横須賀市立総合医療センター 「健康と幸せ守る砦」に 一般外来は3月4日から
3月1日(土)に開院を迎える横須賀市立総合医療センター(横須賀市神明町1の8)の開院式典が2月22日、同院エントランスホールで行われ、議員や医療関係者、町内会関係者ら68人が出席した。一般外来診療は3月4日(火)からの受け付けとなる。
うわまち病院から久里浜地区の神明公園への移転となった同院。築50年を超える施設の老朽化と患者の増加などで2018年に移転が決定した。
うわまち病院からの主な変更点は病床の増床(417床▽450床)や診療科の拡充(28科▽34科)、手術室の増室(5室▽10室)など。病院棟は鉄骨造一部鉄筋コンクリート造の地上7階建てで、屋上に三浦半島初となる救急搬送用ヘリポートを整備。1階にコンビニエンスストア、6階にレストランを設けた。総合受付は1階で、外来の診療科は2階の同フロアに集積。診察室は科をまたいだフリーアドレス方式で、都度電光掲示板で表示される仕組みとなっている。
沼田裕一院長が「目玉の一つ」として話すのは新導入の高度医療機器。中でも、全身のがんなどを一度に調べることのできるPET―CTは三浦半島初の導入で、これにより通常の機器よりも短時間で高画質な撮影が可能となる。
式辞で上地克明横須賀市長は「就任時、一番大きな課題だったのがうわまち病院の運営について。新院は三浦半島の住民の健康と幸せを守る砦(とりで)
となることを確信している」と期待感を述べた。
送迎バス運行
同院から久里浜駅までの無料送迎バスも3月4日(火)から運行される。平日のみの運行で定員22人。同院から久里浜駅前まで10分、京急久里浜駅西口まで15分で結ぶ。敷地内には170台分の駐車場も設置されている。
うわまち病院の一般外来は27日(木)をもって終了。新院は3日(月)まで緊急診療、緊急外来のみの受け付けとなる。
地域に広がる歓迎ムード
久里浜エリアでは、新病院の移転開設に歓迎ムードが広がっている。
久里浜地域運営協議会と久里浜商店会協同組合は、京急久里浜駅付近の目抜き通りに開院を祝う横断幕を掲げた=写真。
久里浜地区連合町内会の小川喜久雄会長は「三浦半島の医療の中心地として機能していくことでまちの魅力が高まる」と期待を示す。新病院の移転が呼び水となって、周辺でクリニックや調剤薬局などの開業が活発化しているなど、医療を軸にした新しいまちの姿が見え始めている。
同エリアでは横浜F・マリノスの練習拠点や横須賀火力発電所の再整備などの大型事業が続く。複合型商業施設の計画も浮上しているなど、大きく動いている。