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いろんな表情の青山吉能に出会えるカラフルな一枚! ニューアルバム『Fluctus』に込めたこだわりを紐解くインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

声優として数々の人気作に出演する一方で、2021年に自主制作でソロライブを行ったことを皮切りにソロアーティスト活動を開始し、合唱部仕込みの歌唱力と声優ならではの表現力を備えた音楽を届けている青山吉能。

4月30日にリリースされる約2年ぶりのニューアルバム『Fluctus』は、そんな彼女の多彩な一面を楽しむことができる、実にカラフルな作品となった。シンガーソングライターの日食なつこが提供した先行曲「ルーガルー」の凛とした表情、シティポップ調の「Grown Up」での大人な歌い口、「結び目I Wish」が見せるアイドルチックなかわいらしさ――。

全10曲、いろんな青山吉能が波のように押し寄せてくる本作に込めたこだわりについて、本人にたっぷりと話を聞いた。

 

 

【写真】青山吉能 ニューアルバム『Fluctus』に込めたこだわりを紐解く/インタビュー

波のように揺れる感情をラテン語で表現

──今回のニューアルバム、素晴らしかったです。前作の1stアルバム『la valigia』からさらに広がりが生まれているように感じました。

青山吉能さん(以下、青山):よかったー! そう言っていただけて安心しました。

──『la valigia』はイタリア語で〈スーツケース〉や〈旅支度〉を意味する言葉でしたが、今作のアルバムタイトル『Fluctus』は〈波〉という意味のラテン語らしいですね。

青山:このタイトルは全曲のレコーディングが終わってから決めました。『la valigia』は〈旅〉をコンセプトにしていて、今回はその〈旅の途中〉という気持ちがあったので、最初は〈寄り道〉や〈散歩〉に紐づくタイトルにしようと思っていたのですが、自分の中でしっくりくる単語が見つからなくて。それで他に何かないか考えた時に「〈波〉がいいかも!」と思ったんです。

 

 

──なぜ〈波〉だったのでしょうか。

青山:今回のアルバムは去年の9月頃から作り始めて、あれよあれよという間にレコーディングが進んでいったのですが、自分のモチベーションを含め、完成に至るまでの波がすごくあった期間で。だから〈感情の起伏〉という意味も込めて、今の自分にぴったりな言葉だと思ったんですよね。

そこから〈波〉を意味する単語を、それこそイタリア語から英語、フランス語までいろいろ調べていくなかで、ラテン語の『Fluctus』に辿り着きました。

私は中学生の頃に合唱部に所属していて、そこでラテン語の楽曲をよく歌っていたんです。その意味では私とも繋がりがあるし、私は何か意味がないと適当には決められないめんどくさいタイプの人なので(笑)、この言葉と巡り会えて良かったです。

──制作期間にはどんな〈波〉があったのですか?

青山:正直、「私、何のためにアルバムを出すんだろう?」と思っていた時期もありました。私のアーティスト活動は「自分が歌いたい曲を歌う」「自分がライブをやりたいからやる」というところから始まったのに、気付いたら誰かが敷いたレールの上に乗っている感じがしたんですよね。

もちろん私はフリーの歌い手ではなくて、事務所に所属している声優としてレーベルと契約して音楽を届けているので、それは当然のことではあるのですが、とはいえ自分の意志がちゃんと入ったものにしたい。でも、ありがたいことに1stアルバムの頃と比べると声優のお仕事が増えて、あの時と同じように制作に向き合っていたら1日が48時間あっても足りない状態だったんです。

──自分の理想ほど音楽に向き合う時間が取れない現実があった、と。

青山:でも、振り返ったら、ちゃんと向き合っていたんですよね。声優アーティストには、作詞・作曲やプロデュースも自分でしっかりやる人もいれば、与えられた世界観を自分なりに表現するタイプの人もいて。私は両方に憧れがあるのですが、今回はどちらもしっかりできたと思います。

例えば「結び目I Wish」は〈THE 声優アイドル〉という感じの楽曲なのですが、これまでは「私はこういう人間じゃない」と勝手に蓋をして、ずっと避けてきたんです。でも、そういう世界観にずっと憧れがあって。

 

 

──それで今回、挑戦したわけですね。

青山:青山吉能のプロジェクトは、ざっくり言うと〈お洒落〉なサウンド感みたいなものが一貫してあるなかで、「結び目I Wish」は以前に「あやめ色の夏に」でご一緒した永塚(健登)さんが、お洒落かつキュートでギミックもたくさん盛り込まれた、絶妙なバランスの楽曲を作ってくださって。渋谷系みたいな雰囲気もあるので、きっと音楽好きの人が聴いても唸ると思いますし、「かわいい吉能ちゃんが見たかった!」という人が聴いても唸る楽曲になったと思います。青山吉能が歌う〈かわいい〉はこれだよね!っていう。

──今回取材するにあたって、アーティスト・青山吉能の魅力は何かを考えた時に、それは〈青山吉能らしさ〉というある種の固定観念に縛られないことだと思ったんですよね。今作は楽曲ごとのカラーが全然違っていて、青山さんはそれぞれ違ったアプローチでそれらを表現している。

青山:まさに。自分の限界を決めたくないと常に思っているので。でも「正直、限界かも……」と思った曲はあります。

──というのは?

青山:「オクビョウヒーロー」は、疾走感があってパワフルでロックに振り切った、ライブでありえないくらい盛り上がる曲を歌いたくて、自分からリクエストして作ってもらった曲だったんですけど、プリプロの時にどうしても自分の理想通りに歌うことができなかったんです。

その時の自分のあまりにも殻を破れてなさすぎ感が本当に悔しくて、「この曲をアルバムに収録するくらいなら、アルバムなんか出さなくていい!」と結構本気で思っていたくらいで。

結局プリプロの音源は1度も聴き返さないまま、むしゃくしゃした気持ちでレコーディングに臨んだんですけど、そうしたら「もういい!」っていう諦め感が歌声に乗ったのか、ちゃんと理想通りに歌えました(笑)。

──自分への苛立ちが限界を突破させてくれたんですね。

青山:とはいえもっと進化していける楽曲だと思いますし、この曲はライブのために作ったと言っても過言ではないので、皆さんからパワーをもらいながら成長していけたらいいなと思っています。

 

 

“私が歌う意味”を込めて──楽曲ひとつひとつに宿る「青山吉能らしさ」

──他の楽曲についても詳しくお聞かせください。先行配信された「ルーガルー」は、シンガーソングライターの日食なつこさんが書き下ろしたナンバー。どんなご縁で楽曲を提供していただいたのですか?

青山:単純に私が大ファンで、ライブで何度もカバーをさせていただいているくらいなんです。ただ、普段あまり楽曲提供されている方ではないので、恐る恐るオファーさせていただいたら、すごく前向きにお引き受けしてくださいました。

最初にリモートで打ち合わせをさせていただいた時も、 私の話にすごく熱心に耳を傾けてくださって。私は日食さんが好き過ぎるがゆえに、楽曲に自分の色が入り過ぎることで日食さんの世界観が崩れることが嫌だったんです。なので私に宛てて書いていただくのですが、あまり私のことを書き過ぎないでほしい、という面倒なお願いをしてしまって(苦笑)。

 

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