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『アークナイツ【焔燼曙明/RISE FROM EMBER】』黒沢ともよさん×石上静香さんが終盤へと突入した物語を振り返る|アーミヤやチェンはタルラとどう対峙する!?

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年7月より放送中のTVアニメ『アークナイツ【焔燼曙明/RISE FROM EMBER】』(以下、本作)。

TVシリーズ第3期となる本作ですが、その最終決戦を前にアニメイトタイムズではアーミヤ役・黒沢ともよさん&チェン役・石上静香さんへのインタビューを実施しました。

これまでの第3期【焔燼曙明/RISE FROM EMBER】を振り返っての印象や今後のみどころを中心に、現場でのエピソード、今回アーミヤやチェンが対峙するレユニオンのリーダー・タルラについて語っていただいています。

ぜひ、このタイミングで物語を振り返って今後の展開に期待してみてはいかがでしょうか!

 

 

【写真】『アークナイツ【焔燼曙明/RISE FROM EMBER】』黒沢ともよ×石上静香インタビュー

第3期は家族や親子といった関係性にフォーカスされている

──台本やシナリオをチェックされた際に、第3期の物語全体についてどんな印象を受けましたか?

アーミヤ役・黒沢ともよさん(以下、黒沢):私は毎回TVアニメの台本から物語を知っていくので、おそらくゲームからしっかりシナリオを把握されてる静香さんとは印象が変わりそうですね。

チェン役・石上静香さん(以下、石上):確かに受け取り方が違ってくるかも。

 

 
黒沢:原作のシナリオから何をピックアップして今回の構成になっているのか私も気になるのですが、第3期では徹頭徹尾、色々な形の家族や親子にフォーカスして最後まで走っていました。きっとそういった関係性が描かれていたと思います。

親子愛という言葉が簡単な言い方に聞こえてしまうくらい、関係性の描き方が色濃いんです。第1期、第2期とそういった描写を積み重ねてきたからこそ、キャラクターたちの心の機微を描ける。渡邉祐記監督はそれをアクションの中に織り交ぜるという難しいことをやろうとしていたみたいで、そのことに収録を全て走り切ってから気付きました。

あまり回想シーンを入れたくないともおっしゃっていましたが、「うん。いらない! いらない!」って思うくらい1枚絵のフラッシュバックなどで全部思い出せるし、なんだか涙が止まらないみたいになる。それが、このTVアニメ『アークナイツ』がこれまで積み重ねて来た頑張りの成果だと思うと、そのことにも感動がありました。

石上:第18話はサイドストーリー的なお話でしたが、実は元々ゲームの本筋シナリオには入っていなかったものなんです。だから原作をプレイしている身からすると、まさかサイドストーリーの「闇夜に生きる」をやるなんてと驚きがありました。自分の出番が無い話数の台本はいただけないので、オンエアで初めて見た時はまずここに挟むんだっていう衝撃を受けたんです。

Wの掘り下げやドクターの過去をチラ見せしたり、小っちゃい頃のアーミヤもいたり、ケルシー先生がドクターみたいな服を着ていたりする。凄く意味深なシーンや演出ばかりだったので、視聴者の方も期待感でワクワクしたと思います。これを考えた渡邉監督はやっぱり凄いなと。

 

 
後は、やっぱり第3期までを通してTVアニメ『アークナイツ』は戦闘シーンがある作品なので、どうしたって亡くなってしまうキャラクターが出てくるじゃないですか。パトリオットをはじめ、今まで亡くなったキャラクターたちの姿も映像の中に何度か登場させてくれるのですが、そういうところでより抉られるというか。

ロスモンティスも言っていますけれど、亡くなった人を忘れちゃいけないっていう描写をしているし、第3期ではこれまでの積み重ねもあって人の心を抉るやり方がよくわかっている演出になっています。私も見ていて辛い気持ちになりました。

だけどそれを見た先で、そういう方たちの気持ちをちゃんと汲んで進まなきゃいけないと考えるアーミヤとかロスモンティスの姿が見られますし、そんなふたりの会話も印象に残っています。

