【大阪の亜空間】全国に1店舗だけの『ジャンカラ アジアン』が頑張りすぎてて歌ってる場合じゃない件
私が高校生のころ。世間ではPHSの弱体化に伴い急速にケータイが普及しつつあった(ピッチことPHSをご存知ない方は別に知らなくて大丈夫です)。当時学生たちの間で流行したのが、今じゃ死語化している「メル友」文化である。
かくして知り合った大阪のメル友が、私の住む鳥取へ遊びに来たときのこと。さて何をしようかという話になり、彼女はたしかにこう言った……「ジャンカラないん?」と。ジャンカラのない田舎に住んでいることを、私はたいそう恥ずかしく思った覚えがある。
そんなワケで今もジャンカラを見るたび私の胸はチクリと痛むのであるが……先日、大阪で見つけたジャンカラは、胸チクリより先に「ナニコレ?」で脳内が支配されるほど衝撃的な姿をしていた。どういうことかご説明しよう。
・妙なジャンカラ
ジャンカラは関西を中心に東海、中四国、九州などにも進出している老舗カラオケチェーン。
なぜか関東、東北をすっ飛ばして北海道には進出しているという不思議な戦略をとっているっぽい。大阪府内にはジャンカラが異様に多く、一度も目撃せずに大阪旅行を乗り切ることは事実上不可能といっていいだろう。
さて私が何げなく大阪の天神橋筋商店街を散策していたところ……
「何かが妙なジャンカラ」を発見した。
まず色合いが妙、デザインが妙、そして何やら妙な文字が…………気のせいだろうか?
極め付けは、かの印象的なジャンカラのマスコットキャラクター「デルちゃん」だ。デルちゃん。デルちゃんという名前であることを今初めて知ったデルちゃん。きみ、額にそんな丸いヤツ付いてたっけ? 絶対付いてなかったよな?
・大阪の亜空間
その場でインターネットを駆使した結果、ここは日本で唯一『ジャンカラ アジアン』という形態のジャンカラらしい。
アジアンカラオケ……それは果たして “アジアの曲が歌えるカラオケ” なのか? あるいは “アジアっぽい雰囲気のカラオケ” ? 一応日本もアジアだけど……。
カラオケに行く予定は1ミリもなかったが、記者としてこの疑問を見過ごすことはできないのでエレベーターに乗り込んだ。そして受付があるという階に着いた私は……
「店間違えた」と真剣に慌てた。
エレベーターを降りると、そこはどう見ても居酒屋。広い厨房の横にはテーブルが並び、酒を飲み飯を食う人々がガヤガヤと談笑している。
んで、よく見るとその奥に、カラオケの受付があるらしいのだった。ジャンカラを利用したことがないのでよく分からないが、少なくとも東京から来た人はビックリすると思う。居酒屋としてもカラオケボックスとしても利用できるもの……それがジャンカラ アジアン。
・タイのような、台湾のような
若干挙動不審になりつつも、店員さんの力を借りてどうにか入室を遂げた私。
竹製のソファとテーブル、室内の色使い、照明など、たしかに全体的に漠然とアジアっぽい。そして頭上を見上げると……
どの国のイメージか分からないけど、漠然とアジアンなカラフル提灯がビッシリ! 鏡張りの仕様も手伝って、どこまでも提灯が続いている錯覚に陥る。ここはタイかな? ベトナムかな? それとも台湾でしょうか?
うまくすれば相当映えてる写真が撮れる、と思うよ!
さてジャンカラ アジアン最大の特徴……それは「できたてのタイ料理が食べられる」こと。お店の人が厨房でシャカリキに鍋を振っているさまは店頭で目視可能だ。オムレツ、焼き鳥、青菜炒め、パッタイにカオパットと、タイ料理を代表するメンツが揃っている。
海南鶏飯(シンガポールのチキンライス)もあるぞ。以前の記事でバンコクのまねきねこをご紹介したが、アレに似た“なんか妙な気持ち”がするなァ。
・好きです、ジャンカラ
悩んだすえ、好物のパッタイ(880円)をオーダーしてみる。
すげえ本格的なヤツ来た! なおこの日(日曜昼間)の室料は1時間380円で、ソフトドリンクバーの料金も含まれている。東京の相場より安く感じるような? じゃ、いただきま〜す。
Oh! “1皿でビール5杯くらいイケちゃうタイプのパッタイ” である。パッタイ界隈にも様々な味付けがあり、コレはか・な・り濃いめ。ツマミとしては非常に高コスパといえるだろう。私は昼食のつもりだったので若干ヒーヒー言いながら食べました。
店内を見渡すと、どうも部屋ごとにコンセプトが異なるようだ。「アジアンパブルーム」って、何? アジアンパブっぽい部屋ってこと? そもそもアジアンパブって日本発祥の文化な気もしなくないが……いつか友人を連れて再訪したい。
ちなみに……
ここジャンカラ アジアンでは『寿司カラ』と銘打って、結構イイ感じのお値段がする寿司を注文することも可能。
実はコレ、かの有名な『がんこ寿司』とのコラボらしい。一体どちらがオファーしたというのか? ますます大阪のことが分からなくなるジャンカラ アジアン。 “なんか妙な気持ち” を体感したい方は足を運んでみてくれ。
参考リンク:ジャンカラ
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.