南海トラフ地震が起きたら…BCP策定企業の割合 静岡県は全国3位 被災の宮崎県は平均以下
■BCP策定率トップは高知県の33.3% 静岡県は26.8%で3位
8月8日に宮崎県の日向灘を震源地とする地震が発生し、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を初めて発表した。遠くない将来に起きると言われている南海トラフ地震に備え、企業はBCP(事業継続計画)策定を進めている。ただ、防災対策の推進地域に指定されている29都府県では、進捗状況に大きな差が生まれている。
BCPは大規模災害など緊急事態が発生した時に損害を最小限に抑えて事業の継続や復旧を図るための計画で、政府は企業に策定を強く推奨している。介護サービス事業者には今年4月、BCP策定を義務付けた。
民間の調査会社「帝国データバンク」によると、BCPの策定率は地域によって格差がある。政府が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定している1都2府26県の中で、最も策定率が高いのは高知県の33.3%。最も低いのは沖縄県の6.7%だった。静岡県は高知県に続く26.8%となっている。
日南市で震度6弱を観測するなど、8月8日の地震で震源地に近かった宮崎県では18.1%。全国平均の19.8%を下回っている。九州は全体的に数字が低く、平均を上回っているのは南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されていない佐賀県のみとなっている。
【BCP策定率が高い都道府県】
①高知県 33.3%★
②富山県 27.0%
③静岡県 26.8%★
④栃木県 24.5%
⑤香川県 23.8%
⑥香川県 23.3%★
⑦東京都 23.2%★
⑧愛媛県 23.2%★
⑨宮城県 22.9%
⑩福井県 22.5%
★は南海トラフ地震防災対策推進地域
「南海トラフ地震臨時情報」は、南海トラフ沿いで異常が観測された時や地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合などに気象庁から発表される。ただし、現時点で地震の予知はできていないため、南海トラフ地震発生が確実に起きるわけではない。
具体的な発生率は今までが約0.1%だったのに対し、今回の地震によって0.4%に高まったとしている。8日の地震発生から1週間程度は注意が必要になるという。
(SHIZUOKA Life編集部)