20歳まで「子どもの成長をつづれる健康手帳」に出会えたことで考える“これからの子育て”
潜在意識インタビュアーkahoのコラム【良い人生は後から】 「良い花は後から」ということわざがあります。先に咲いた花よりも、後に咲いた花の方が美しいという意味を持つこの言葉。人生も同じだと思いませんか? 酸いも甘いも経験した40代頃からのほうが人生の豊かさを感じられるようになります。そんなことを意識しながら生きているkahoが日々思うことをお届けします。
11年前のあの日のこと
このコラムを書いているのは、2月24日。11年前の今日、私は破水をした。
もうすぐ娘の誕生日。毎年恒例、「〇年前の今頃は~」を考えながら過ごしている。
「11年前の明日は、早朝に破水をするのよ」という話を娘に伝えた。自分が生まれるときの話がおもしろいらしく、娘はいろいろと質問をしてくる。
「そのとき、パパは何をしていたの?」とか、「生まれそうとなったとき、どんな気持ちになった?」とか。
娘は破水から2日目に緊急帝王切開で生まれるので、ここから2日間、生まれるまでのことを語りながら誕生日に向けて過ごしていく。
母になって11年。本当に毎年、破水した日から出産までのことを何度も何度も思い出す。きっとこれは、この先何年経っても変わらないだろう。娘が成人しても、結婚しても、母になったとしても、私は娘の誕生日が来るたびに、娘が産まれたあの日のことを思いだすことを繰り返すだろう。
これが、親というものなのだ。私の母も、私の誕生日には相変わらず「46年前の今日……」という言葉からはじまるお祝いメッセージを必ず送ってくれる。
子どもは何歳になっても子ども。娘が年齢を重ねていくたびに、この言葉への理解を深めていく。
20年をつづる親と子の健康母子手帳
妊娠がわかり、安定期に入ると区役所に母子手帳をもらいにいく。
最初のページには、母となる人、父となる人の名前を記入し、検診の度に妊婦の健康状態や妊娠時の情報を記入していく。
<妊娠3か月>~<妊娠10か月>までの妊婦自身の記録というページがあり、その各欄を私はびっしりと埋めている。
母子手帳は、基本的に妊娠3か月から子どもが6歳になるまでの記録を残せるものとして作られている。予防接種の記録欄があるので6歳以降も使うことはあるけども、6歳以降の記録をしたり情報を記入する欄はない。
6歳までしか活用できない母子手帳。まだまだ子育ては続くのになぁと思っていたら、『20年をつづる親と子の健康手帳』というものを見つけた。
その名の通り、20歳までの記録が残せる母子手帳。6歳から20歳まで、小学生以降編というページがあり、そこには、小学校入学や、「9歳の壁」を乗り越えるというページや、思春期を迎えたわが子との向き合い方などが書かれている。
最後に、「成人したわが子へ」というメッセージを書くページがある。そのページにメッセージを書くのはもう少し先のことなのに、そのページを見ると、密に子どもと過ごす時間が思っているより短いことに気づく。
その他には、災害時の避難方法、避難バッグに入れるべきものが妊婦さん、乳幼児用に分かれて書かれている。
最初にもらった母子手帳と共に、この親と子の健康手帳に6歳以降の記録を続けている。
よい親とは?
『20年をつづる親と子の健康手帳』の中に、「よい親とは?」というページがある。
「完璧な親になりたい、十分な教育をしてやりたいと意気込んでいる親ほど、迷いや悩みは多いものです。子どもの教育で満点をとることは難しく、せいぜい70点くらいでよいと思う心の余裕を持ちましょう。親として最も大事な役割は、子どもが安心して暮らせる環境を整えることです」(20年をつづる親と子の健康手帳から一部抜粋)
私は、この言葉を初めて読んだときから子育てをするときの支えにしている。
「子育てに正解はない」。親になって11年。正しいとか間違っているという視点で子育てをジャッジしはじめたら、親も子も不幸になってしまう気がする。1人の人間を育てるというのは、なかなかのプレッシャーだ。少しでも良い子育てをしたいと思っていても、それが良いか悪いかを判断する人はいない。
子どもの成長は、本当に早い。そんなことに気を取られているうちに、あっという間に育ってしまう。
だって、この間まで抱っこ紐の中で眠っていたはずの娘が、もう11歳になるのだから。成人まであと7年だなんて、うそでしょ?
だからこそ、良いか悪いか、正解か間違いかに気を取られているよりも、「今日も、我が子は安心して1日を終えられたな」と思いながら日々を過ごすことのほうが大切だし、それだったら、親としていろいろ失敗しながらも、「これだけはできている!」とうものがあると、子どもも親もきっと幸せなはず。
20年の子育てをつづることができるこの手帳は、親から子への壮大なラブレターのようなものになるのではないかと思いながら、娘を育てながら感じたことをつづっていこうと思う。
潜在意識インタビュアーkaho/ライター