【東京散歩コース】皇居・丸の内・東京駅~江戸城の遺構のすぐお隣は洗練されたオフィス街~
皇居は徳川将軍の居城・江戸城だったところ。広さは皇居外苑を含めると230万平方メートルあり、東京ドーム49個分に相当する。皇居周辺散歩の楽しみは、江戸城の遺構と、それらと一体となった庭園や植栽の美しさにある。丸の内は日本を代表するオフィス街。ブランドショップが並ぶ丸の内仲通りは洗練された街並みで、人気の散歩コース。昼どきに現れるキッチンカーは丸の内の名物だ。隣接する商業ビルでショッピングやティーブレイクを楽しむのもいい。コースの終点の東京駅丸の内駅舎は、建物を見るだけでも価値がある。『東京ステーションギャラリー』のレンガ壁の展示室に、駅舎の歴史がしのばれる。
【散歩コース】
スタート:九段下駅は地下鉄東西線で大手町駅から4分・180円、高田馬場駅から9分・180円。地下鉄半蔵門線渋谷駅から11分・210円、地下鉄新宿線新宿駅から8分・220円。
地下鉄東西線・半蔵門線・新宿線九段下駅→(すぐ)→昭和館→(3分/0.2㎞)→北の丸公園→(11分/0.7㎞)→科学技術館→(5分/0.4㎞)→皇居東御苑→(21分/1.4㎞)→大手門→(17分/1.1㎞)→二重橋→(3分/0.3㎞)→桜田門→(15分/1.0㎞)→丸の内仲通り→(10分/0.7㎞)→インターメディアテク→(3分/0.2㎞)→東京ステーションギャラリー→(すぐ)→JR・地下鉄東京駅
ゴール:東京駅からJR 中央線で新宿駅まで14分・210円、JR 山手線で上野駅まで7分・170円、渋谷駅まで26分・210円。地下鉄丸ノ内線の利用もできる。
今回のコース◆約6.0㎞/約1時間30分/約8000歩
実物資料で学ぶ戦中・戦後の暮らし『昭和館』
戦中・戦後の生活上の労苦を次世代に伝える国立の施設。常設展示室は、昭和10年(1935)から30年頃の国民生活を中心に、実物資料約500点を展示。
『昭和館』詳細
昭和館(しょうわかん)
住所:東京都千代田区九段南1-6-1/営業時間:10:00~17:00/定休日:月(祝の場合は翌)/アクセス:地下鉄東西線・半蔵門線九段下駅から徒歩1分
四季折々の草花を愛でる散策路「北の丸公園」
江戸城北の丸があった場所で、明治時代には近衛連隊の兵営地になった。1969年に森林公園として公開され、敷地内には『日本武道館』、『科学技術館』、『国立近代美術館』、『国立公文書館』などがある。
「北の丸公園」詳細
北の丸公園
住所:東京都千代田区北の丸公園1-1/営業時間:入園自由(22時消灯)/アクセス:地下鉄東西線竹橋駅から徒歩5分
見て、触れて、科学を体感する『科学技術館』
私たちの生活に身近な科学技術を学べる体験型博物館。エネルギー、電気、薬、自動車、自転車、建設などさまざまなテーマを設け、解説や実験などを通じて解き明かす。
『科学技術館』詳細
科学技術館(かがくぎじゅつかん)
住所:東京都千代田区北の丸公園2-1/営業時間:9:30〜16:00/定休日:水不定休/アクセス:地下鉄東西線竹橋駅から徒歩5分
江戸城の遺構を訪ねる歴史庭園「皇居東御苑」
江戸城の本丸、二の丸、三の丸の跡地を整備した公園。大番所、百人番所、松の廊下跡、天守台など江戸城の遺構が点在する。二の丸庭園はツツジやハナショウブの名所。
「皇居東御苑」詳細
皇居東御苑(こうきょひがしぎょえん)
住所:東京都千代田区千代田1/営業時間:9:00〜17:30(3月〜4月14日・9月は〜16:30、10月は〜16:00、11月〜2月は〜15:30)/定休日:月(祝の場合は翌)・金、天皇誕生日/アクセス:地下鉄大手町駅から徒歩5分
定番の記念撮影ポイント「二重橋」
皇居正門に架かる2つの橋のうち、奥の正門鉄橋を指す。濠が深く、橋桁を支えるため二重構造となっていたことが名の由来。現在の橋は1964年に架け替えられたもの。
「二重橋」詳細
二重橋(にじゅうばし)
住所:東京都千代田区皇居外苑1-1/アクセス:地下鉄有楽町線桜田門駅から徒歩2分
小田原街道の始点でもあった「桜田門」
