台風被害逆手に魅力再構築 高梨茶園 クラファン活用で
昨年8月の台風10号の影響で茶畑崩落の被害を受けた高梨茶園(秦野市菩提)が、4月18日から茶畑復旧の一助とするためのクラウドファンディングを行っている。
同茶園は2019年の台風19号でも茶畑が崩落し、被害は今回で2回目。3段目と2段目が崩れ1段目は土砂により木が押し流され、一反(生産量にして700〜800kg)を損失した。
度重なる台風被害の心労で4代目の高梨晃さんは一時体調を崩したが、3代目である父から受け継ぐ畑を復旧しようと奮起。ボランティアの手を借り、土砂の片づけなど自分たちでできる作業を行いながら、行政と相談・調整を重ねてきた。
そんな中、知人に「クラウドファンディングを活用したらどうか」という打診を受けたが「ただ助けてくださいは嫌なので、主旨や返礼の内容をしっかり詰めてからにしたい」と一時保留。激甚災害指定を受け、復旧工事のめどが付いた段階で詳細を詰めていった。
新たな可能性探る
募集するにあたり柱にしたのは、「茶園の未来復旧のその先へ」。ただ寄付を集めるのではなく、現状の復旧状況を発信しつつ、秦野市や秦野産の茶のPR、自身の農園の今後の取り組みにつながる返礼品を考えた。
例えば、市内のアリエッタ・デル・ジェラートとのコラボジェラートや、体験付きの茶園工場見学などを用意。「これを機に新たな商品の可能性や、秦野のお茶を普及する取り組みとしての工場見学・体験の基盤構築につなげたい」と高梨さんは話す。クラウドファンディングは開始3日で目標額を達成。秦野のことをより多くの人に知ってもらおうと、期限の6月14日まで募集は継続している。高梨茶園のページは「CAMPFIRE高梨茶園」で検索可能。