川霧に包まれた三島町「第二只見川橋梁」を走る始発の只見線列車
年間300日、奥会津やJR只見線の撮影をし続ける郷土写真家・星 賢孝(けんこう)さん。彼だからこそ知る四季折々の“美しき奥会津”をお届け。撮影アドバイスも紹介します。
“霧喝采”の幻想絵巻
8月の夜明けともなると、まばゆい太陽が只見線の第二只見川橋梁を黄金色に染める。会津若松行きの始発列車が橋梁を渡ると、朝陽に照らされた二両編成の列車はシルエットとなり、朝の光の中を揺らめきながら通り過ぎる。
只見川の川面からは、川霧がモクモクと湧き上がり、列車到来に拍手するかの如く、喝采を送っている。白い霧は、まるで神秘のベールのように川面と列車を包み込みうごめいている。
列車が緩やかに去りゆくと、その刹那の幻想絵巻も終焉を迎え、霧の喝采も次第に消え失せていく。峡谷には再び、穏やかな静寂が広がり、列車が去りゆく軽快な響きも途絶えると、峡谷にはやがて人間世界の朝の活況が戻ってくる。
撮影場所には駐車場がないので路上駐車となる。路幅は広いが側方に整然と駐車したい。レンズは撮影場所にもよるが、70mmから130mm程度が妥当だと思う。
文・写真/星 賢孝
川霧に包まれた三島町「第二只見川橋梁」を走る始発の只見線列車
住所
【今回の撮影スポット】
大沼郡三島町大登地内&z=14