたり、聞いてもらったりというのはキャッチボールです。聞く方だけが聴く力を高めて、ちゃんと質問をしたりして話を聞くようにしよう、ということではありません。
同じように、話をするほうも聞いてもらう工夫がいると思うのです。それは、話を面白く、上手にする力とはちょっと違います。
相手に「聞く準備」を整えてもらうこと。
それだけで、話をちゃんと聞いてもらえるようになるのではないでしょうか。
三木智有/家事シェア研究家