“実験的シェアハウス”でカップル動画を配信する男女の嘘とリアル『パーフェクト・シェアハウス』予告編映像
桜井亜美監督初長編映画『パーフェクト・シェアハウス』が2025年3月15日(土)より新宿k’s cinenaにて公開。本作の予告編映像が解禁され、メインキャスト陣よりコメントも到着した。
⼊居者たちの驚愕すべき実像
今回解禁となった予告編では、吃音障害を持つ主人公・遣都が、全盲の女優・凛の手を引き、海辺に立つ十字架へ歩いていく謎めいたシーンから始まる。
所在地不明の実験的なシェアハウスで、2組の男女が動画配信を行い、嘘の恋愛を疑いながらも、楽しい生活を演出していた。偽りで創られたシェアハウスで幸せを探していた凛と遣都、そしてアイドル配信者の翔、エリート女医の芽衣の4人の関係は、ある夜の「事件」を切欠に壊れ始め、やがてそれぞれが隠していた“嘘”が毒となって暴かれていく……。
予告編ではベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」第3楽章の旋律が鳴り響いており、凛を演じる佐々木ありさや、遣都役の濱田龍臣のまるで迷子のような表情や、「サイコパス」と呼ばれるアイドルの翔を見事に演じた平井亜門、真意の読めない芽衣のほの暗さを表現する於保佐代子の見事な演技が切り取られるだけでなく、物語の鍵を握る謎の男を演じる津田寛治の姿も捉え、ジェットコースターのように展開していく“嘘”が“嘘”を呼ぶミステリアスな物語を象徴する映像となっている。
メインキャストからコメントが到着
劇場公開に寄せて、2組のカップルを演じたW主演の佐々木ありさと濱田龍臣、共演の平井亜門と於保佐代子よりコメントが到着した。
佐々木ありさ(凛役)
この役をやるにあたって「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という視覚障害者の方が案内してくださる純度100%の暗闇を体験し、全盲の方々にもいろいろ生活について教えていただく体験をしました。見えない世界が実はすごく豊かだということを全身で感じましたし、ガイドのみなさんもとても明るい素敵な方ばかりでお話できたことがとても嬉しかったです。この役と誠実に向き合いたいと強く思いました。
この作品の台詞回しは桜井監督ならではの世界観に包まれていて、他の映画ではみたことがないものが多く、そういうところが私は好きですし、皆さんにどう受け取ってもらえるかが楽しみです。
濱田龍臣(遣都役)
映画の中で凛が遣都に「人間は生きるために人であることをやめる瞬間がある」という言うシーンがあり、この言葉に僕自身はっとさせられました。自分を守るために自分を変える。その「変える」には色々な変え方があります。攻撃してくる人がいるからカラにこもったり、逆に放置されているからもっと表現をする方向に変わっていったり…。僕も役者として存在するために自分は色々形を変えているんだなと、この言葉で気付けました。
この作品名には「パーフェクト」という言葉がついていますが、「完璧なシェアハウスって何だろう?」と考えさせられますよね。完璧なんて無理ですし、完璧な人なんて世の中にはいません。けど、なぜこのタイトルがついているのか…、ということも、この映画を観る人に考えてほしいと思います。
平井亜門(翔役)
翔という役は、自分本来のキャラクターや今まで頂いた役とは全く違い、かなり影が濃いキャラクターです。これまではいい人の役が8、9割で、そろそろ影のある役柄もやりたいと思っていたので嬉しかったです。リーダー的立ち位置の動画ライブシーンと、徹底してネガキャラとなるシェアハウスでの日常シーンの落差をつけることによって、影と仮面の違いを生み出せるように意識して演じました。
この映画は桜井亜美さんの書いた数少ないSFであり、同時にすごくピュアな恋愛ストーリーでもある、というところが大きな魅力になっていると思います。SFと純愛がしっかり溶け合っている物語に注目してほしいです。
於保佐代子(芽衣役)
芽衣と私は同世代で、仕事での人との向き合い方とは違う恋愛の向き合い方とのバランスに悩む感覚にとても共感しました。芽衣は医者を目指して子供の頃から勉強一筋に打ち込んできた女性で、恋愛に溺れる経験は初めてです。そういう意味でもシェアハウスに今まで経験したことのない恋愛への期待を抱いていて。だから初めて人を好きになった時に、どうしたらいいか分かららない、けれどでも止められない芽衣の気持ちを、演じながらひしひしと感じて、辛いと思いました。
ハウスのドクターとして診察をこなす自立した強いエリート女性としての部分と、恋愛で見せる依存的ですごく感情的な弱い部分の対比を監督とその都度相談してすり合わせしながらお芝居をしていきました。
『パーフェクト・シェアハウス』は2025年3月15日(土)新宿K’s cinemaにて公開