倉敷・下津井が劇的変化!しっぽりと語らう貸切の宿「風待汐待」へ
岡山県倉敷市の港町・下津井は、かつて北前船の寄港地として栄え、昭和の空気を感じる街並みが残る海沿いのエリア。地域に暮らす人たちと移住者によって文化や伝統、新たなアイデアと行動力が融合し、町が劇的に変化を遂げようとしています。そんな空気を牽引しているのが、貸切の宿「風待汐待(かぜまちしおまち)」です。
下津井の代名詞を名に持つ貸切の宿
港町の風情を残す街並みの一角にある、築100年を超える古民家をリノベーションして開業した貸切の宿「下津井宿 風待汐待(かぜまちしおまち)」。江戸時代、風と潮のタイミングを見計らって多くの船が停泊していた“風待ち・潮待ち”の港町・下津井の歴史に敬意をはらい、往時の賑わいを再びとの願いも込めて、この町を表す名前を冠しています。
テーマは「しっぽりと語らう貸切の宿」。テレビも時計もない、静かでやさしい時間だけが流れているこの場所で、大切な人と語らう時間を過ごす。木や元々の意匠を活かした温もりに満ちた空間は、日常を忘れて没入することができます。
海に憧れて移住、心地よい空気をもつオーナー
オーナーの長谷川達也さんは、コロナ禍をきっかけに関東から移住してきました。周りに海のない環境で育ったこともあり「海のそばで暮らしたい」と全国を巡り、気候や環境など、想いと合致したのがここ下津井でした。
移住の準備段階から下津井のまちづくりに携わる仲間たちと出会い、活動をする中で古民家に惹かれ、「ここを他にはない宿として再生したい」と一念発起し、貸切の宿へとリノベーション。地域活性化団体「下津井シーヴィレッジ」にも参加し、単なる宿の運営だけでなく、空き家の利活用や観光資源の掘り起こしにも力を注いでいます。町の資源を見直し、新しい価値を与えていく。その姿勢が懐かしくも新たな魅力を備えた宿の雰囲気にも滲み出ています。
愛車と共に過ごせるインナーガレージ
「風待汐待」でまず目を引くのがインナーガレージ。その魅力はまず雨天でも濡れることなくチェックインできる高い利便性。さらに、居室からガラス越しに自動車・オートバイなどをいつでもそばに感じることができ、愛車としっぽり語らう夜を過ごす方も少なくありません。
またガレージとしてはもちろんですが、屋根付きの広いスペースは展示やワークショップ、イベントなどにも活用され、地域の人や旅人が自然に交わる空間として、いろんな人の縁を繋ぐ場所となっています。
一歩入ると、そこは時計を止めてもいい空間
暖簾をくぐると、一面が下津井の海と児島デニムの色である青の土間が迎えてくれます。その先には足を踏み入れただけで落ち着く広間。ゆったりと寛げるダイニング、囲炉裏のある座卓、あえて外の景色が見えないようになっているため、一気に日常から離れることができます。
ここにはテレビや時計はありません。時間を気にせずゆっくりと過ごしていただきたいとの思いからです。もちろん、デジタルゲームも置いていません。古道具や風合いのある小物などがさりげなく配置されていて、どこかこの町の「暮らしの続き」にいるような感覚になれます。
港町での食事、楽しみ方は自分次第でいろいろ
宿泊者の時間に介入せず、自分たちだけの大切な時間を過ごしていただきたいとの思いから、食事の提供はしていません。近隣や児島地区の飲食店での食事、あるいは完備したキッチンや囲炉裏を活用するなど、宿泊者のスタイルにあわせて楽しむことができます。
地元の魚介を仕入れて自炊するのもまた有意義な時間。ちょっと気分がアガるような食器やカトラリーも揃っていて、料理を“旅の時間”として味わえるようになっています。BBQセットのレンタルもあります(事前予約)。
寝室は趣の違う3部屋を完備、気分もアガる
寝室は3部屋あるので、複数ファミリーや男女混合のグループでも安心。
それぞれに趣が違うため、取り合いになるかも知れませんね。どの部屋も温もりと居心地の良さを重視。
ツインのお部屋は障子の格子や元々施されていた凝った意匠も活かされていて、和の趣を堪能できます。
1階の寝室は、天井が真ん中に向けて少し高くなっている、船底を模した船底天井は港町の歴史を感じる古民家ならではの意匠です。
愛車のそばで眠りたいという方は、広間にてガラスを隔てて添い寝できるという希少な時間をお過ごせます。
また洗面スペースには、高機能ドライヤーや人気コスメブランドの化粧水など、こちらもちょっと気分がアガるアメニティも用意されています。
滞在することの価値を実感できる演出があちこちにあり、それを見つける楽しみもありますね。
港町の朝、あなたはどう過ごす?
