犬にとってよくない『インテリア』5選 愛犬に不快感や危険をもたらすモノとは?
犬にとってよくない「インテリア」とは
犬が暮らす環境には、意外なところに危険が潜んでいることがあります。実は、部屋のインテリアが犬に不快感や危険をもたらしているケースもあります。
そこで今回は、犬にとってよくない「インテリア」をご紹介します。
1.毛足の長いカーペット
フローリングなどの滑りやすい床は、犬の足腰に負担をかけたり、転倒のリスクを高めたりするため、滑り止め対策が必須です。
カーペットを敷くのは有効な対策ですが、毛足の長いものは危険です。長い毛足は犬の爪が引っかかりやすく、転倒やケガの原因になります。
また、毛足が長いと抜け毛やゴミが絡まりやすく、掃除が大変になるというデメリットもあります。掃除が不十分だと、ダニの温床となり、アレルギーの原因になることもあります。
2.有毒な観葉植物
観葉植物は部屋の雰囲気を明るくしたり、癒やしを与えたりしてくれますが、犬にとっては危険な場合があります。なぜなら、一部の観葉植物には、犬が誤って口にしてしまうと、嘔吐や下痢、呼吸困難などを引き起こす恐れのある有毒な成分が含まれているからです。
ポトスやアイビー、ドラセナ(幸福の木)など、犬にとって有毒な観葉植物は多いので、犬のいる場所に観葉植物を置きたい場合には十分注意する必要があります。
3.角の尖った家具
テーブルやテレビ台など、角の尖った家具は、犬がぶつかった際にケガをする危険があります。頭や目をぶつけてしまうと、大きなケガにつながる恐れがあります。
活発な性格の犬は、家の中でも元気に動き回り、勢いあまって家具にぶつかることがあるため、特に注意が必要です。
4.高さのあるソファやベッド
ソファやベッドでくつろぐのが好きな犬は多く、多少高さがあっても難なく上り下りしているように見えます。
しかし、高さのあるソファやベッドの上り下りは、犬の足腰に負担をかけ、椎間板ヘルニアや関節疾患を引き起こす原因となることがあります。
特に、ダックスフンドやウェルシュコーギーなどの椎間板ヘルニアになりやすい犬種や、トイプードルやポメラニアンなどの膝蓋骨脱臼が起こりやすい犬種、そして老犬は高い場所の上り下りを避けるべきです。
さらに、小型犬は骨が非常に細いため、ソファやベッドから飛び降りた際の衝撃で骨折してしまうこともあります。
5.明るすぎる照明
犬は薄暗い空間を好む傾向があり、明るすぎる照明に長時間さらされると、ストレスや不快を感じることがあります。
また、夜間の明るすぎる照明は、犬の睡眠を妨げ、睡眠のリズムを乱す可能性があります。睡眠のリズムが乱れると、犬の健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。
犬にとって安全で快適な「インテリア」とは
犬が安全で快適に過ごせるインテリアにするためには、いくつかの対策が必要です。では、具体的にどのような対策をすればよいのか、一緒に見ていきましょう。
敷物は毛足の短いものを選ぶ
滑りやすい床の滑り止め対策としてカーペットを敷く場合は、毛足の短いものを選ぶようにしましょう。毛足が短いことで、犬が爪を引っかけるリスクが低減し、転倒やケガを防ぐことができます。また、掃除もしやすいです。
毛足の短いカーペットを敷く以外にも、コルクマットを敷いたり、ペット用の滑り止めワックスを塗布したりするのも滑り止め対策として有効です。
観葉植物は種類や設置場所に気をつける
部屋のインテリアとして観葉植物を置きたい場合は、毒性のない種類を選ぶことをおすすめします。例えば、パキラやテーブルヤシの葉や茎には毒性がなく、犬に安全な観葉植物とされています。
有毒な観葉植物を置く場合は、犬の届かない高い場所に置いたり、犬が近づけないように柵で囲ったりして、誤食のリスクを減らしましょう。
また、毒性のない観葉植物であっても、大量に葉や茎を食べてしまうと嘔吐や下痢をする可能性があります。また、鉢の土を食べてしまう可能性もあります。そのため、やはり高い場所に置くか、柵で囲うのが望ましいです。
家具の角には安全対策をする
家具の角が尖っている場合は、安全対策を施しましょう。
尖った角にクッション材を貼ったり、コーナーガードを取り付けたりすることで、万が一犬がぶつかってもケガを防ぐことができます。特に、活発に動き回るタイプの犬や視力が衰えてくる老犬には、こうした対策が必須です。
ソファやベッドからの飛び降りを防ぐ
高い場所の上り下りは、犬の足腰に負担をかけます。特に、飛び降りる際の衝撃は大きく、小型犬は骨折する危険性があります。そのため、高さのあるソファやベッドにはスロープやステップを設置して、犬が飛び降りるのを防ぎましょう。
新しくソファやベッドを購入する際には、犬の安全を考慮して、低いものを選ぶとよいでしょう。
照明の明るさを調整する
明るすぎる照明は、犬にストレスや不快感を与える可能性があり、特に夜間は睡眠の妨げになることもあります。
日中はできるだけ自然光を取り入れ、夜間は落ち着いた明るさに照明を調整してあげるとよいでしょう。
また、調光機能や間接照明を上手に活用し、犬が快適に過ごせる空間を作ってあげましょう。
まとめ
今回は、犬にとってよくない「インテリア」について解説しました。
今回上記で解説したインテリアは、犬に不快感や危険をもたらす可能性があるため、どうしても犬のいる場所で使用したい場合は注意が必要です。
その場合、敷物は毛足の短いものを選んだり、観葉植物は種類や設置場所に気をつけるなどの対策をする必要があります。
ぜひ、この機会に自宅のインテリアを見直し、愛犬の健康や生活の質を向上させてあげてくださいね。
(獣医師監修:平松育子)