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『ひなたぼっこ』が猫にもたらす5つのメリット 逆効果にならないための注意点も

ねこちゃんホンポ

「ひなたぼっこ」が猫にもたらす5つのメリット

1.体を温める

猫がひなたぼっこをする最も直接的なメリットのひとつは、体を効率的に温められることです。猫の平熱は人間よりも高く、約38~39度とされています。

猫は体を温めることで血行が促進され、筋肉がほぐれて関節の動きがスムーズになります。特に寒い時期には、自然の温かさが猫の体温維持に不可欠であり、免疫力の向上にも寄与すると考えられています。

また、体を温めることで代謝が活発になり、病気への抵抗力が高まる効果も期待できます。猫はもともと砂漠地帯に生息していた動物の子孫であり、日向で体を温める習性は、猫の体質に深く根付いていると言えるでしょう。

2.リラックス効果・ストレス軽減

太陽の暖かい光を浴びながらうとうとする「ひなたぼっこ」は、猫にとって最高の癒しであり、心身のリラックス効果をもたらしてくれます。

猫が安心して体を預けられる暖かい場所で休息をとることは、日々のストレスを軽減し、精神的な安定につながるでしょう。

太陽の光は、猫の脳内でセロトニンと呼ばれる神経伝達物質の分泌をうながすと考えられており、このセロトニンは幸福感や安心感をもたらす作用があります。

また、暖かい場所でゆっくりと過ごすことで、猫は本能的な欲求を満たし、より穏やかな気持ちで過ごすことができるため、問題行動の抑制にも効果が期待できます。

3.ビタミンDの生成

人間と同様に、猫も太陽の光を浴びることで体内でビタミンDを生成します。ビタミンDは、カルシウムとリンの吸収を助け、骨や歯を丈夫に保つために大切な栄養素です。

特に成長期の猫や高齢の猫にとって、骨密度の維持や骨粗鬆症の予防に重要な役割を果たします。猫の皮膚が太陽の紫外線を浴びることでプロビタミンDが活性化され、肝臓や腎臓を経て最終的に活性型ビタミンDに変換されます。

自然な形でビタミンDを補給できるひなたぼっこは、猫の健康維持において非常に重要な意味を持つのです。

4.毛づくろいの促進

ひなたぼっこは、猫の毛づくろいを促す効果も期待できます。太陽の光を浴びて体が温まると、血行が良くなり、皮膚や被毛の状態が整いやすくなります。これにより、猫はより快適に毛づくろいを行うことができるようになるでしょう。

また、日光浴は被毛の乾燥を促し、毛玉の形成を抑制する効果や、ノミやダニといった外部寄生虫の活動を抑制する効果も期待できます。

毛づくろいは猫にとって大切な行動であり、体を清潔に保つだけでなく、精神的な安定にもつながるため、ひなたぼっこはその質を高める助けとなるのです。

5.睡眠の質の向上

ひなたぼっこは、猫の睡眠の質を向上させる上で重要な役割を果たすことがあります。太陽の光を浴びることで、猫の体内時計が適切にリセットされ、概日リズム(約24時間の生体リズム)が整えられます。

日中に適度な日光を浴びて活動することで、夜には自然な眠気が訪れやすくなり、深い睡眠へと誘われます。規則正しい睡眠サイクルは、猫の心身の健康維持に不可欠であり、ストレス軽減や免疫力向上にもつながるでしょう。

「ひなたぼっこ」が逆効果にならないための注意点

猫にとって多くのメリットがある「ひなたぼっこ」ですが、無制限に日光に当て続けると、かえって健康を害し逆効果となる可能性があります。

最も注意すべきは、熱中症のリスクです。特に夏場の直射日光下や風通しの悪い場所での長時間のひなたぼっこは、猫の体温を急激に上昇させ、脱水症状や臓器へのダメージを引き起こす可能性があります。

ぐったりしている、よだれが多い、呼吸が速いなどのサインが見られたら、すぐに涼しい場所へ移動させ、体を冷やすなどの処置が必要なため、すぐに病院に連れていきましょう。

また、過度な紫外線は皮膚がんの原因となるリスクも指摘されています。特に被毛の薄い耳の先端、鼻、お腹、肉球などは紫外線の影響を受けやすく、皮膚がんを発症するケースも報告されています。

そのため、真夏の日中の強い日差しは避け、比較的日差しの穏やかな朝夕の時間帯に短時間に留めることが大切です。

常に新鮮な水が飲めるように用意し、猫が自ら日陰に移動できる場所を確保するなど、飼い主が適切な環境を整えることで、猫は安全にひなたぼっこの恩恵を受けることができるでしょう。

まとめ

ひなたぼっこが好きな猫は多く、朝になると窓の側で陽の光を浴びている子も多いのではないでしょうか。

日光浴をすることは、猫にとっても私たち人間にとってもメリットの多い行為です。しかし、当然「やりすぎ」てしまうと健康に悪影響を及ぼす危険があるので注意しましょう。

近年、温度差が激しく春先や秋口でも気温の高い日があります。一日の気温を確認し、必要であればエアコンを使用して室内の温度管理を徹底してリスクを回避するようにしてくださいね。


(獣医師監修:加藤桂子)

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