パントリーとは?上手に活用する7つのコツとデザイン事例をご紹介
家づくりで「パントリー」という言葉を耳にする機会もあるでしょう。パントリーは「食料庫」というイメージを持っている方も多くいますが、アイデア次第でさまざまな使い方が可能です。
パントリーの設置を考えている方は、パントリーの種類や活用のコツを知っておきましょう。この記事ではパントリーとは何か、どのような種類があるのかを解説しつつ、上手に活用するコツやデザイン事例をご紹介します。
パントリーとは?
パントリーとはキッチンの近くに設置される収納スペースのことです。以下のように、食料や食器、使う頻度の少ない食器などを収納するために利用されます。
・お米
・根菜類
・レトルト食品、インスタント食品
・缶詰
・飲料、お酒
・非常食、保存食
・調味料
・使用頻度の少ないキッチン家電
パントリーには大きく2つのタイプがある
パントリーは「小部屋タイプ」「壁面タイプ」の大きく2つに分けられ、それぞれメリット・デメリットがあります。これからパントリーを導入する方は、それぞれの特徴を踏まえてどちらを設置するか検討してみてください。
ここでは2つのタイプの特徴をご紹介します。
小部屋タイプ
仕切られている小部屋タイプのパントリーで、「ウォークインタイプ」と「ウォークスルータイプ」があります。広さがあり、多くのものを収納できるのがメリットです。
しかし、次にご紹介する壁面タイプよりも、設置するのに相応のスペースが必要です。ただ、半畳あれば設置可能であるため、それほど敷居が高いわけではありません。
壁面タイプ
壁面タイプは壁に面して設けられているパントリーです。食器棚タイプもあれば部屋の角を利用したコーナータイプ、キャスターがついたスライドキャビネットタイプもあります。
壁面タイプは小部屋タイプよりもモノを取り出しやすいのがメリットです。ただし、小部屋タイプと比べると収納力は劣ります。
パントリーの設置場所
パントリーは食料品を取り出すために、キッチンの近くに設置されるのが一般的です。キッチン以外にも玄関やそれ以外の場所に設けることも可能ですが、動線を踏まえた設置場所にしないと不便になるため注意しましょう。
ここではパントリーの設置場所について解説します。
キッチン
キッチンの近くにパントリーを設ければ、調理中に必要な調味料や食料があればすぐに取りにいけます。しかしキッチンの奥にパントリーを設けてしまうと、スーパーで食材を買いすぎた際に奥まで運ばなければならないため、不便に感じる場合があります。
玄関
玄関やその近くにパントリーがあると、買い物してきた荷物や通販で届いた食材などをすぐに収納できます。
しかし、キッチンと玄関が離れていると、調理中に食品を取りにいく場合は手間がかかります。何度も往復しなくてはいけない場合は、時間的にも肉体的にも大変です。
パントリーを設置する4つのメリット
パントリーを設けても使わなければ無駄なスペースになってしまいますし、本当に必要かどうかは実際に使用してみないとわからないことも多いでしょう。ここではパントリーを設置するメリットを4つご紹介します。パントリー導入の参考にしてみてください。
1.食品を大量にストックできる
パントリーを用いる最大のメリットは、収納スペースが広いため食品を大量にストックできることです。「スーパーで野菜が安く売られていた」「調味料が安く売られていた」といった際は、つい買い込んでしまう方も多いでしょう。
しかし、キッチンでは食品を置く場所が限られてしまいます。パントリーがあれば、食品や調味料を多く買い込んでも安心です。
2.非常食を保管できる
万が一に備え、非常食をストックできるのもメリットです。災害時用の水は大量に買うと置き場所に困ってしまいます。パントリーであれば、普段使わない非常食や長期保存可能なレトルト食品、缶詰なども保管できます。
3.キッチンが整理整頓できる
パントリーに食品や食器類を収納して必要なものだけキッチンに置くことで、キッチンをすっきりさせて使いやすくなります。キッチンの掃除をする際も、パントリーに荷物を移動すれば掃除しやすくなります。
4.使用頻度の低いものを片づけておける
使用頻度の低い家電や食器をパントリーにしまい、使用頻度の高いものをキッチンに収納すれば、必要な食品を探しやすくなるのもメリットです。たこ焼き機やオードブル用の大きなお皿など、滅多に使わないものはパントリーにしまっておけます。
パントリーを設置する3つのデメリット
パントリーには魅力的なメリットがいくつかありますが、少なからずデメリットもあります。デメリットを知らないまま設置してしまうと後悔するでしょう。ここでご紹介するパントリーを設置するデメリット3つを参考にしてみてください。
1.スペースが必要
