アメリカに人工衛星が落下!?F.F.コッポラ監督の演出が垣間見える『メガロポリス』本編映像
『ゴッドファーザー』シリーズや『地獄の黙示録』など数々の名作を生み出してきた巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が、1980年代より温めてきた夢の企画が、40年もの長い年月を経てついに完成。自身の私財1億2000万ドル(約186億円)を投じ、壮大なスケールで創り上げた14年ぶりの最新作の映画『メガロポリス』が、現在劇場公開中だ。このたび、人工衛星が落下する本編シーンが解禁となった。
F.F.コッポラ監督14年ぶりの最新作
天才建築家の主人公・カエサル・カティリナを演じるのは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でカイロ・レンを演じ注目を浴び、『マリッジ・ストーリー』では、アカデミー主演男優賞にノミネートされるなど、高い演技力が評価されているアダム・ドライバー。またカエサルと対立する新市長フランクリン・キケロには、『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』などスパイク・リー作品に多数出演し、最近では『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』でヴィランのサイドワインダーを演じたジャンカルロ・エスポジート、キケロの娘・ジュリアを「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズや『ワイルド・スピード』シリーズなどに出演するナタリー・エマニュエル。そのほかにも、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマンなど超豪華、かつ実力派俳優たちが脇を固める。
物語の舞台は、21世紀、アメリカをローマ帝国に見立てたニューローマ。そこでは享楽にふける富裕層と苦しい生活を強いられる貧困層の激しい格差が、社会問題化していた。新都市メガロポリスの開発を推進する天才建築家カエサル・カティリナ(アダム・ドライバー)と、財政難の中で利権に固執する市長のフランクリン・キケロ(ジャンカルロ・エスポジート)は真正面から対立する。また一族の策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶体絶命の危機に直面する。
公開直後から、SNSでは「とにかく迫力のある美しい映像が素晴らしい!」「内容も映像も音楽も演者も最高!」といった絶賛の声が続々と投稿されている。
映像では、老朽化した旧ソ連の人工衛星が突如軌道を外れ、アメリカ共和国の大都市・ニューローマへと落下してくるという衝撃的なシーンが描かれている。 市長フランクリン・キケロのもとに部下が駆け込んできて、衛星の落下進路が変更されたことを報告。キケロ市長は即座に「どこに落ちるのか調べろ」と指示するが、部下の返答に間髪入れず「遅いだろ」と鋭く突っ込む場面が続く。思わずクスリとさせられるこのセリフは、フランシス・フォード・コッポラ監督ならではのユーモアが光っている。
さらに、落下する衛星の光に照らされてビルの壁に人影が映し出されるという、演劇的な演出も見どころのひとつ。壮大なスケールと映像美が融合し、コッポラ監督の映像表現が存分に発揮されている。
本作は、2001年に撮影の準備段階で。9月11日の同時多発テロが発生し、一時中断を余儀なくされた。コッポラ監督は「脚本には、老朽化したソ連の人工衛星が軌道を外れて地上に落下するというシーンもあり、破壊や更地のショットが必要でしたが、2001年9月11日のテロや世界貿易センターの悲劇は誰も予想できませんでした。当時、私たちはすでにセカンドユニットの撮影を開始していましたので、それらの悲痛な映像のいくつかを取材しました」と語り、脚本が実際の事件に先立って書かれていたことを明かしている。
『メガロポリス』は絶賛公開中