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海鳥なのに海で泳げないアメリカグンカンドリが羽を濡らさず食べ物を簡単に得る方法とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話】

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海鳥なのに海で泳げないアメリカグンカンドリが羽を濡らさず食べ物を簡単に得る方法とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話】

アメリカグンカンドリ

アメリカグンカンドリは、翼を広げると2.3mにもなる大きな海鳥で、特技は高速飛行です。

先端が鋭くカギ状に曲がったくちばしが特徴的で、羽毛の耐水性は悪いため、海鳥ながら海で泳ぐことはできません。体は青緑がかった光沢のある黒で、オスは赤い喉袋を持っています。繁殖時になるとこの喉袋を風船のように大きく膨らませてメスにアピールします。

アメリカグンカンドリの獲物は、魚やイカなどの海の生き物。しかし、いつも自分で捕まえるわけではありません。カツオドリ類やペリカンなど狩りに成功した他の鳥がくわえている魚を横取りすることがよくあるのです。

そのやり方は強引で、まず相手が獲物を持っているかどうかを確認します。対象となるカツオドリ類やペリカンは喉いっぱいに魚を詰めて運ぶため、魚を持っているときといないときで声が異なり、その鳴き声で判別すると言われています。

獲物を持っていると分かれば、スピードを上げて追いかけ「脅し」をかけ、一撃して魚を吐き出させて奪い取ります。子どものために食べ物を運んでいる場合はそう簡単には吐き出してくれないので、翼や尾を引っ張ったり、空中で仰向けにひっくり返したりとさらに攻撃を仕掛けて強引に吐き出させるのです。

相手が獲物を少しでも出したら、カギ状に曲がったくちばしで取り上げます。その様子はまさにひったくり。吐き出した魚が空中に落ちてしまっても、急降下してサッとすくっていきます。卑怯なようにも思えますが、水に弱く水に濡れると飛べなくなる習性があるため、横取りするしか食べ物を簡単に得る方法がないのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。

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