松屋の店舗限定「欧風牛タンカレー」から感じる次世代型の遺伝子 / 松屋の新型ビーフカレー試作2号説
松屋の一部店舗限定で、新型のカレーが登場している。「欧風牛タンカレー」というやつだ。対象店舗は全部で54。詳細は公式HPから確認できる。
松屋のカレーにハズレは無い。今回の新型は牛タンが武器のようだ。さっそく食べてみることに。
・フォンドボー
さて、今回のカレーだが、公式HPの画像には “フォンドボー仕立て、大人の贅沢カレー” とある。
フォンドボーはフランス料理で使用される出汁。”ボー” なので子牛由来のものだ。つまり子牛出汁で仕立てたカレーに牛タンを入れた、牛カレーだと思われる。
バージョンはカレー単体の他、チーズ付きと、ソーセージエッグ付きの3種類があるもよう。価格はそれぞれ780円、980円、そして930円だ。
こちらが券売機の画面。
なるほど……牛タン入りは3種類だが、同じルーだと思われる「欧風カレー」シリーズということであれば全部で5バージョンあるのか。
牛タンに興味が無ければハンバーグ入りや、カレギュウ入りも選べるもよう。まあ、それ等のトッピングは単品でも買えるので、自分でブチ込むという選択肢もあるのだが。
個人的にはハンバーグ入りが一番うまそうに思えたが、ここは牛タンを試してみるべきだろう。今回はチーズ付きを選択。980円は並の値段で、大盛は1070円。私の選択は、もちろん大盛だ。
・遺伝子
ほどなくして出てきたのがこちら。
こちらがチーズ。ライスにかかっているので、チーズ入りとチーズ無しでルーの味の変化を確認しやすい。
ルーは見るからに粘度高めで、色も濃いタイプだ。
牛タン自体はそんなに入っていないもよう。小さいブロックが2個だけだった。HPの写真でも全くその通りだったので、仕様として決まってそう。
食べてみると……ほう、今回のルーは甘めか? いや待て。なるほど……まずは濃い甘みが来て、後からチリチリッとしたタイプの辛さがやってくるぞ!!
この甘いと辛いが両方立っている感じ、何かに似ているな。そうだ、3月に店舗限定で出てレビューした、「濃厚あまからカレー」だ! あれは、甘いも辛いも共にはっきりくっきりな不思議な味わいだった。
今回の「欧風牛タンカレー」は「濃厚あまからカレー」の辛さを少し減衰させた感じだが、しかし相変わらず甘さと辛さが共にはっきりしており、ぼやけていない。
もしかしたら「濃厚あまからカレー」に使用された技術そのものか、あるいは同じ理論が用いられているのかもしれない。「あまから」を試作1号とするなら、こいつはその延長線上で開発された試作2号な疑い。
そしてこのルー。ボテっとした太い味わいで、確かに奥深さを感じさせる。それがフォンドボーによるものなのか牛タンによるものなのかは不明だが、これも松屋のカレーシリーズにおいては、ごろチキ等の従来のルーとは何か決定的な違いを感じさせる、次世代型のルーだと思う。
そして牛タンだが、トロトロに煮込まれ、ほとんど硬さを感じさせないほどソフトになっている。これはこれで美味いが、ルー自体も粘度高めで、他の材料もおおむねとろけている。
つまり食感面が全て似たような感じなので、やはり多少の硬さを持つハンバーグ付きが美味いのではないかという思いが強くなる。
また、チーズを混ぜると、辛さは素早く減衰。チーズを混ぜた「欧風牛タンカレー」はかなりマイルドだ! トロみも増し、ねっとり感やボテっとした感じが増し、異なるストーリーを感じさせる。
ノーマル版に、別でチーズとハンバーグをトッピングして食べてみたいな。個人的にはそれが一番正解な気がする。それにしても、立て続けに実験的なビーフカレーを展開する松屋。何かカレーに関するたくらみがあるのかもしれない。
参考リンク:松屋
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.