今期決算は過去最高を更新する勢い 「トゥヴェール」を101億円で買収したI-neが好決算で株価が上昇
ボタニカルブランド「ボタニスト(BOTANIST)」や「ヨル(YOLU)」などを手掛けるI-ne(アイエヌイー)は5月9日、2025年12月期の第1四半期決算を発表した。売上高は111億1600万円(前年同期比22.4%増)、営業利益は9億100万円(同41.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億7300万円(同12.3%減)と増収減益だった。
国内事業は、売上高は109億3500万円(前年同期比24.7%増)、営業利益は17億1800万円(同12.3%増)と2桁の伸びとなった。2015年1月のブランド誕生から10周年を迎えた「ボタニスト」は、累計販売数が1億9000万個を突破し、好調を維持している。3月には0歳から使えるベビー用全身泡ソープを発売するなど、シリーズ化を進めている。
また、2024年10月末に101億円で完全子会社化した、スキンケアブランド「トゥヴェール(TOUT VERT)」を手掛けるトゥヴェールが好調で、新規販路であるQoo10の販売は第1四半期として過去最高の売上高を更新している。スキンケアの売上高は前年同期の4億2000万円から5倍超となる21億6000万円と大幅な増収だった。
海外事業は、売上高は1億8000万円(前年同期比42.0%減)、営業利益は6200万円の赤字(前年は2億8700万円の赤字)だった。I-neは昨年12月に連結子会社で中国の上海に拠点を置く艾恩伊(上海)化妆品有限公司(以下、I-ne上海)を解散。天猫国際(Tmall Global)で販売しているものの、中国での売り上げが減少し、減収となった。一方で、I-ne上海を解散したことで営業赤字は縮小した。I-ne上海は2020年7月に設立し、中国国内での同社商品の販売を手掛けてきたが最終赤字が続き、累計赤字は14億4400万円を計上していた。
I-neの2025年12月期の連結業績予想は、売上高は520億円(前年比15.5%増)、営業利益は50億4000万円(同10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は27億円(同8.4%減)を見込む。今期決算は過去最高を更新する勢いで株価も上昇、決算発表当日から週末を挟んで12日は買い気配から始まり、株価は9%台まで上昇している。