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日本にスキー伝えたレルヒ少佐のアルバムが本に 明治末期の上越市高田や日本各地の様子写す

上越タウンジャーナル

明治末期に新潟県上越市高田で日本に初めてスキーを伝えたオーストリア・ハンガリー帝国(当時)の軍人レルヒ少佐が残した写真アルバムが2024年12月、書籍化された。日本に滞在した1910〜1912年の2年間に撮影した写真や集めた絵はがき約800枚を一冊にまとめたもので、レルヒの日本に向けた熱いまなざしを通して明治末期の高田や日本各地、スキー黎明期の様子がうかがえる。

《画像:「テオドール・エドラー・フォン・レルヒ 思い出アルバム1910―1912」》

発刊された「テオドール・エドラー・フォン・レルヒ 思い出アルバム1910―1912」は、レルヒの顕彰や「一本杖スキー術」の継承に取り組む同市の市民団体「レルヒの会」(高橋慶一会長)が、2023年の発足60周年を記念し、市の地域独自予算の補助金を活用し作成した。

レルヒが自ら貼り合わせて作ったアルバムは9冊あり、全て上越市が所蔵している。このうち書籍には、陸軍関連の1冊を除いた8冊に収められた写真や絵はがき全てをアルバムの体裁のまま写真で掲載。レルヒがドイツ語で書き込んだ説明文や絵はがきに印字されているキャプションも書き出し、会独自の解説も脇に掲載した。

《画像:レルヒの宿舎の庭で世話人家族らを撮影していた》

アルバムからは当時の高田の人たちや街の様子、陸軍将校たち、民間人も含めたスキーの様子をはじめ、佐渡、会津、日光、北海道などの旅行先や赴任地の暮らしや風景などが分かる。レルヒの来日目的は日露戦争に勝利した日本陸軍の視察だったが、軍事視察にとどまらず多くの日本人と交流し、日本を愛したレルヒの人柄をも表れた貴重な資料だ。

編集は会員7人によるアルバム研究会が市立歴史博物館などの助言を受けながら、約2年がかりでまとめた。同研究会の相澤紀(おさむ)さん(82)は、「すばらしい本が出来たと自信を持っている。レルヒさんは日本人以上に日本を愛し、勉強した方だということをページをめくりながら思いをはせてほしい」と話し、高橋会長(71)は「写真でゆっくり見ていくとスキーが伝わった当時の様子が脳裏に浮かんでくる。スキーが伝わり、冬のスポーツとして広まったことを追体験してほしい」と語った。

《画像:日本スキー発祥記念館で書籍の発刊を発表する高橋会長》

A4判横とじ、カラー198ページ。500部を発行し、400部は上越市内の小中高大学や図書館、公共施設、全国のスキー関連団体などの関係者に寄贈した。残りの100部を上越市内の書店やスキー発祥記念館(大貫1)などで販売している。2000円。

問い合わせは日本スキー発祥記念館内のレルヒの会025-523-3766( tel:0255233766 )。

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