──ここまでの物語を振り返った感想、並びに印象に残っているシーンを教えていただけますか。

黒沢:アーミヤは第2期までに個としての成長が描かれていましたが、第3期では個というよりも目の前の問題にどう立ち向かっていくのかという側面が強い。だから、アーミヤの印象的なシーンは実は後半にあるんです。だから、現時点までだとパトリオットとの戦いになるかなと。

今まではCGのような作画が特別多い作品ではなく、かなり手描きの力でやってきていた印象がありました。だけどパトリオットとの戦いではがっつりCGを用いたシーンが出てきて、これまでのアニメ『アークナイツ』とは肌感や質感がガラッと変わった戦いになっていて。最後にアーミヤが幻想を見せたことに対して怒りを露わにしたこととか、あの一連の戦いは凄く印象に残っています。

 

 
石上:この第3期を迎えるにあたって演じたいシーンは多々あったのですが、中でも第17話でのウェイとエンディング後のホシグマ、このふたりとの衝突が印象的でした。まさかこのふたつを同じ話数でまとめていただくことになるとは知らず、台本をいただいた時はチェンの見せ場がギュっと詰まっているとも思いました。

第3期の掴みとして抜群のエピソードになると思っていましたが、収録もウェイ役の山寺宏一さん、ホシグマ役の安野希世乃さんと一緒にできまして。ウェイとはほとんど親子喧嘩みたいに怒鳴り合うんですが、私が山寺さんの声量に太刀打ちできるかどうかという挑戦がありました。どうしてもチェンが劣勢になって聞こえてしまうところを、食らいつくような気持ちで収録に臨んだことを覚えています。

ホシグマとの対峙シーンは原作から遊んでいるので収録を楽しみにしていましたし、作画から物凄く気合が入っているように思いました。原作での一連のシーンは文字で表現されていましたが、初めてアニメーションで動きと音楽と演出とがあわさったので、きっと原作から好きな方々もこのシーンは好きだと思ってくれると思います。

映像で見たいシーンのTOP3に入るんじゃないかというくらいに期待していた方も多いと思いますし、私も期待していました。そんなシーンに凄く力を込めて、たっぷり尺を使って演じさせていただけたのは役者としてもありがたかったです。

黒沢:私もあそこは好きでした。ホシグマとチェン、後はお嬢とスワイヤーとの関係性が大好きなので、本作の試写で初めて見たときは抉られるような気持ちでしたね。

石上:あそこは安野さんとふたり最後までスタジオに残って、1対1で収録させていただいたんです。ほとんどリテイクもなく、ふたりともほぼ1発でOKになりました。

黒沢:そうなんだ! カッコいい!

 

 

──また、チェンは姉のタルラとのことも第3期では鍵になってきそうです。

石上:やっとタルラがお姉ちゃんだと明かされ、チェン自身も鉱石病(オリパシー)の感染者だと判明しました。チェンの立場や考え方も色々変わりました。元からタルラを止めようとしていたけれど、段々ともう対話では無理だとなんとなく察して、戦う覚悟を決めているような様子を見せています。

私はひとりっ子なので兄弟へ対する想い……というものが中々想像がつかないのですが、血縁者が危ないことをしている首謀者で、自分が止めなきゃならないと考えているなんて、物凄い心境なのだろうなと思うと心が痛かったですね。

──そんなタルラを通してレユニオンの掘り下げも一部行われました。その上で彼らの印象は変わりましたか?

