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【文化継承】アート・ミックス・ジャパンのデザイン表現|関本大輔(株式会社アドハウスパブリック)#9

にいがた経済新聞

こんにちは。株式会社アドハウスパブリック代表の関本大輔と申します。

このコラムでは、「ブランディング」をテーマに、その本質や大切にしたい考え方について弊社の事例を交えながらお伝えしています。

今回のテーマは、新潟市で毎年春に開催されているイベント「アート・ミックス・ジャパン」について。弊社が取り組んでいるアートディレクションの視点から、イベントの魅力や取り組みについてお話しします。

ぜひ、最後までお読みいただけると幸いです。

伝統文化を未来へつなぐ「アート・ミックス・ジャパン」

アート・ミックス・ジャパンは、新潟市で毎年春に開催される日本文化の祭典。日本各地の伝統芸能・伝統芸術が一堂に会し、その奥深さや価値を改めて感じられる場になっています。

普段はなかなか触れる機会のない伝統芸術を“はしご”しながら楽しめるのが、このイベントならでは。新潟だけではなく、日本全国の伝統芸能や人間国宝による演目を一度に観られるという他にないイベントです。

アドハウスパブリックでは、このイベントがスタートした2013年からアートディレクションを担当しています。

そのきっかけは、株式会社Sightさんからのお声がけでした。Sightさんが企画・運営を手がけるイベント「にいがた総おどり」のアートディレクションを私たちが担当していたつながりから、アート・ミックス・ジャパンが始まった当初より関わらせていただいています。

Sightさんは「For The Next 7 Generations – 次の世代の未来のために」をビジョンに掲げています。

これは、「セブンス・ジェネレーション(Seventh Generation)ー決断をするときは、7世代先の子孫のことを考えなければならない」というネイティブ・アメリカンの思想に基づく考え方です。

自分たちの都合だけでなく、未来の子どもたちにとって良い影響を与えるかどうかを考えながら行動する。この考えが、アート・ミックス・ジャパンにもつながっています。

子どもたちが日本の素晴らしい伝統文化と出会い、気軽に楽しめる機会を届けたい。そんな想いの象徴として、アート・ミックス・ジャパンでは15歳以下は入場無料になっています。

家族で観に行きやすい仕組みがあることで、子どもたちがイベントに足を運ぶきっかけになっているはず。アート・ミックス・ジャパンを通して、日本文化との接点や面白さ・素晴らしさを知るきっかけが生まれていると思います。

アート・ミックス・ジャパンの姿勢は、企業が自らのブランドや価値を次の世代へ継承するプロセスにも通じるものがあります。

未来に何を残すのか。事業やブランドをどのように次世代へ引き継ぐのか。これは、このイベントや伝統文化に限らず、企業にとっても大切なテーマです。

その方法は企業によってさまざまですが、「自分たちの会社は何を大切にし、どのように未来へ受つなげるのか」と考えることが、ブランドの在り方を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

アート・ミックス・ジャパンを通じて、企業の未来についても考えるきっかけになればと思います。

祭典を彩るビジュアル制作

アドハウスパブリックでアートディレクションを担当するにあたり、まずはイベントのコンセプトなどをヒアリングしながら、ロゴやビジュアル戦略を提案。試行錯誤を繰り返しながら、何度もブラッシュアップを重ねていきました。

続いて、毎年のメインビジュアルのデザイン。日本らしさと新しさが融合する浮世絵風のイラストは、イラストレーターの栗原 淳子さんに毎回オリジナルで描いていただいています。

このイラストを見かけたら「アート・ミックス・ジャパンだと気づいてもらったり、今年もこの時期が来たねと思い出してもらいたい。そんな考えから、メインビジュアルにイラストを使うことは当初から計画していました。

栗原さんのイラストは、アート・ミックス・ジャパンのイメージにもぴったり。イベントを想起するビジュアルとして、徐々に定着してきたと思います。

会期ごとに決められたテーマに沿って、そこに合うイメージのイラストを依頼。テーマカラーやキャッチコピーは、弊社のデザイナーがお客さまとすり合わせながら制作しています。

イベントを知ってもらうことはもちろん、少しでも集客に貢献できるようなビジュアル戦略を視野に入れながら、制作に取り組んでいます。

第1回目の開催から、今年で12年。今では日本でも他にない、日本文化の魅力を伝えるイベントに成長しました。

そして、敷居が高い印象を持たれがちな伝統芸能を幅広い層に楽しんでもらえるこの素敵なイベントに、長年携わらせていただいていることを誇りに思います。

2025年の開催は、4月12日(土)・13日(日)。「話芸」をテーマに、日本の言葉の魅力と感動をぜひ体感してください。

また、私たちが手がけたメインビジュアルにも、ぜひご注目いただければ幸いです。

今回はここまでとなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

関本 大輔(せきもと だいすけ)

株式会社アドハウスパブリック代表取締役。新潟デザイン専門学校を卒業後、東京の出版社でデザイナーとして勤務。その後、父が設立した会社を継ぐため帰郷し、2013年に代表取締役として就任。

お客さまの本質的な課題解決につながるインナーブランディングと卓越したデザインで、さまざまな企業や事業のブランディングに携わる。過去1,000件以上の実績で、地域・業界を問わず評価されている。

米国ギャラップ社認定ストレングスコーチのほか、越後雪室屋ブランドディレクター・理事、新潟県6次産業化プランナー、新潟市異業種交流研究会協同組合理事長を務める。

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