生麦事件から162年 事件碑で5年ぶり追悼祭 顕彰会主催で50人が参列
生麦事件162年追悼記念祭が8月21日、キリンビール横浜工場の入口横に建つ事件碑前で行われた。
この追悼記念祭は、100年祭をきっかけに結成された、周辺町会の有志から成る「生麦事件碑顕彰会」(川端重義会長)が主催したもの。記念祭はコロナ禍で中止が続いたが、今回5年ぶりの実施となった。
1862年同日に発生した生麦事件。大名行列に立ち入った英国人4人を薩摩藩士が殺傷し、のちの日本開国に大きな影響を与えた事件として知られている。
当日は顕彰会有志や住民のほか、渋谷治雄区長ら約50人が参列。宮司によるおはらいのあと、参列者たちが事件碑に玉串を捧げた。
参列後に挨拶した渋谷区長は「今も地域の方々がこうして追悼し続けてくれていることに感謝します。外国籍の住民も多い鶴見区としてこの事件を忘れず、今後も多文化共生を大切にしていきたい」と語った。
追悼記念祭に先立って中区の横浜外国人墓地でも追悼を行った顕彰会。川端会長は「近代日本に与えた影響も含めて地域にとって大切な歴史。次世代に伝えられるよう、今後も碑を守っていきたい」と語った。