いずれも2桁には届かず「し烈な視聴率戦い」6月話題の韓国ドラマ4作 中間結果
6月にスタートした話題の新作ドラマが、意外な歩みを見せている。
大物俳優の起用に加え、韓ドラの成功要因を忠実に盛り込んでヒットを予感させていた作品揃いだが、いざ蓋を開けてみるといまいち盛り上がりに欠けている。
まだ、放送途中のため最終的な結果は分からないが、現段階では残念ながら、成功の基準とされる視聴率2桁を超える作品はなく、期待されていたほどの成績ではない。
以前は、ネームバリューのある役者が主演を務めれば視聴率を獲得できていたが、テレビドラマ自体の衰退は、大物の起用では数字を確保できないところまできている様子。視聴者の目が肥えてきているのも理由の1つだと言われている。
そこで本記事では、勝算はあるのに、本国では2桁に届いていない6月の新作ドラマの中間成績を紹介する。いくつかの作品は、日本で配信中。SNSや各メディアに取り上げられるなど、熱い視線を浴びているものもある。
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グッドボーイ (JTBC/2025)
『グッドボーイ』は、パク・ボゴム主演のコミックアクション捜査劇×ロマンチックコメディー。天使のようなイメージを持ち多くの人から愛されているパク・ボゴムが、元ボクシング選手に扮する作品とあって、放送開始前から熱い視線を浴びていた作品だ。
しかし、全16話中最新話である8話の視聴率6.4%が現在の自己最高記録。緩やかではあるがほぼ右肩上がりで推移しているため今後さらに成績を伸ばす可能性はあるものの、彼の主演作にしては意外な歩みを見せている。
韓ドラの鉄板となっている巨悪と戦うヒーロー物要素に、固定ファンの多いラブコメ要素まで盛り込んでいる点も、現時点ではそこまで視聴者の心を射止めることができていないようだ。
●キャスト:パク・ボゴム、キム・ソヒョン、オ・ジョンセ、イ・サンイ、ホ・ソンテ 他
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2025年6月26日現在):Amazon Prime Video
未知のソウル (tvN/2025)
『未知のソウル』は、数々の作品を成功へと導いてきたパク・ボヨンが主演を務めるヒーリングロマンチックコメディー。登場人物の内面的成長まで描き、近年まさに多くの視聴者から支持されているタイプの作品だ。
これ以外にも、現実と非現実を共存させながら観る者の共感を呼ぶ、韓ドラの得意技が光っており、双子が入れ替わってそれぞれの人生を歩むというファンタジー的要素と、社会人として生きるうえで直面する悩みや苦悩をリアリティーたっぷりに描いて魅力的な展開に。
しかしそれに反し、最終話まで2話を残して現在の最高視聴率は7.7%。ここからの巻き返しに期待したい作品だ。
●キャスト:パク・ボヨン、パク・ジニョン、リュ・ギョンス、イム・チョルス 他
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2025年6月26日現在):Netflix
労務士のノ・ムジン (MBC/2025)
『労務士のノ・ムジン』は、『賢い医師生活』シリーズ(tvN/2020、2021)や『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』(tvN/2023)など、好成績を残してきたチョン・ギョンホ主演作。
普通の人がヒーローとなって社会的弱者の無念を晴らすという、韓ドラ界で数々のヒット作を生み出してきた定番のスタイルをとっている作品だ。
コケるはずがないと言っても過言ではないほどの成功例がある作風だが、最高視聴率は第7話の5.6%。第8話では3.6%にダウンしており、残すところ2話でどこまで数字を獲得できるのか注目されている。
●キャスト:チョン・ギョンホ、ソル・イナ、チャ・ハギョン、タン・ジュンサン、ユ・ソノ 他
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2025年6月26日現在):未定
私たちの映画 (SBS/2025)
『私たちの映画』は、失敗知らずの高打率俳優と修飾するにふさわしいナムグン・ミンが主演を務めるラブストーリー。
彼の名前がキャストにあるだけで、ドラマファンに“観たい”と思わせるパワーを持つ役者だけに、初回放送は視聴率4.2%でスタートを切ったものの、最新話である第4話までその記録を超えることができておらず、どちらかというと低迷中。
ナムグン・ミン主演作にもかかわらず意外な数字で推移している点が、本国で話題になっているほどだ。
見慣れた物語も、秀でた演技力によって視聴者を虜にする実力を誇る彼なら、このままではきっと終わらないはず。最終話まで残り8話あるため、大どんでん返しを起こす可能性も。
●キャスト:ナムグン・ミン、チョン・ヨビン、ソ・ヒョヌ、イ・ソル、ソ・イソ 他
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2025年6月26日現在):Disney+
(ライター/西谷瀬里)