登山にハマる人とハマらない人の違いは?4つの特徴を分析してみた
北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を連載。
2025年1本目の今回は、番外編のコラムです。世の中には2種類の人間がいる…!考察しました。
連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
登山を好きになって5年目
Sitakkeの記事やインスタグラムで山の発信を始めるようになってからというもの、「私も登ってみたい!」「連れて行って!」と言われる回数が、かなり増えました。
そう言ってくれた人を私はメモ帳に書いておき、必ず一回は誘うようにしているのですが、
いろいろな方と一緒に登山に行ってみて、世の中には2種類の人間がいることに気が付いたのです。
それは『登山にハマる人』と『登山にハマらない人』!
いま、『カレーは茶色!』というくらい、当たり前のことを言いました。
私は『ハマった』側の人間…。ですが、やってみた結果、好きになれない人もいるのです。
どんな特徴があるのでしょうか…。
今回は、自分なりに考察してみた結果をまとめたいと思います。
登山にハマる人 ①体力と、耐性がある人
どんなに手軽で、サクッと登れる山と言っても、やはり登山は疲れます。先日、札幌の手稲山(標高1023メートル)に登ったときは、一日で1300キロカロリーも消費していました。
これはハーフマラソンで20キロメートル走ったときと同じ消費カロリー…。登山がどれだけハードなのか、想像できると思います。
ということで、まず最初に大事なのは『体力』。
昔、運動部だったという方や、いま体を使う仕事をする方、純粋に体を動かすのが好きな人と登ると、楽しんでくれる確率が高いです。
過去に塩谷丸山に登ったときには、「景色はキレイでごはんもおいしくて楽しかったけど、つらすぎた。あと2~3年はいいかな(笑)」というお言葉を、先輩のHさんからいただきました。
また、自然の中に身を置くことへの『耐性』もある程度、必要だと思います。
虫が顔の周りを飛んでいたり、土で靴が汚れたりすることに耐えられない方は、景色を楽しむ余裕がなくなりますよね。下ばかり見て歩くことになります。
肉体的にしんどいと楽しめないというのは、残念ながら事実…。
ただ、この2つは『慣れ』が大きいです。
私も4年前は、往復1時間の山でもばててしまい、虫も大嫌いな人間でした。
それでも山に登りたいと思うのは、次からあげる3つの【精神論】が当てはまっているからだと思います。
登山にハマる人②孤独が嫌いじゃない
誰かと一緒に山に行っても、登るのは個人作業。
自分で荷物を背負って、足を動かさなければ山頂に着くことができません。無事に降りることもできません。
登山すると、私はふと『孤独』を感じる瞬間があります。
それは一人で登山をするときももちろんですが、複数人で行っても、ふと会話が途切れる瞬間や、振り向いて景色を眺める瞬間、自分で担いできた水で喉が潤う瞬間に感じます
「ああ、生きている」「自分の足でここに立っている」と思うのです。
その高揚感をぐっと噛みしめて、次の一歩を踏み出す。
同じ景色を見ても、同じものを食べても、感じることは人それぞれなので…。誰かと100%共感できなかったとしても、満足できる人・自分の感覚を信じられる人の方が、山を楽しめる気がします。
そういった意味で、2つめの要素は『孤独が嫌いじゃない人』だと考えました。
登山にハマる人③考えることが好き
ベートーヴェンやダーウィンなど歴史上の偉人や、スティーブ・ジョブズも好きだという散歩。
歩くことで脳が活性化して、思考力や記憶力が上がると聞いたことがありますが、登山も同じような効果があるのではないでしょうか。
さらに、いつもは見られない雄大な景色や、風の音、鳥のさえずりのおかげか…体感では、いつもの3倍くらい思考がクリアになります。(笑)
先日、人生初の登山という先輩2人を連れて、壮瞥町の「有珠山」(標高737メートル)に行ってみました。
普段はHBCの技術職として働いている2人。普段から重たいカメラや機材を背負って中継などを担当しているだけあって、体力的には、難なくクリアできました。
そして感想を聞いてみると「読書と同じ感覚だった」と。
その先輩は、普段とは違うところに行きたくて読書をしたり、一人飲みをしたりするそうですが、登山中、他のことを考えずにその世界にいられる感覚が似ていたということです。
これ、共感できる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私も普段からいろいろと考え込んでしまうタイプなのですが、山を歩いているときが一番ポジティブです。悩んでいるときに解決方法を見いだせたり、「まあいっか」と思えたりするのも、山にいる間。
自分が納得できるまで物事を考えられる時間って、普段は作ろうと思っても、なかなか作れないものなので、半強制的にその環境に身を置けることが山の魅力なのかな…とも思います。
ということで3つめの要素は、「考えることが好きな人」です。
登山にハマる人④人生の喜びに「発見」の要素が強い人
私が思う山の魅力の一つに、「発見」があります。
それは雄大な自然や動物たちを発見することであったり、山頂で食べるとおいしいごはんを発見することであったり、下山後に最高のお風呂を発見することであったり、様々…。
山に行くことで、自分の知らなかった自分を発見することもあります。「自分ってこんなに歩けるんだ」とか「こんなに水を飲むんだ」とか、「私って普段こういうこと考えているんだ…」とか。
そういったことを発見する喜びが、登山の大変さを上回る人は、山にハマると思います。
これは、人生で大切にしたいことの優先順位の違いだと思うので、「とにかくゆったり過ごして、ガス抜きに時間を使いたい」「休日に激しい喜怒哀楽を感じたくない」という方にはあまりピンとこないのかもしれませんね。
ということで4つめの要素は、「人生の喜びに『発見』の要素が強い人」といたしました。
他にも、言いたいことは山々ですが
…ちょっと、壮大な話になってしまいましたかね?つい熱くなってしまいました(笑)
なんだか偉そうにつらつら書きましたが、私も登山で早起きするときは「嫌だ!もっと寝たい!」と思うし、運転は面倒だし、登っているときに「靴ずれが痛いなあ…」「はやく降りたいなあ」と思うことは山々です。
ただ、下山して家に帰ると、つらかった思い出よりも、喜びが勝るんです。
だから、また、ちょっと無理をしてでも行きたいと思うんですよね~。
そして私にとって山は、「自分を好きになれる手段」でもあるのですが、どんなことを考えているのか、しっかり言語化したいと思ったので、また記事にさせていただきます。
まずは一度、体のコンディションや天候がいいときに、自分の体力に合った山を選んで、登ってみていただけると、堀内美里冥利に尽きます。
その一助に、Sitakkeの記事がなると幸いです!
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里が、趣味である「登山」と「山ごはん」を紹介します。
初めて登山をする方は、まずはこちらの記事から:「初めて登山をするあなたへ」
文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。24年10月からHBCラジオで「言いたいことは山々ですが」(毎週金曜午後5時45分~6時半)スタート!HBCテレビでは「グッチーな!」「ジンギス談」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」「大江裕の北海道湯るり旅」などを担当。登山歴4年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は記事執筆時(2024年12月)の情報に基づきます。