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「ニンニン!」忍者が観光地で外国人にマナーを伝授!アイデアで楽しく注意促す

Sitakke

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各地で深刻化しているオーバーツーリズム問題。
観光客にマナーを伝えるため“忍者”が立ち上がりました。

「いきます!ニンニンダメダメ」

誘導棒をもって観光客にマナーを啓発をする忍者。
北海道小樽市で”ある撮影会”が行われました。

「最近のオーバーツーリズムはちょっと過激というか危険なところもあるので。注意喚起も楽しくユーモアをもってやりたいと」

急増する外国人観光客に、正しいマナーを楽しく伝えたい。
忍者に扮して注意を促す、市民手作りの“オーバーツーリズム対策”です。

小樽市の街中で、楽しげに写真や動画を撮影する忍者たち。
小樽市の若者を中心に、約150人でつくるボランティア団体「Otaru Next100」のメンバーです。

監督を務める坂口武さんは、小樽市の「堺町通り商店街振興組合」のマネージャーでもあります。

コロナ禍では、外出自粛によって、観光客が激減した港町や商店街を盛り上げようと“自虐ポスター”を制作。
SNSでも大きな話題となりました。

「自虐ポスターは成功事例。コロナのときに苦しかったものをうまく発信できた経験があった。課題もあるのでしっかり向き合いながら、楽しく観光してもらうために考えた」

”自虐ポスター”の経験を生かして今回は、小樽市でも問題となっている“オーバーツーリズム”対策に一役買おうというのです。

無断で立ち入り…死亡事故も

小樽市では2025年1月、中国籍の60代の女性が、海の写真を撮ろうと線路内に立ち入り、快速列車と接触して死亡しました。

また、海岸まで近道しようと、民家の敷地に無断で立ち入る外国人が後を絶ちません。

実際に外国人観光客に聞いてみると…

中国から
「ここに看板を立ててくれれば、私たちがそこに入れないことが分かると思う。ごめんなさい」

オーストラリアから
「ここには何も、立ち入り禁止など書かれていないから分からない。行政が何かしてくれるなら私たちは理解できる。だから立ち入り禁止の標識など作ってほしい。すみません」

そこでOtaru Next100実行委員会の坂口武監督は考えました。

「オーバーツーリズムの原因は海外の人たちの、いい意味でのSNSがあったと思う。SNSにはSNSで対抗しようということ」

今回、主役に選んだのは、外国人からも人気の高い「忍者」です。

道路の真ん中で海をバックに撮影する観光客が相次いだ「船見坂」のほか、「おたる水族館」そばの展望台に通じる坂でも、撮影を行いました。

「ここが問題なのは、特に冬季は滑る。それに対して、外国人観光客は車道の真ん中をのぼってくる」

観光客の転倒や、車のスリップなどでヒヤリとすることが多い現場です。

さらに、住宅などの私有地に立ち入ってきてしまう問題にも向き合います。

「立ち入り禁止」を啓発する撮影のほか、敷地にはチェーンをつけました。

家主でもあり、Otaru Next100実行委員会のメンバーでもある山吹黎明さんはこう話します。

「立ち入り禁止チェーンをつけてから無断侵入が少なくなった。朝5時に起きて外国人がいたりとか、たばこも吸っていて。そういう例があり怖かった」

民泊の利用者が増え、住宅地でもルール違反が相次いでいると言います。


忍者姿で真剣会議…できたポスターは?

撮影が終わり、ポスターにキャッチフレーズをつける会議が開かれました。
会議まで忍者の服装で行う徹底ぶりです。

「左上これでいい?『確ニンニン』」
「英語で伝わるのかい?ニンニンが」
「これは急ブレーキの感じですよね?きききー」

Otaru Next100実行委員会の坂口武監督は今後の展望も語ります。

「“ごみのポイ捨て”冬季の“滑る”とか“雪山に上る”とか、いろいろなシチュエーションで、小樽の中でも困っていると聞いているので、さまざまな啓発をしていけるかなと」

ユーモアのある取り組みで今回、完成したポスターがこちら。

全部で10種類のポスターを作る予定で、まずは2種類が完成しました。

▼左側
民家の敷地に立ち入らないように、「DO NOT ENTER!私有地に入ったらダメ」と書かれています。

▼右側
「DO NOT WALK!道路の真ん中を歩かないで」と書かれています。

それぞれのポスターに、修行中の忍者という設定で隠れキャラが忍び込んでいます。

ポスターは商店街にも貼られていますが、週に1枚のペースで、SNSに投稿されるということです。

小樽市では、今後も様々な対策が計画されています。

▼マナー違反防止のためJR小樽駅や朝里駅に警備員を配置

▼北海道中央バスの一部の停留所にカメラを設置し、混雑状況に応じて増便

▼早朝の観光ツアーを販売して、観光客の分散を図る

小樽市は2025年度の対策にかかる費用の7割近くに、国の補助金を活用する見込みだということです。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年3月19日)の情報に基づきます。

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