戸塚の歴史の会に聞く 開運「巳/蛇」スポット
今年の干支は「巳」。蛇は古くから人々の信仰をあつめ、実際に戸塚にも蛇にまつわるスポットが多くある。
戸塚区の歴史を研究する「戸塚見知楽会」の代表・根岸正夫さんによると、一番のおすすめは秋葉町の長蔵寺敷地内の増威八幡社だという。
秋葉幼稚園の門をくぐり、長い階段を登り切ると、右側に「弁財天宮」の看板が見える。その近くには小さな洞穴があり、なかを覗くと、確かに蛇を模した置物が安置されていることが分かる。「戸塚区内で弁財天と蛇の両方を祀っている神社は、私が知る限りここにしかないですね」と根岸さん。
弁財天と蛇の関係は、どちらも水の神様だということや、蛇は弁財天の遣いだと考えられていることにあらわている。だからこそ双方の力を持つこの場所は、大きなパワースポットになっているのではないかとする。
また歴史的な背景として、秋葉地域は古くは洪水に悩まされた地域であり、村人たちが弁財天に村の安全を託したのではないかと指摘。
他にも見どころ多い
次におすすめスポットして挙げるのは戸塚駅にほど近い「妙見様」だ。もともと現在のトツカーナの駐車場付近にあったといい、妙見菩薩という北斗七星を本源とした神様が祀られている。
所々に蛇と亀があしらわれているのは、中国で「北」をつかさどる玄武という神が、亀に蛇が巻き付いた姿で描かれているからなのだそう。そんな妙見菩薩は「眼病平癒」があると言われている。
また名瀬地域には「白神社」がある。金運や開運のご利益をもつ白蛇を祀っており、一説には同地域の白窪という場所に、大きな白蛇が棲んでおり、そこから蛇を祀るようになったという。
人情はらんだ伝承も
同会の副代表を務める大関彰一郎さんは、影取町の名前のもとになったとされる一匹の蛇「おはん」の伝説を挙げ、「戸塚と蛇の関係は、土地だけではなく、人情をはらんだ伝承にもあらわれている」と語った。