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三越伊勢丹HDが300億円を上限に自己株買い 伊勢丹新宿本店は初の売上高4000億円を突破

セブツー

三越伊勢丹ホールディングス(以下、三越伊勢丹HD)は、5月13日に取締役会を開催し、300億円を上限に自己株式を取得することを決定した。2000万株を上限に取得し、取得期間は5月14日から10月31日まで。自己株式を除く発行済株式総数に対する割合は5.5%。

三越伊勢丹HDが同日発表した2025年3月期の通期連結決算は、売上高は5555億1700万円(前年比3.6%増)、営業利益は763億1300万円(同40.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は528億1400万円(同5.0%減)だった。インバウンド需要と高額品需要を背景に、旗艦3店舗が前年を超える売上高を計上し、営業利益は2年連続で過去最高を更新した。

旗艦3店舗の売上高は、伊勢丹新宿本店は4212億8300万円(前年比12.1%増)、三越日本橋本店は1616億5300万円(同5.7%増)、三越銀座店は1241億8600万円(同18.5%増)で、伊勢丹新宿本店は過去最高となる4000億円を突破した。ただ、伊勢丹立川店の売上高は318億5900万円(前年比1.2%減)、伊勢丹浦和店は362億8800万円(同6.7%減)と両店とも前年割れだった。

一方、これまで好業績を牽引してきたインバウンド売り上げが鈍化する懸念がある。免税売上高は旗艦3店舗で1338億4300万円を計上しており、三越銀座店は売上高のほぼ4割が外国人顧客だ。円高に進めば内外価格差が縮小し、ラグジュアリーブランドや宝飾品などの高額品は現状ほど売れなくなる可能性がある。こうしたことから三越伊勢丹HDは外国人顧客の囲い込みを急いでおり、3月には多言語対応のアプリをローンチしている。4月末までにすでに46,611件の登録があり、今後さらに海外外商顧客数の拡大を目指すとしている。

三越伊勢丹HDの2026年3月期の通期業績予想は、売上高は5570億円(前年比0.3%増)、営業利益は780億円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は600億円(同13.6%増)としている。

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