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紅葉の見ごろ予想にチャレンジ!お天気別の撮影ポイントも知って、深まる秋を楽しもう

さんたつ

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秋も深まり始めた今日このごろ。行楽シーズンの楽しみといえば、紅葉狩り散歩ですよね。鮮やかな錦秋の絶景を満喫するためには、紅葉の見ごろを見極めないといけませんが、これがなかなか難しい……。ですが、自分でも見ごろを予想する方法があるのをご存じでしょうか? 美しい紅葉を写真に収める時のお天気別のポイントも一緒にご紹介します。

自分でできる! 紅葉の見ごろを予想してみよう

10月も後半に入り、紅葉前線が次第に南下してきました。標高の高い地域から見ごろを迎えていますが、お目当ての紅葉スポットの見ごろはいつだろうか? 民間気象会社などから発表される予想をチェックしている人も多いのではないかと思います。実は、過去には気象庁でも紅葉の見ごろの予想を発表していたことがありました。その際に使用されていた計算式が公開されています。

紅葉の見ごろを知るためには、以下の式を利用してみてください。
10月1日からの日数=4.62×9月の平均気温-47.69

気象庁のサイトから見ごろを知りたい地域の近くの9月の平均気温を入れて計算すると、10月1日から何日後が見ごろになるのか分かります。

例えば、東京の見ごろを知りたい場合、
4.62×26.5-47.69=74.74 となるため、おおよそ12月15日ごろが見ごろという結果です。

今夏は記録的に暑い夏となり、9月も厳しい残暑が続いたため、計算上は例年より見ごろがかなり遅いかもしれないということになります。

都心部では、近年は師走に入って紅葉の見ごろを迎えることも多い。
色づいた葉が美しい季節がやってくる。

人気の紅葉スポットを数多く抱える京都では、

4.62×27.6-47.69=79.82 となるため、なんと12月20日ごろに見ごろという計算です。

人気の紅葉スポット、京都・東寺のライトアップは一見の価値あり。
紅葉は最低気温が8℃以下になると始まるといわれる。あなたのお住まいの地域の予想をしてみて。

ただし、実際の見ごろはある1日だけでなく数日間にわたって続きますし、今後の天気や気温の変化、木ごとの特性によって変わるのでピタリと当たるわけではなさそうです。現地の色づき具合を見ながら、おおよその目安として楽しんで計画してみてください。

秋の深まりはスローペース。紅葉散歩計画の参考に

今後の紅葉の進み具合に大きく影響しそうなのが、秋から冬にかけての気温の変化です。10月21日に発表された気象庁の3か月予報によると、11月は日本付近で偏西風が平年より北を流れる見込みです。

偏西風は寒気と暖気を分ける風で、いつもの年より北にあるということは、北からの寒気が入りにくく、南からの暖気が流れ込みやすいということになります。このため、全国的に気温は平年より高くなる見込みで、秋が深まるのはゆっくりとなりそうです。紅葉の色づきもスローペースで進んでいく可能性が高いと考えられます。

気象庁発表の3か月予報、11月の平均気温。紅葉散歩の計画はゆっくり進めてよさそう(画像=ウェザーマップ)。

ただ、12月は各地でほぼ平年並みの予想となっています。平年並みということは、師走本来の寒さになるということです。12月に入ると偏西風は日本付近で南に蛇行し、平年よりも南側を流れる時季があり、急激に冷え込んできそうです。都市部の紅葉も、このころには一気に進むかもしれません。2026年の1月にかけて、全国的に冬らしい寒さが続きそうです。

気象庁発表の3か月予報、12月の平均気温。一気に冷え込みが強まることも(画像=ウェザーマップ)。
気象庁発表の3か月予報、1月の平均気温。2026年1月も冬らしい冬に(画像=ウェザーマップ)。

すてきな写真を残そう! 天気によって変わる紅葉の撮影ポイント

1年に一度しか楽しめない絶景を見たら、すてきな景色を記念写真にばっちりと収めたいですよね。自然の風景だからこそ、天気によって見え方が変化します。天気ごとの簡単な撮影ポイントを紹介します。

【晴れ】
雲のないすっきりとした快晴の日には、やはり青空と紅葉の色合いを対比させるのが良いです。赤や黄など鮮やかな秋の色が、より強調されます。青空を見上げるようなアングルにするのもおすすめです。多少の雲が出ていて、柔らかな日差しの時には、光に透けた紅葉をねらうときれいに撮れます。同じ赤でも光の加減で見え方が大きく変わりますので、色々な角度から撮影してみてください。

青空と紅葉のコントラストはやっぱりきれい! この時季だけの秋景色を持ち帰って。
青空を見上げるアングルもおすすめ。

【曇り】
曇りの日は余計な影が出ないのがメリットですが、鉛色の雲の部分はなるべく避けるようにしてみましょう。風景の全体だけでなく、一部分を切り取って撮影するのがおすすめです。お寺や神社など目立つ建物と一緒に撮ると空の主張を和らげてくれます。

曇りの日は暗い空の面積は狭くして、建物とうまく組み合わせて撮影を(画像=写真AC)。

【雨】
雨の日は紅葉散歩には残念な天気だと思われがちですが、ぬれていると紅葉の色彩が引き立てられやすくなります。しっとりとした色合いや落ち着いた色彩が醸し出されて、秋ならではの寂寥(せきりょう)感を味わえる写真に仕上がりそうです。水滴のついた葉にピントを合わせて撮影するのも良いですね。足元の落ち葉を観察してみるのもおすすめです。

雨の日は雨滴がしたたり落ちる、風流な一枚を(画像=写真AC)。
足元の葉にも注目すると、いつもと違う趣きの一枚が撮れるかも(画像=写真AC)。

そのほか、早朝や夕方など時間を変えて撮ると一味違ってきます。早朝は人気のお寺や神社などの観光地でもまだ人が少なめで厳かな静けさが出ます。夕方の赤みがかった空と一緒なら、ノスタルジックな雰囲気になりそうです。晴れると思っていたのに予報が外れたという時は、雨上がりの風景や虹、霧、雲海などをねらうのも手です。

散歩しながら色とりどりの紅葉を楽しんで、秋景色の素敵な一枚を記念写真として残してみてはいかがでしょうか。

文・撮影=片山美紀

参考:

天達武史「気象予報士 天達流 四季の暮らしと二十四節気の楽しみ方」産経新聞出版.2024

「四季の写真セレクション 紅葉撮影術」四季の写真編集部 編.学習研究社.2023

気象庁「関東地方の『紅葉見ごろ予想』」
https://www.jma.go.jp/jma/press/0709/27a/koyo2007.pdf

気象庁「各種データ・資料 過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php

気象庁「全国の季節予報 3か月予報」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?region=010000&term=P3M

片山美紀
気象予報士
大阪府出身。大学卒業後、地方放送局を経て気象予報士となりNHK総合やTBSなどで解説。街歩きをしながらお天気ネタを探すのが趣味。著書に『気象予報士のしごと‐未来の空を予想して‐』(成山堂書店)、『地球環境を守るレシピ』(日本橋出版)などがある。

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