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【我孫子市】和Cafe TSUMUGI 元理学療法士&介護士が営むカフェがリニューアルオープン

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【我孫子市】和Cafe TSUMUGI 元理学療法士&介護士が営むカフェがリニューアルオープン

柏市塚崎から移転し、我孫子市布佐でリニューアルオープンした和Café TSUMUGI(つむぎ・旧つむぎ食堂)では、旧店舗から実施していた子育て世代の応援や、多文化多世代交流の場を目指しています。

運営する元理学療法士の長田貴行さんと元介護士の佐々木美保さんは介護施設の元同僚同士。お年寄りと接する中で「1人ひとりができることを引き出し、生き生きと過ごせる場所を作りたい」と感じ、カフェをオープンさせました。

「みんなの得意なことを引き出したい」が店づくりの原動力

和カフェ・TSUMUGIを運営する長田さんと佐々木さんは、以前はデイサービス施設で働く理学療法士と介護士でしたが、多くの利用者と関わる中で、マニュアル通りに一方的にお世話をするやり方への疑問を感じるようになったそうです。

長田さん(左)と佐々木さん

「通所しているお年寄りは、施設の時間割に沿って折り紙や塗り絵をするなど、毎日が受け身で同じことの繰り返し。生きる意味を見い出せず『早くお迎えが来ないかな』などという言葉を耳にすることもありました」と佐々木さん。

一方で、子どもたちと関わるイベントでは、彼らの笑顔を見ることができたそう。さらに佐々木さんはお年寄りたちと仲良くなるにつれ、一人ひとりの得意なことにも気づいたそうです。

「例えばお米研ぎを『何年もやってないからできない』と謙遜していた人も、手伝ってもらうととても上手にできたりします。こちらも助かるし、ご本人も感謝されて喜んでくれて。他にも絵を描くことや、書道が上手な方もいましたね。それぞれの方ができることを見つけて引き出して、お互いに嬉しくなるような時間を増やしたいと思いました」

長田さんは病院勤務を経てデイサービスに転職し、やはりお年寄りへの意識が変わったそうです。

「以前はお年寄りの体力維持のために運動してもらうのが当たり前だと思っていましたが、運動を押し付けてもみんなつまらなさそうにしているし、積極的に動かないのでどんどん弱っていく人もいました。そこで決まった運動を強制するのではなく、本人がやりたいこと、例えば調理とか畑仕事とか、そういうことで体を動かしてもらえたらいいな、と意識が180度変わったんです」

2人は「お年寄りをただお世話するのではなく、時には手伝ってもらって、本人のできることやしたいことで輝いてもらいたい。そういう場を作りたい」という思いが合致。職場での実現は難しかったため、独立してカフェをオープンさせました。

多文化多世代交流の場としてデイサービス兼カフェを設立

旧店舗のつむぎ食堂は、オープン当初はデイサービス兼カフェという形態でした。

「地域には小さな子どもを持つ忙しい親御さんも多いので、デイサービスにくるお年寄りに調理や子育てを手伝ってもらえたら、と考えたんです。メインメニューに選んだのはおにぎり。おにぎりなら誰でも知っているし作りやすいので、お年寄りに握ってもらったり、小さな子どもと一緒に作ったりできたら、来た人に喜ばれて、お年寄りのやりがいにも繋げられるのではないかと思いました」(長田さん)

クリスマス会では、近所の楽器屋さんで元音楽の先生と、そのお友達が演奏してくれました。

しかし一般のお客さんがいる場所でお年寄りが過ごす、というデイサービスはなかなか周囲に理解されにくく、運営は思うようにいかなかったそうです。

「でもそこを曲げてしまうとやりたかった多文化多世代交流ができなくなるので、飲食をメインに回していこうと決めました。1階を飲食スペースにして、2階は床に人工芝を敷いてキッズスペースにしたところ、少しずつお客さんが増えていって。特に子育て中のママさんにはゆっくりしてもらえて、オープンの11時〜からクローズの15時までいてくださる方もいましたね」(佐々木さん)

つむぎ食堂では通常の営業のほか、月1回の子ども食堂や、周辺の清掃活動、地域の人による演奏会、AIアート講座、英語教室なども開催し、親子や地域の人たちの憩いの場となっていきました。

子ども食堂のお弁当。「お店で食べても、公園で食べてもいいよ」と配布したもの。

子どもからお年寄りまで、思い思いに過ごせる場にしたい

我孫子市布佐に和カフェ・TSUMUGIとしてリニューアルオープンすることになったのは、旧店舗の老朽化がきっかけでした。

「昨年、立ち退かなくてはならないことが決まり、当初は移転先のあてもなく、カフェを畳むしかないと諦めていたんです。でもそのうちカフェに来てくれていた方が、私たちの活動に賛同して布佐の物件を貸してくださることになり、継続できることになりました」(佐々木さん)

新しい店舗はメインの広い飲食スペースのほか、それに面した畳の部屋と、奥に小さめの飲食スペースもあります。畳の部屋は小さな子どものいる親子向けに、広いスペースは子どもや他のお客さんが気にならない方や交流したい方に、静かに食事やお茶がしたい方は奥のスペースでと、希望に応じて心地よく過ごしてもらえるようにしているそうです。

「旧店舗に引き続き、子ども連れの方にももちろん来ていただきたいのですが、朝の早いお年寄りにも来てほしくて、モーニングを提供することに決めました。色々な世代の方が来てくださることで、会話が生まれたり、自然に子どもを見てもらったりできるような場が生まれたらと思っています」(長田さん)

メニューは地元の食材やカフェの庭の畑で採れた野菜をメインとしたワンプレートが中心です。

「特に子どもたちには、添加物をなるべく避けて、自然なもの食べてもらいたいんです。新店舗では子ども食堂は実施しませんが、子ども向けに低価格のワンプレートも提供予定です。新店舗でも月1回のマルシェなどのイベントや、地域の人の講座やコンサートなどを開催して、みんなが得意分野を発揮したり、学んだり、楽しく交流できるようにもしたいです」(佐々木さん)

自然とみんなの心が動いて、あちこちに地域交流の場が生まれたら

今度も地域の方の交流の場として、みんなで子どもを見守れる拠点としてのあり方を目指しながら、海外からの観光客にも来てほしい、と佐々木さんは言います。

「カフェは日本的な作りの建物ですし、市の指定文化財で海外からの観光客者も多い旧井上家住宅の隣に位置しているので、海外の方が飲食を楽しんだり、来ている子どもたちが海外の文化に触れたりするきっかけにもなれば嬉しいですね。あとはこうした地域交流の場所があちこちにできるといいなとも考えています。私が介護や子育てなどを通して大切にしているのは『心が先』という考え方です。誰でも人から言われるより、自分が本当に動きたいという心になった時にこそ行動ができるものですよね。まずは自然とみんなの心が動くようなことを、ここでしていきたいです」(佐々木さん)

和カフェ・TSUMUGI
Instagram/https://www.instagram.com/tsumugi2021615/
住所/千葉県我孫子市布佐2090-5
営業時間/8時~16時(ラストオーダー15時)・18時~21時(ラストオーダー20時)
定休日/火曜日
駐車場/5台 無料
アクセス/車の場合:道の駅しょうなんから15分・イオンモール千葉ニュータウンから13分・取手駅から17分
電車の場合:JR成田線布佐駅より徒歩15分

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