出雲大社相模分祠 「巳」の石像で十二支揃う 彫刻家・西巻氏が毎年奉納
出雲大社相模分祠(草山清和分祠長・宮司、秦野市平沢1221)に、彫刻家の西巻一彦さんが毎年奉納している干支の石像。12年目を迎え、最後の干支となる「巳」の石像が境内の鳥居の下で参拝者を出迎えている。
西巻一彦さん(65)は、石を素材にした彫刻家。干支の作品は2013年から手掛け、毎年、同神社に奉納されている。西巻さんは11年に血液のがんである悪性リンパ腫に罹患。そのことを知った同神社の草山分祠長が「一年にひとつずつ干支の彫刻をつくって、必ず十二支を完成させて欲しい」と依頼し、同神社への奉納が始まった。
西巻さんは16年に心筋梗塞を患い心肺停止にまでなったほか、21年には病気が再発するなど、困難を乗り越えて作品を制作してきた。現在、病気は寛解したが、免疫力は下がったままだという。
「宮司からお話をいただいた時は、12年のスパンで物事を考えられる状態ではなかった。干支の作品づくりは生きることの心の支えになりました。宮司や支えていただいた皆さまに感謝致します」と西巻さんは話す。草山分祠長は「十二支が揃って嬉しい。次は因幡(いなば)の素兎(しろうさぎ)をお願いしたい」と話している。
12体目の作品となる「巳」の石像は、昨年末に同神社に奉納され、鳥居の下に設置された。これまで奉納された11体の干支も、境内の一角に飾られている。
千年の杜を守る「龍蛇神」
同神社西側には、2007年に植樹によりつくられた「千年の杜」と呼ばれる鎮守の杜がある。杜の守り神として祀られているのは、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の御使神で”縁結びの神””幸福を授ける神”と知られる「龍蛇神」。「巳年を迎えるにあたり、昨年から龍蛇神についてのお問い合わせが増えています。本殿と一緒に、龍蛇神の社にも訪れてみてください」と同神社では話している。