江戸城内堀に造られた門。枡形が完全に残っている城門の一つで、扉の釣金具には「寛文三年」の銘が入っている。安政7年(1860)に、大老・井伊直弼がこの門外の堀端で水戸浪士らに暗殺される「桜田門外の変」が起きた場としても知られる。国指定重要文化財。
「桜田門」詳細
桜田門
住所:東京都千代田区皇居外苑1 -1/アクセス:地下鉄有楽町線桜田門駅から徒歩3分
丸の内のメインストリート「丸の内仲通り」
オフィス街を縦断する街路樹が美しい通りには、国内外の有名ブランドショップをはじめ、ハイセンスなレストランやカフェがある。ランチタイム前後には通りと一体となったオープンカフェ空間「アーバンテラス」として歩行者に開放されている。時期によりイルミネーションなどイベントが開催される。
「丸の内仲通り」詳細
丸の内仲通り
住所:東京都千代田区有楽町1-6 丸の内仲通り/アクセス:JR・地下鉄東京駅から徒歩1分
学術文化を身近に触れる場『インターメディアテク』
日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館が協働運営する博物館。生物学や地理学など、学術標本や研究資料を展示。特別展も随時開催する。
『インターメディアテク』詳細
インターメディアテク
住所:東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE2・3F/営業時間:11:00~18:00(金・土は~20:00)/定休日:月(祝の場合は翌)、臨時休あり/アクセス:JR東京駅から徒歩1分、地下鉄丸ノ内線東京駅直結、地下鉄千代田線二重橋前駅から徒歩2分
東京駅丸の内駅舎内の美術館『東京ステーションギャラリー』
独創的な企画展はもとより、レンガ壁の展示室やらせん階段、駅舎の歴史を紹介する2階回廊、ドーム天井の石膏彫刻など、国の重要文化財に指定される駅舎の構造を間近に見られるのが興味深い。
『東京ステーションギャラリー』詳細
東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1/営業時間:10:00〜17:30(金は〜19:30)/定休日:月(祝の場合は翌)/アクセス:JR東京駅直結
【グルメ】元祖ハヤシライスは明治の洋食『M&Cカフェ』
明治2年(1869)創業の本と文具の『丸善』直営の洋食店。創始者の早矢仕有的が考案した「早矢仕ライス」はハヤシライスの元祖といわれる。早矢仕ライス1480円。サラダ・コーヒーセットはプラス700円。
『M&Cカフェ』店舗詳細
M&Cカフェ(エムシーカフェ)
住所:東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ4F/営業時間:9:00〜20:30LO/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄東京駅から徒歩1分
【街探検】開業時の姿で復原!ドームが美しい赤レンガ造りの東京駅丸の内駅舎
東京駅の開業は大正3年(1914)12月20日。設計は近代建築の父といわれた辰野金吾。3階建て全長約335mに及ぶ西洋建築で、外壁には埼玉県深谷市から鉄道で運ばれた赤レンガが使われた。鉄筋造りの建物は、関東大震災でも大きな被害を受けなかったほど堅牢だった。当時は、南北にドーム状の屋根があり、南口が乗車口、北口が降車口で、中央の玄関は皇室専用とされた。
しかし、昭和20年(1945)の東京大空襲によって大きな被害を出す。戦後、ただちに修復されたが、資材不足もあって、3階建てが2階建てに変更され、南北ドームが撤去されるなど、外観も大きく変わった。
2007年4月に始まった丸の内駅舎保存・復原工事は、2012年10月に完了する。失われた3階部分や南北のドームも復原され、八角形のドームの天井に取り付けられた8羽の鷲や8つの干支のレリーフも復原された。
取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きたい人のための 東京散歩地図』より