JR東日本が信号通信設備に「鉄道版生成AI」導入 社員の業務を支援
JR東日本グループがDXの一環として「社員の業務を支援する鉄道版生成AI」の開発を進めています。2025年度内に新幹線および首都圏の在来線の信号通信設備復旧支援システムに生成AIを導入するほか、9月にはATOS(首都圏の運行管理システム)を対象に、生成AIの導入実証実験を開始します。
信号通信設備復旧支援システムへ生成AI導入
JR東日本は2023年3月から首都圏の在来線信号設備の一部でAIを活用したシステムを導入しています。社員が最適な手順で復旧作業を実施できるよう、現行のシステムから下記3点を改良します。
・無線通話から生成AIが自動的に作業経過を作成
・解析に使用するAIを機械学習から生成AIに変更
・マニュアルなど基本情報インプットの簡素化
本システムはBIPROGY株式会社とともに開発しています。
ATOSの故障箇所早期特定に向けた生成AI導入
JR東日本は日立製作所とともに、今年9月からATOSの故障箇所早期特定に向けた生成AIの実証実験を行います。
多くの機器を複雑に組み合わせているATOSで故障が発生した場合、専門知識を持つ社員やメーカー技術員などとやりとりしながら原因究明を行う必要があるため、復旧までに長時間を要することもあります。
トラブル発生時に原因を解析し、対応策を提案できる生成AIを活用することで早期復旧を実現、未知の事象にも対応するといいます。
生成AI導入のメリットは?
生成AI導入により、故障から復旧までの時間短縮(従来比で最大約50%)が見込まれます。また「運転再開見込み時刻」の早期提供が可能になることから、鉄道利用者へのメリットも。
JR東日本は今回導入するシステムの機能向上を目指すとともに、他分野での導入も検討しています。