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スノーボーダーとして生きること。季節が巡っても変わらないこと

Backside

BACKSIDE 編集部

ゴールデンウィーク、富山・立山で「BACKSIDE SESSION」を開催。そこで集った読者スノーボーダーのコミュニティ「BACKSIDE CREW」のFRESHFISH(有料会員)メンバーたちを中心に昨夜、オンラインで改めて振り返る時間を持った。そこには、スクリーン越しでも伝わってくる“一生涯スノーボーダー”である彼らの空気感とともに、スノーボードを軸とした多くの共通言語が確かに存在していた。

ライディングやギアの話はもちろん、あの一瞬の雪面の感触についても。同じ世代を生きてきたメンバーたちの価値観は自然と通じ合い、それが若い世代のメンバーたちにも伝わっていく。こういうとき、あらためて思う。やっぱ、スノーボーダーっていいよな、と。

ギアを選び、ウエアに袖を通し、スタンスを微調整する。降雪予報をチェックし、渋滞を避けて時間を組み立てる。移動中に流す音楽で気持ちを高め、広がる白銀の世界にラインを刻む。仲間とセッションし、地元のメシと温泉で身体を整え、翌朝、誰よりも早くリフトに乗り込む──。

滑る前から、スノーボーディングは始まっている。そんな一連の所作すべてに、自分らしさを込める。

すべてのスノーボーダーがそうとは限らない。けれど、この流れに意味を見出し、スタイルとして体現する者たちがいる。スノーボードは、滑る以外にも表現の幅がある。だからこそ、たとえ上手くなかったとしても熱狂できる。滑るだけじゃない、このカルチャーに惹かれる理由が、確かにある。

スノーシーズンが終わりを告げるこの時期。山から雪は消えていくけど、スノーボーダーがオフになることはない。着る服も、聴く音楽も、立ち居振る舞いも。すべてにスタイルが滲み出る。

ファッションやカルチャーの境界線が曖昧になった今、あえて「スノーボーダーらしさ」とは何かを考えてみたい。90年代、パンクやメロコアが鳴り響くクルマで雪山へ向かい、スケーターファッションを身にまとった若者たちがゲレンデに集った時代。あの空気に惹かれて、この世界に足を踏み入れた自分がいた。

それはもしかしたら、“スノーボード”というスポーツに憧れたのではなく、“スノーボーダー”という生き方に共鳴していたのかもしれない。

藤原ヒロシ氏はこう語っていた。カルチャーとは「言葉にできない、空気のようなもの」なのだと。たしかに、スノーボードの魅力もまた、説明できない何かがある。だけど、それを感じられる者同士には、確実につながれるものがある。

昨夜のオンラインセッションでも、それを再確認できた。画面の向こうで笑い合いながら、世代を超えてスノーボードの価値観が共有されていく。この輪の中にいるかぎり、自分はずっとスノーボーダーでいられる。それは、雪がなくても決して変わらない。

text:Daisuke Nogami(Chief Editor)
photo:YUI

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