安佐動物公園に野生のクマなぜ出没?被害を出さないために重要なのは人とクマのすみ分け|地球派宣言
安佐動物公園の園内のカメラに映ったクマ。実は、これ野生のツキノワグマなんです。
現在、安全を考慮して西園が閉鎖される事態になっています。
今年の夏頃から頻繁に現れ、園内に数多くの痕跡を残しているといいます。
安佐動物公園でクマの飼育を担当している畑瀬淳さんに伺いました。
「木の下に落ちた新しい枝。これはクマが木の上で枝を噛んで落ちてきたもの。木の幹には爪痕がついています。一番明らかなのはフンです」
しかし、なぜ野生のクマが頻繁に現れるようになったのでしょうか?
畑瀬さんは、「今年はドングリが、なり年だったので、たまたま園内に入ってきたクマが、園内のドングリを食べることを覚えてしまったということだと思います」と言います。
園内でクマが出没した場所を見てみると、付近にドングリの実をつけるスダジイの木があることがわかります。
実際に、クマが木に登ってドングリを食べる様子も、カメラにおさめられていました。
クマは冬眠をするため、この時期は、たくさん栄養をとらなければいけないそう。
冬眠の間は、一切飲まず食わずなので、そのための栄養を今のうちにたくさんとっておかないと冬を過ごすことができないと畑瀬さんはいいます。
クマが頻繁に出没する西園は、当面閉鎖を続ける予定です。
安佐動物公園では、定期的に人が巡回するなどして、クマが居着かないように対策をおこなっています。
人の生活圏に相次いで出没するクマ。
畑瀬さんによると、被害を出さないためには、人とクマのすみ分けが重要になるとのこと。
「ここまでは人が入るけど、ここからはクマのために置いておかないといけないところ。
その範囲が広ければ、そこでクマは子育てができて恋もできて、次の代につないでいくことができます。
ですが今、街に来ているクマの多くは、そういう場所を追われて出てきてしまって、そこで生まれ育っているので、その子たちとの軋轢はどうしても起きてくると思います。
奥山があって、クマがそこで安心して住める場所。それとは別に人が住んでいる場所。その間は、クマに注意しながら人が遊びに行く場所というのがあると良いのかなと思っています。」と畑瀬さんは言います。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2024年11月13日放送)