猫の「早食い競争」や「美人コンテスト」…各種ペット競技が盛んに タイ
チューブのおやつを50秒以内で「早食い」
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タイの首都バンコクで、このほど「猫による早食い競争」が行われました。これは近年同国で盛んになっている「ペット関連のイベント」の1つで、参加した猫たちはサーモン味のおやつをどれだけ早く食べられるかを競いました。
優勝したのは雑種のKimmonです。この猫は自分の使命をはっきりと理解して競技に取り組み、飼い主がチューブの袋から押し出したサーモンのおやつ15グラム(大さじ1杯分)を、息もつかず一気に食べきったのです。そのタイムは49.42秒でした。賞金のほか、賞品としてたくさんの餌をもらったことはいうまでもありません。Kimmonは、昨年も5つの早食いレースで上位3位に入賞したほどの実力者なのです。
「早食いは彼の得意技です」というのは、飼い主でペットに関するコンテンツ・クリエイターのChutiwan Kusoljittakornさん(27歳)です。
「普段は不機嫌そうな顔をしているのですが、目の前に餌があると、表情がぱっと明るくなります」と彼女。
飼育が拡大し、ペット産業が急成長
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これは、バンコクで開催された数多くのペット競技のひとつに過ぎません。「牛のような猫コンテスト」、「スケートボード競技会」、「茶トラ美人猫コンテスト」など、さまざまなイベントがひんぱんに行われているのです。
その背景には、成長を続けるタイのペット産業があります。タイ政府はペット産業の規模が2026年に約18億ドル(約2772億7200万円)に達すると予測しています。以前から世界有数のペットフード輸出国であったタイは、今や東南アジア最大のペット産業を擁しています。
あわせて出生率の低下と急速な高齢化に伴い、ペットの飼育数も増加しています。多くの世帯が独身か子どものいない夫婦、あるいは子育てが終わった夫婦で構成されています。ペットの飼い主は「ママ」や「パパ」と呼ばれて、ペットのための支出を惜しまないのです。
ペット競技熱は今後も続く
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Chutiwanさんは、愛猫にとくに「早食い競争のための訓練」はしていないそうです。でも同時に競技に参加した同居猫のDinogongは、初参加にもかかわらず50.4秒の記録で第2位になったのですから、大した家族です。そのDinogongは、競技中にビクトリア朝風の帽子をかぶって美しくおしゃれもしていました。彼女は「自分自身よりペットによりたくさんのお金をかけている」といいます。
イベントを担当するAnuwat Louhamanさんは、2019年に「犬と猫による大食い競争」のアイデアを思いついたそうです。
「人間世界はストレスが多いです。かわいいペットが食べる姿を見て癒されるのが、人々の喜びでもあるのです」とAnuwatさんはいいます。
バンコクの飼い主たちの「ペット競技熱」は、まだまだ続きそうですね。
出典:These Cats Do It for Glory, Not Salmon. (No, It’s the Salmon.)