前橋・高崎の個性が光る書店5軒。充実の品揃えで、そこに暮らす人を支える書店がある
群馬県の2大都市、前橋と高崎は、何かと比べられることが多い。でも、各地の書店に共通するのはご当地本の充実、店舗の広さを生かした豊富な品揃え。そして日常生活に欠かせないところだ。
前橋の知と文化を支える老舗書店『煥乎堂(かんこどう)』[前橋]
創業は明治時代、その歴史は優に100年を超える。1階のエントランスを入るとまず目に付くのは文芸書新刊コーナー。小説、ミステリー、エッセイなど、文芸を幅広くとらえた並びに心が躍る。その隣の棚は、地元の新聞社や自費出版による充実の郷土本コーナー。3階の古書フロアは全集や画集をはじめ、硬軟おり交ぜた圧巻の品揃えだ。前橋に深く根を張り、親しまれる知の殿堂である。
書店員さんのイチ押し!
『上毛かるた』群馬県
群馬県では一家に1冊。1947年発行の大ロングセラー。みやげにもおすすめ。
『煥乎堂』店舗詳細
煥乎堂(かんこどう)
住所:群馬県前橋市本町1-2-13/営業時間:10:00~20:00(土・日・祝は9:00~、4階は9:30~)/定休日:無/アクセス:JR両毛線前橋駅から徒歩15分
日々の生活に寄り添う地域一番店『紀伊國屋書店 前橋店』[前橋]
ショッピングモール内の広大な空間に幅広いジャンルが揃う。棚は目線の高さで通路は広く、じっくりと本を選べるのがうれしい。地域の学校との連携もさかんで、生徒や先生が選んだ本のフェアを随時開催。また、近隣の病院の医師に向けて医学・看護書の品揃えが充実している。地元に暮らすさまざまな年齢層の人たちの生活に、なくてはならない店である。
書店員さんのイチ押し!
『勝てる組織の作り方』青柳博文 著/竹書房
群馬県勢として初のセンバツ優勝をはたした健大高崎の監督による組織論。
『紀伊國屋書店 前橋店』店舗詳細
紀伊國屋書店 前橋店(きのくにやしょてんまえばしてん)
/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR両毛線前橋駅から徒歩12分
書店の可能性広がる無印良品コラボ店舗『未来屋書店 高崎店』[高崎]
イオンモール高崎にあるこの店最大の特徴は、隣の無印良品と境界なくつながっているところ。両店コラボテーブルやスペース「Open MUJI」が設けられ、居心地よく本を楽しめる空間となっている。ユニークな棚づくりも魅力的で、力を入れているというノンフィクション・エッセイコーナーは「本好きの方には必ず刺さるはず」と店長の小林さんも太鼓判。ついつい長居してしまう。
書店員さんのイチ押し!
『MOTHER™のことば。』糸井重里 著/ほぼ日
前橋市出身・糸井重里さんの名作RPG『MOTHER』™内のことばを収録。
『未来屋書店 高崎店』店舗詳細
未来屋書店 高崎店(みらいやしょてん たかさきてん)
住所:群馬県高崎市棟高町1400 イオンモール高崎2F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄高崎駅から群馬バス「イオンモール高崎」行き約30分の「イオンモール高崎」下車すぐ
思わず立ち寄りたくなる地域密着の安心感『ブックマンズアカデミー 高崎店』[高崎]
ショッピングモール『UNICUS』内にあり、買い物の際に訪れるファミリーや女性向けの本を中心に多ジャンルを揃える。中でも入り口から広がる児童書コーナーには子供向けのカードや雑貨類も並び、ワクワクするような華やかさがある。時期によって地元の食品やハンドメイド作家の作品のコーナーを設けるなど「地域の魅力を発信する場にもしていければ」と店長の沖田さん。
書店員さんのイチ押し!
『大学的群馬ガイド ─ こだわりの歩き方』高崎経済大学地域政策学部観光政策学科 編/昭和堂
執筆者は高崎経済大学所属の教員。学術的に群馬の魅力を案内する。
『ブックマンズアカデミー 高崎店』店舗詳細
ブックマンズアカデミー 高崎店
住所:群馬県高崎市飯塚町1150-5 ウニクス高崎2F/営業時間:9:00~22:00/定休日:無/アクセス:JR信越本線北高崎駅から徒歩13分
地元民にも遠方客にも心強い駅ナカ書店『くまざわ書店 高崎店』[高崎]
高崎駅構内とあって、ビジネスパーソンや学生、旅行客が主な客層。決して広い店舗ではないが、だからこそ厳選して本を置くことで「本を好きになるきっかけを作りたい」と店長の齋藤さん。話題の本や新刊は見つけやすいよう入り口付近に配置し、コミックから専門書、文具まで幅広く取り扱う。ずらりと並ぶ学習参考書コーナーは圧巻で、学校帰りに立ち寄る生徒も多いという。
書店員さんのイチ押し!
『高崎学Ⅰ』高崎市
高崎の歴史を学ぶならまずはコレ。「高崎学検定」受検者には必須!
『くまざわ書店 高崎店』店舗詳細
くまざわ書店 高崎店
住所:群馬県高崎市八島町222 イーサイト高崎2F/営業時間:8:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄高崎駅直結
取材・文・撮影=屋敷直子(前橋)・近藤かおり(『散歩の達人』編集部・高崎)
『散歩の達人』2024年10月号より