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松戸『Spread Rui』は手摘みのオーガニックコーヒーと特製バスクチーズケーキが絶品のくつろぎカフェ

さんたつ

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松戸駅西口から歩いて5分ほど、西連寺にほど近い場所に都会的な雰囲気を帯びるカフェ『Spread Rui(スプレッド・ルイ)』がある。地元でカフェを開く夢を実現した若きマスターの店は、マイペースが一番という心地にさせてくれるリラックス空間。このほどよいテンポ感は都内ではなかなか味わえない。

Spread Rui(スプレッド・ルイ)

逆境も糧にする松戸カフェのニューホープ

創業は2020年3月。なんとコロナ禍の始まりと同時にオープンした。店主は、大学卒業から徐々に計画を進めていたという上村泰生さん。

「コロナ禍での開店で大変だったのではと言われますが、正直、その前を知らないゼロベースで始めたので、あまり苦労を感じませんでした」と、逆境もどこ吹く風のように笑顔で話す。

松戸市の五香出身のマスター上村さん。「地元の情に甘えることなく、広く多くの人とのつながりを大切にしていきたい」。

小学生から大学までサッカーしかやってこなかった上村さんが、社会人として選んだのがカフェ店主。学生時代、進路を考えていたときにたまたま出合った高田馬場の『地球を旅するCAFE』が大きなきっかけとなった。70カ国以上の国々を旅しつつカフェを営むご夫婦の生き方に感銘を受け、「やりたいことを今やらねばどうする」という気持ちが芽生え、「いつか地元の松戸でお店を持ちたい」と思うようになったという。

控えめでシックなデザインのロゴが目印。

大学4年時から『地球を旅するCAFE』で研鑽を積み、卒業後は新展開の系列店のスタッフに招かれつつも、「松戸で何かやりたい」自分にこだわった。そこでたまたま出合ったのが、「ルイ」という喫茶店が店じまいをするところだった。契約にこぎつけると、友人たちの助けのもとで居ぬきの店の内装工事やデザイン、ロゴ作りやメニュー等々、すべて手作りでゼロからスタート。店名には「広がり」を意味する「spread」を加えて新装オープンした。

「店を通して人と人がつながりながら何か新しい価値が生まれたらいいなと思います」と、上村さんの夢は広がる。

電球のフィラメントのほのかな光が照らす、明るいグレーの壁が店内の色調。

バスクチーズケーキと完全無農薬の手摘みコーヒーが絶品

人との出会いやつながりを大事にする村上さんの店のコーヒー豆は、『地球を旅するCAFE』がフェアトレードでタイから仕入れるオーガニックの手摘み。タイ北部の少数民族アカ族の「AKHA AMA COFFEE」だ。AMAとは部族の言葉で“お母さん”を意味するというが、柔らかくもコクのある風味が特徴。ブルーチーズの効いた特製バスクチーズケーキにもよくあう。

ハンドドリップコーヒー600円とバスクチーズケーキ(ノーマル)700円。

「コーヒーにもワインにも合うようなデザートを作りたいと思って到達したケーキです。岩塩や粒胡椒を添えておつまみ感覚で味わってもらえれば」と、差し出された味は、思わずうなるほどレア感あふれる美味。

自然体でいられる居心地のよいカフェ

開店から4年を経た現在、やっと「お店らしくなってきました」と上村さん。近所のなじみ客以外も徐々に増えているのが手ごたえだ。「インバウンドであふれる外国人も含めて多くの人間が行きかう都内の速度とは違って、もっと自然な速度で呼吸ができるお店を松戸の街でゆっくり育んでいきたい」とさわやかに抱負を語る。それでも遠くから来た人にまた寄りたいと思わせるのも目指すところ。実際、ここの店内には肩ひじ張らずにぼーっとできる開放的な時間が流れている。 松戸に来たらぜひ寄りたい店だ。

筒状の店内は静寂に満ち、落ち着いた雰囲気。

取材・文・撮影=常田 薫

Spread Rui(スプレッド・ルイ)
住所:千葉県松戸市松戸1873/営業時間:11:30~23:00(日は22:00)
/定休日:月・火/アクセス:JR常磐線・京成電鉄松戸線松戸駅から徒歩7分

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