パントリーの設置には相応のスペースを確保しなくてはいけません。広いパントリーを設置しても、使わなければ無駄になってしまいます。また整理整頓しなければ使いにくく、ただの物置になってしまう可能性もあります。
2.設置費用がかかる
パントリーの設置には費用がかかります。一般的にはウォークインタイプの個室型、オープン型、そして壁面収納型の順に高くなります。予算を含めてどのようなタイプを設置するか検討するとよいでしょう。
3.動線が長くなる場合がある
キッチンとパントリーが離れている場合、調理中に食材や調味料を取りにいかなければいけない際は手間がかかります。効率よく家事ができるようなパントリーの設置場所、広さなどを考えるとよいでしょう。
パントリーを活用する7つのコツ
パントリーのメリット・デメリットを知ったうえで、導入を前向きに検討している方も多いのではないでしょうか。パントリーは活用次第で収納力や利便性を向上できます。パントリーを設置する方は、ここでご紹介する7つの活用ポイントを押さえておきましょう。
1.棚の高さに合わせて収納するものを分ける
パントリーで収納するものは、以下のように棚の高さに合わせて分けましょう。
・腰より低い位置:重量のあるもの。お米や大容量の調味料など。
・腰より上の位置:頻繁に使うもの。野菜、食器など。
・目線の位置:軽いもの。お菓子やカップ麺など。
2.収納ボックスやバスケットを活用する
パントリーを整理整頓して使いやすくするために、収納ボックスやバスケットを用いるのがポイントです。使用頻度の少ないものは収納ボックスに入れ、タグやラベルを貼って何が入っているかひとめでわかるようにするとよいでしょう。
3.棚は可動棚タイプにする
棚を可動棚タイプにすることで、自分の好みに合わせて高さや収納スペースをカスタマイズできます。また奥行きがある場合は、奥にしまってあるものを取り出しやすくするために引き出し収納を用いると便利です。
4.湿気対策をする
窓や換気扇がないパントリーは匂いや湿気がこもりやすいため、湿気対策が必要です。対策を何もしないと食材を腐らせてしまう恐れがあります。除湿機を置く、除湿剤を用いるなどしましょう。
5.センサーつきの照明をつける
センサーつきの照明があると、両手が塞がっているときにパントリーに入っても自動で照明がつきます。スーパーで荷物を買い込んでしまい、両手で荷物を持っている際も便利です。
6.引き戸にする
開き戸だと扉を開くためのスペースも必要ですし、片手で開けられず不便です。引き戸にすればスペースも取らず、重たい荷物を持っているときでも開け閉めしやすくなります。
7.動線のよい場所に設置する
パントリーは設置場所によって使いやすさが大きく変わります。家族の生活動線を邪魔しない場所に設置するとよいでしょう。
パントリーのデザイン事例
パントリーを設置したことがない場合、どのようなデザインにすればよいのかイメージが湧きにくいのではないでしょうか。ここではパントリーのデザイン事例を3つご紹介します。
コンセントを設置したパントリーで家電も使える
キッチンに隣接されたウォークスルータイプのパントリーです。広さが十分にあるほか、棚の奥行きを50cmと深めに設計されており、食品や調味料などを多く収納可能です。
棚の奥にはコンセントが設置されており、電子レンジや冷蔵庫なども置けるように工夫されています。キッチン周りに家電を置かなくて済むため、キッチンが開放的かつ作業スペースを広く取れるのも魅力です。
鍵がついているウォークインタイプのパントリー
収納も兼ねている小部屋タイプのウォークインパントリーです。猫を飼われている方の自宅で、パントリーの引き戸には鍵がついています。
本来はパントリーに鍵をつける必要はありませんが、猫が勝手に引き戸を開けるのを防止するために設置したそうです。ペットを飼われている方、小さな子どもがいる家庭でも、利用できるアイデアでしょう。
色味やデザインもおしゃれ!書斎も兼ねているパントリー
キッチンの背面に設けられた小部屋タイプのウォークインパントリーで、書斎も兼ねています。入り口がアーチ型で、内部も壁や棚のデザイン・色がおしゃれになっており、秘密基地のような空間に。
扉はありませんが、キッチンから離れるとパントリーの内部が見えないようになっているため生活感は出ません。来客時にも安心です。
まとめ:パントリーは家族の人数やライフスタイルに合わせて設置しよう
パントリーとは食品や食器、家電などを収納できるスペースのことです。一般的にはキッチンに隣接するよう設置されますが、玄関に設置する場合もあります。
ウォークスルータイプや壁面タイプなど、パントリーにはさまざまな種類があるため、家族の人数やライフスタイルに合ったものを設置してみてください。