黒沢:レユニオンのみんなについては、第2期『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】』が印象に残っています。ReoNaさんが歌う「R.I.P.」という楽曲もあるくらい彼らもしっかり人間として描かれているから、より太刀を振るうことの重さみたいなものは感じるようになりましたよね。

石上:互いに敵ではあるものの信念をもってぶつかっているし、ロドスもレユニオンもどちらも別に間違っていない。そこでタルラの過去編を見てしまうと、レユニオンは別に悪くないし、そういう考え方を持ったとしても否定はできないです。

 

 
タルラがどうしてこうなってしまったのか、アニメからご覧になってくださっている方は気になっていると思います。もう少し先のエピソードで出てくると思いますが、収録している時も、タルラが変わってしまった原因さえなければ、ロドスとレユニオンは手を取り合えたんじゃないかと思っていました。

黒沢:これまでアーミヤは、「あの頃のタルラの眼差しを思い出す」と色々な人から言われてきました。今までは理解しきれていなかったのですが、テントの中でのタルラの台詞をはじめアーミヤっぽいなと感じるシーンが何か所かあって「ああ、こういうことか……!」と思いました。

ふたりは全然雰囲気が違うと思っていたのですが、理想を過激なまでに推し進めてひとつもつつかれることなく進みたい……みたいな。あの頑張り具合を見て、似ていると言われる理由に納得がありました。

 

 

ハイクオリティな作品を生み出す現場はスタッフ陣の努力から生まれていた!?

──タルラを演じられている坂本真綾さんのお芝居の印象はいかがでしたか?

石上:回想シーンは一緒に収録できなかったのでオンエアで初めて拝見したのですが、戦う時と全然違うというか。私たちのキャラクターはレユニオンのリーダーとして対立してくるタルラと相まみえることになりますが、その時は「ふたりがかりでも倒せるのか?」と感じるような圧がありました。

黒沢:これからの話にはなりますが、理想を掲げたひとりの少女が段々と摩耗していき、最後にプツッと糸が切れるまでをあんなにもシームレスに描かれていると、もし自分ならできるかなって演者としてドキッとするものがありました。それを易々とやってのけただろうなというのが目に浮かぶので、やっぱり先輩の背中は大きいなと思います。

 

 

──収録は一緒にできたのでしょうか?

石上:掛け合うところはほぼ一緒に収録させていただいてました。

黒沢:真綾さんは集中して役に入るタイプの方ではなく、ギリギリまで楽しく談笑していて始まったら急に役になる方なんです。だから今日は暑いとか寒いとか、収録の合間は雑談が多かったですね。

石上:本当にマイク前に立つとスッとタルラに切り替わるんですよね。

黒沢:しかも、タルラは複雑な設定のキャラクターなので、その時々の状況が分かりづらい。そんな時は渡邉監督が大活躍でした。

石上:そこで細かくキャラクターについてすり合わせをされていた印象があります。

黒沢:ですね。真綾さんがキャラクターについて質問すると渡邉監督がブースに入られて、一度詳しく説明するみたいな光景を見かけていました。

──他にも収録現場で印象に残っているエピソードはありますか。

黒沢:やっぱり、今回はフミヅキ役の日髙のり子さんやウェイ役の山寺宏一さん、後はパトリオット役の銀河万丈さんといったベテランの方と収録をご一緒できたことですね。TVアニメ『アークナイツ』はあまり広いスタジオでの収録ではないので、みなさんの声がついて、凄い空間が広がるみたいなマジックを目の前で拝見できたのが楽しかったですね。

 

 

──第17話のウェイに物凄い剣幕でお説教するフミヅキは、凄い迫力で個人的にも印象に残っています。

黒沢:あれも生で見させていただきました。龍門スラングと日本語とみたいな感じで結構色々なパターンを録っていて、採用されたのが日本語でした。現場では色々なパターンを聴けたので、ちょっと胸熱でした。

──石上さんはいかがですか?

石上:チェンは序盤で飛び出した後は後半まで結構出ていないので、お休み期間が長かったですね。出た後は幼少期を演じるシーンがあったのですが、あそこの正解が中々導き出せず苦労しました。

黒沢:大正解だと思う。もうめっちゃ可愛かったんですよ!

