上下水道事業管理者を懲戒処分 特別職では初のケース 伊賀市
伊賀市は12月19日、組合の役員選挙に介入したのは不当労働行為だと三重県労働委員会が認定したのを受け、高木忠幸・上下水道部事業管理者(64)を戒告の懲戒処分にしたと発表した。処分は同日付で、稲森稔尚市長は高木管理者が提出した今月31日付の退職届を受理した。
処分理由は、2022年9月、特定の職員に対し組合の役員選挙に立候補を勧めるものと誤認させる内容の発言や、部下に対し他の職員が立候補することを思いとどまらせようとさせる内容の発言をしたことを県労働委が不当労働行為と認定し、これが地方公営企業法で規定する「職務上の義務違反」や「管理者たるにふさわしくない非行」に当たるとした。
人事課によると、特別職の懲戒処分は伊賀市では初めてのケース。一般職員が対象の場合と異なり、審査委員会の規定がないことから副市長や総務部長、参与ら5人で協議し、稲森市長が報告を受け決定した。
高木管理者が任命されたのは21年4月で、任期は25年3月末までだった。後任が選任されるまでの間は、上下水道部長が職務を代理する。
懲戒処分の公表に合わせ、稲森市長は「特別職である上下水道事業管理者がこのような事態を引き起こしたことは到底許されず、申立人である職員、市民の皆さまに心からお詫び申し上げます。今後は全庁あげて法令順守の徹底を図るとともに、組織体質を見直し、信頼回復に取り組んでまいります」とコメントした。