【静岡県知事選挙】「1票を返せ」期日前投票した有権者が怒り爆発 候補者が政策変更
■期日前投票率5.85% 前回から0.53ポイント低下
26日が投票日となっている静岡県知事選挙は期日前投票が始まっている。現時点で投票率は前回の知事選を下回っているが、投票を済ませた有権者の中には怒りを爆発させる人がいる。その理由は、投票した候補者が政策を変更したためだった。
川勝平太知事の辞職による静岡県知事選には6人が立候補し、選挙戦は後半戦に入っている。期日前投票は10日から始まり、県選挙管理委員会によると19日までの10日間で17万5407人が投票を済ませた。
選挙人名簿の登録者に対して投票を終えた人の割合を示す期日前投票率は5.85%。前回2021年に実施された県知事選の同じ時期と比べて、0.53ポイント低くなっている。市区町別では南伊豆町の16.57%が最も高い。
県のトップを任せる県知事選。有権者は各候補者の政策を見て、静岡県の未来を託せる人物に票を投じる。その貴重な1票をすでに投じた有権者の中には、怒りを抑えられない人がいる。3日前に静岡市内の期日前投票所に行った有権者の1人は不満を露わにした。
「大切な1票を返してほしい。投票をやり直したい」
■「リニア1年以内に結果」を保留 投票した有権者「裏切られた」
怒りの理由は票を投じた候補者の政策変更だった。この有権者が思いを託したのは、元副知事で自民党が推薦する大村慎一さん。大村さんがリニア問題について「1年以内に結果を出す」と強調したことから投票を決めたという。
ところが、大村さんは今回の選挙で肝とも言える政策を「一旦保留にする」と翻した。岐阜県瑞浪市で起きた井戸水の水位低下をめぐり、JR東海の報告が遅れた点を問題視したためだった。知事選の告示から10日ほどで政策転換となり、前出の有権者は「裏切られた」と繰り返す。
「リニアの問題が1年以内に解決すると聞いて大村さんに投票したので、政策を変えるなら別の候補者に投票したかった。騙された気持ち。リニア工事に寄って井戸水の水位低下は想定される事態で、それを理由に考えをすぐに変えてしまう人は信用できないので知事になったら困る」
投じた1票は、もう取り戻せない。期日前投票を嘆く有権者が増えれば、政治不信や投票率低下に拍車がかかる。静岡県知事選挙は26日投開票で、届け出順に以下の6人が立候補している。
・諸派・横山正文さん(56)
・共産党・森大介さん(55)
・無所属・鈴木康友さん(66)立憲・国民推薦
・無所属・大村慎一さん(60)自民推薦
・無所属・村上猛さん(73)
・無所属・濱中都己さん(62)
(SHIZUOKA Life編集部)