石上:そうやってチェンの過去が掘り下げられるところもあるので、ぜひご覧になっていただけたら嬉しいです。

──TVアニメ『アークナイツ』の現場ならではの収録での苦労やエピソードはありますか。

黒沢:この作品はボールドって呼ばれる台詞に与えられる尺がとても短いんです。

石上:どうしてもギュッと30分に詰めなきゃいけないので、ところどころオープニングとかが削られていたりしますし。特にアーミヤは、ちょっと喋るともう2~3ページ過ぎているみたいな感じだよね。

 

 
黒沢:だから、その速さに掛け合いの温度感を乗せるだけで何故か絵と合うっていう不思議な作品なんです。多分、渡邉監督の頭の中でうまいことなっているんだろうなって思います。チェンはアクションとかも多いですし、静香さんはどうですか?

石上:そうだね。やっぱりアクションに声を入れすぎると弱く見えちゃうと言われるので、あんまり入れはしなかったんです。後は、絵がまだ後半では完成していなかったので収録では自由にやらせてもらったのですが、その音声にあわせてアニメーションをつけてくださるので、そこで齟齬が生まれることがないんですよ。

相手との距離感やどれだけキャラクターの口が開いているかとかも、すべてYostar Picturesさんがあわせてくれていました。そんな作画の綺麗さも作品の魅力なのだろうなと思いつつ、役者としては凄く演じやすい作品だと感じています。

黒沢:絵の制作スタッフ陣も副監督の西川将貴さんがスケジュールをばっちり出してくれるので、目の前の作業に集中できる環境ができているそうなんです。だから自分のやることに集中できる。そういうところは、私たちも変わらないなって思います。

──だからこそ、あそこまでのクオリティが出せるところもありそうですね。

石上:現場の良い雰囲気も渡邉監督を中心に作られているので、みんなが渡邉監督を慕っているんですよ。

黒沢:みんなが渡邉監督のことを信頼していて、また共演したいと言っているくらいです!

石上:渡邉監督の作品にもっと出たいって思うんですよ。1回しか出ていないキャラクターの方でも、みんな帰り際にそうおっしゃってくれますし。

黒沢:また何かあったらぜひオーディションに呼んでくださいと先輩方がおっしゃっているのを見て、そんな作品は中々無いよなぁって思っています。

 

 

──ありがとうございます。そして、残すところ後数話かと思います。ネタバレにならない範囲で、終盤の見どころもお教えください。

黒沢:見どころっていったらねぇ!

石上:ダブル抜刀じゃないですか!? キービジュアルにもありますけれど、何故アーミヤが剣を持っているのか。この後描かれるそこの演出が本当にカッコいいんです。

黒沢:アーミヤのバックボーンというか、ロドスの過去について今回はちょっとずつ明らかになってきます。彼女の生い立ちが明かされたところから戦う姿勢みたいなところがまた変わっていくので、そこがアーミヤとしては見どころになると思います。

石上:チェンもこの後ようやく登場します。彼女の目的はタルラを止めることなので、どういう形で止めようとしているのか、そしてアーミヤやドクターと合流するのかどうかに注目してください。

黒沢:この第3期までアーミヤとドクターのふたりで橋っていますけれど、振り返ってみるとやっぱりチェンとタルラの物語でもあったんだなというのを強く感じています。クライマックスはふたりの会話が素晴らしかったので、ぜひ楽しんでいただきたいです!

──最後に今後の放送を楽しみにしている視聴者へのメッセージをお願いします。

石上:終盤の怒涛の展開ですが、第1期から追いかけ続けてくれている方の期待に応えられる出来栄えになっています。ぜひ最後まで見届けていただければ嬉しいです!

黒沢:この作品は第3期までを通して、渡邉監督の物凄い愛情とアーミヤのような過激な正義感のもと突き進んできました。第3期ではアーミヤも壁にぶち当たるし、その中で人間は憎しみをどうしたらいいのか、見ないふりをするのか受け止めるのか、我慢した方がいいのかみたいな部分が見えてきます。

私たちが日常の中で躓いちゃうようなことを大々的に突きつけてくる展開が待っていますので、ファンタジーを見ているようでちょっと自分の人生にも関わるような物語を、最後まで楽しんでいただけたらなと思います。

 

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