本格サウナやグルメに古民家宿泊施設 温泉施設が規模拡大でリニューアルオープン
■伊豆市に「修善寺時之栖」が“誕生” アウトドアサウナ新設
静岡県伊豆市にある温泉施設「伊豆温泉村」が「修善寺時之栖(伊豆市瓜生野410-1)」に施設名を変えて、リニューアルオープンした。伊豆最大級の温泉に本格的なサウナやグルメ、ドーム型のホテルや古民家を改修した宿泊施設が加わり、複合リゾート施設として地域活性化の役割を担う。
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修善寺時之栖はインバウンド需要も取り込む観光拠点として期待されている。伊豆最大級の日帰り温泉「百笑の湯」は、金山から湧き出る豊富な湯を江戸時代から脈々と受け継いできた。今回のリニューアルでは、バリエーション豊かなお風呂に加えて、サウナを新設した。
アウトドアサウナ「KULTA(クルタ)」には大小5台のバレルサウナが並び、薪ストーブや電気ストーブを備えている。このうちの1台は日本では珍しい大型バレルサウナで、最大14人まで同時に利用できる。水着やポンチョ着用のため、男女一緒に入ることができる。
心地良い汗を流した後は水風呂へ。深さ60センチと120センチ、2種類の水風呂は地下水をくみ上げており、ミネラル豊富で温泉の成分が含まれている。自然に囲まれた場所で、景色や焚火を眺めながらサウナを満喫できる。
■女性に人気の韓国伝統のサウナ グルメも充実
百笑の湯の本館にも韓国伝統の「汗蒸幕(ハンジュンマク)サウナ」、「麦飯石サウナ」や「カプサイシンサウナ」と種類が豊富。汗蒸幕は血行を良くして汗と一緒に老廃物を排出し、疲労回復や美容に効果があると言われていることから、特に女性からの人気が高い。
百笑の湯は平日の1日券が大人(中学生以上)1650円、午後6時以降に利用する夜間券が1480円。小学生以下は、それぞれ770円と660円となっている。土日や特定期間は金額が異なる。料金にはバスタオルとフェイスタオル、館内着が付いている。
サウナ後の楽しみは「食」。新鮮な海の幸やクラフトビール、石窯で焼き上げたパンやジェラートなど、子どもから大人まで満足できる充実したラインナップとなっている。支配人の岡村悠太郎さんはリニューアルした施設に自信を見せる。
「お風呂というツールを使って家族、友人、恋人とコミュニケーションを取ることができる施設になっています。特にお子さま連れのご家族には楽しんでいただけるようこだわりました。こちらの意志を伝えて、納得いくまで業者さんと何度もやり取りし、ようやくオープンにこぎつけました」
■ドーム型ホテルと古民家ヴィラ 選べる宿泊施設
リニューアルオープンから1か月ほどが経ち、今までよりも若い世代やファミリー層が増えている。施設のロケーションやサウナ、子どもも楽しめるスペース「ファミリールーム」が好評だという。
宿泊施設も新装した。古民家を改修した1棟貸しの「金山ヴィラ」は調度品や庭を新しくする一方で、囲炉裏やヒノキ風呂といった風情を残している。囲炉裏での特別な食事や古民家でのゆっくりとした時間を味わえる。
かわいらしさを重視する宿泊客には、丸い屋根のドーム型ホテルがオススメ。家族連れにも1人旅にも評判が良いという。一緒に過ごす人やシーンに合わせて古民家とドーム型、違ったタイプの宿泊施設を選択できる。
伊豆地域は静岡県内の中でも高齢化が進み、若い世代が減っている。ただ、自然や食に恵まれ、観光地としても移住先としても潜在能力が高い。交通の利便性も高まっており、首都圏からのアクセス抜群。修善寺時之栖がにぎわいを生み、伊豆の魅力を知ってもらう契機になることが期待される。
(間 淳/Jun Aida)