「風待汐待」から海辺までは徒歩2分ほど。漁に向かう漁船や瀬戸大橋をいろんな角度から眺めながらのウォーキング。
港町ならではの意匠も多々残る下津井の街並みを散策。少し足を伸ばして公園や神社でゆったり過ごす。また地元の方との会話を楽しむなど、ガイドブックにはないオリジナルの朝を見つけるのもまた、町に滞在することの価値かも知れませんね。
「今夜のおかずはここで! 」帰ってきた町の魚屋さん
「風待汐待」から徒歩3分ほどの場所にある、回る鯛が目印の海産物や乾物を扱っている老舗「吉又(よしまた)商店」。
長年、下津井の賑わい創出を願い活動を続けているオーナー、余傳(よでん)吉恵さんの「港町には魚屋が必要だ」という想いが実現して、ガレージ跡を改装した「しもつい横丁」の中に待望の魚屋さんがオープンしました。
長年にわたって鮮魚店がなかった港町・下津井に2024年に“帰ってきた”待望の一軒。
余傳さんに声をかけられたのは、鮮魚に関わり20年以上の猪木(いのき)信宏さん。鮮魚店経営の実績もあり、確かな目利きと包丁さばき、人懐っこい笑顔と持ち前の元気!絵に描いたような「魚屋さん」は、町の人々との距離を一気に縮め、奥様とともに店を切り盛りし、日常に欠かせない存在として親しまれています。
「風待汐待」の宿泊客が、「吉又商店」で魚介を仕入れて夕食にしているのも珍しい光景ではありません。地元はもちろん、遠方から魚介を求めてやってくる常連客も多く、地域と旅人を結ぶ新たな風景をつくる、かつてどこの町にもあった魚屋さんの姿が帰ってきました。釣った魚も捌いていただけますよ。
周辺スポット①2025年春リニューアル!「鷲羽山レストハウス」
観光ガイドでよく見る瀬戸大橋と備讃瀬戸を望む定番写真が撮影できる「鷲羽山レストハウス」が2025年春、地元企業の連携により大幅にリニューアル。観光施設としての役割はもちろん、地域と外部をつなぐ文化と交流の拠点として生まれ変わりました。
定番のお土産の販売はもちろん、地元目線の逸品が並ぶセレクトショップもあり、世代を問わず楽しめます。
下津井のシンボル、鷲羽山から地域の魅力も発信しています。
「ローカル食堂」では、地元食材を活かした定食やセットメニューを提供。観光客だけでなく、地元の人が普段づかいできる“食堂”としても人気です。
「本屋」は、本屋の概念を一新する空間でオーナーのセレクトによる本と出会えます。
休憩所、授乳室や多目的スペースも完備、新しいカタチの複合施設へと進化しています。
周辺スポット②「瀬戸大橋」上から?下から?どっちから?
瀬戸大橋を“下からも、上からも”堪能できるのも、下津井の楽しみ方の一つです。
下津井の「田土浦(たづちのうら)公園」からは、瀬戸大橋を真下から眺めることができます。見上げると視界いっぱいに広がる橋のスケール感、海面近くから四国へと続く瀬戸大橋と空、上から聞こえてくる車と列車の通行音も新鮮で、独特の開放感があります。
また旧下津井電鉄・鷲羽山駅から歩くこと約10分の場所にある「東屋展望台」からは、高くそびえる瀬戸大橋の橋脚を真正面に見ることができ、これもまた非日常の景色。橋と行き交う車を“上から”一望できる場所です。
暮らすように町を楽しむ旅のカタチ
観光施設やレジャーを楽しむ旅もあれば、その場所を深く知るための旅もあり、また日常から離れた情報デトックスの旅もある。どれも旅の魅力ですが、今回は日常と時計から離れた時間を過ごす貸切の宿「風待汐待」と周辺の見どころをご紹介しました。「風待汐待」の宿泊予約や問い合わせは公式サイトから可能です。
【下津井宿 風待汐待】
所在地:岡山県倉敷市下津井1-7-30
TEL:080-6804-4751(長谷川)
駐車場:あり
※電話に出られない場合もありますのでご理解をお願いいたします。
※風待汐待の公式Instagramはこちら
(一部画像提供:風待汐待、株式会社あかつき)