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冬だけじゃない!実は通年使える万能素材「ウール生地」の魅力。【インテリアコーディネーターコラム】

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こんにちは。
インテリアアドバイザーのアダチツヨシです。

先日、我が家にウール生地の椅子を新しく迎えました。

ストライプの張地にひと目惚れした妻でしたが、購入の際に「ウールって夏には不向きかな?」と気にしていました。

インテリアショップに勤めていた時代にも、ウールに抵抗感を持っているお客様も少なからずいらっしゃったことを思い出します。ただその中には、ウールの特性を誤解している方も多かったのです。ウール張地の魅力のお話。知っていて損はない知識なので、ぜひ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

ウールのイメージといえば

ウール(wool)」は主に羊の毛を原料とした天然繊維の一種。セーターのような衣料品をはじめ、インテリアでもソファや椅子の張地だけでなく、ラグやカーテンなど日常の身の回りでも見かける素材です。

そんなウールですが、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょう?

保温性が高い」と言うメリットが真っ先に浮かぶのと同時に、「チクチクする肌触り」や「値段が高い」などのデメリットも浮かぶのではないでしょうか?

衣類のウールの場合、「アルパカ」、「カシミヤ」、「メリノ」など種類がありますね。高級なウールは肌触りも柔らかく、“チクチク感”が軽減されるものもありますが、天然素材ゆえに虫食いの標的にもなるリスクもあったりします。

ソファや椅子張地の場合、ウールのイメージで圧倒的に多いのが、「夏場は暑苦しそう……」です。

でも実は、ウール素材の張地って通年使える万能素材なんです。

「暖かい」だけじゃない、ウールの良さ

寒い時期にほっとする暖かさをもたらしてくれるウール。それは、天然繊維で空気を多く含む構造を持つからなんです。

もともと動物が身を保護するために生える毛なので、寒さに適応する機能性が自然と備わっています。上質なウールを提供してくれる羊が、標高の高い寒冷地方などで育てられることにも納得です。

では、通年使えるとはどういうことでしょう?

上質なウール素材は保温力があるのに加え、吸湿放湿性にも優れています。ウールはコットンやポリエステルの何倍もの吸湿性がありながら、しっかり放湿もしてくれ、周囲の環境を自然と快適に保ってくれるのです。じめっとした湿気が多い夏場でも、サラッとした肌触りを維持してくれるということです。

まだまだあるウール張地のメリット

張地におけるウールのメリットは他にもあります。ここでそのメリットをまとめてご紹介します。

ウールのメリット

冬は暖かく、夏はサラッと使える水分を弾き、汚れの付着も軽減できる耐久性が高い防臭効果がある難燃性が高い天然繊維なので環境にも優しい

ソファや椅子でファブリック(布地)を選ぶ場合、どうしても気になるのが汚れですよね。ウールには天然の油分が含まれているため、水分を弾きます。もちろん長時間の放置は禁物ですが、飲み物をこぼしたり、汚れが付いたときにさっと拭くだけで深刻な状態に陥るリスクを軽減することができます

またウールは、他の繊維に比べて環境に優しい製造過程を持つため、再生可能なサステナブルな素材としても注目されています。

張地の耐久性を示す“マーチンデール”

最後に「耐久性」についてのお話しです。セーターにも張地にも共通して気になるのが、「毛玉」ですね。そもそも毛玉ってどうやってできるか知っていますか?

毛玉ができるメカニズム

①生地が擦れて繊維が毛羽立つ

②毛羽立った繊維が絡まり合う

③静電気が発生してホコリなども巻き込む

④毛玉になる

という流れでできてしまうことが一般的です。アクリルやポリエステルなどの化学繊維は、ウールのような天然繊維に比べて素材に強度があるので、強い摩擦が起こりやすくなります。

家具選びの際に、こんな指標を参考にしてみるのも良いです。

張地の耐摩耗度を示す「マーチンデール」という基準があります。これは、生地に摩耗が起こるまで摩擦を加え続ける耐久試験により測定された数値。摩擦への耐久性が高いということは、=毛玉ができにくいということにも繋がります。

マーチンデール(Martindale)の参考指標

10,000〜15,000程度…家庭でたまに使用する程度の家具

15,000〜40,000程度…一般家庭での普段使い、よく使う家具

40,000〜…公共施設や商業施設など不特定多数が使用

心地よく家具を使い続けるには、生地の特性を知るというのも大事なこと。とはいえ、張地は消耗品であることも確かなので、気に入った椅子であれば張地を張り替えながら長く付き合っていきたいものですね。

日常の暮らしに関するお悩み事など、些細なことでもインテリアコーディネーターへお気軽にご相談を。

お問い合わせ、ご相談はSNSのDM(Instagram)または、ホームページからご連絡ください。

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