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藤間家屋敷跡の植物守れ ボランティアが草地整備

タウンニュース

国登録有形文化財の「藤間家住宅主屋」前で

「藤間家屋敷跡」(茅ヶ崎市柳島2の6の30)では、ボランティアによる草地の整備が定期的に行われている。外来植物が増えるなか、従来の植生を守ることが目的。関係者は「地域で親しまれきた自然や景観を守りたい」と話す。

藤間家は江戸時代、柳島の名主を代々務めたほか、廻船問屋として江戸をはじめ各地の港を往来し、繁栄を極めた。特に13代・藤間柳庵(りゅうあん)は多くの文化人と交流し、幕末の社会情勢を記録したことでも知られている。

敷地は2013年に市指定史跡に、関東大震災直後の1932年に建てられた和洋折衷の住宅主屋は15年に国登録有形文化財となっている。敷地と建物は17年に市へ寄贈され、現在は民俗資料館として毎週金、土曜日の午前9時から午後4時まで公開されている。

4年前にスタート

草地の整備が始まったのは、21年4月。中心となっているのは、茅ヶ崎市が実施する「ちがさき丸ごとふるさと発見博物館」事業の基礎講座を修了した人らによって、16年に結成された「丸博友の会」の会員だ。

きっかけは敷地内に繁殖力の強い外来植物が増えてきたこと。茅ヶ崎の自然に詳しい岸一弘さんは「在来の植物が減ればそこに依存してきた昆虫などが減り、昆虫を食べていた小動物も減る。地域の生態系そのものが変わってしまう可能性がある」と話す。

そこで外来種の発生を抑制しつつ、民俗資料館としての魅力を高めることなどを目的に、取り組みが始まった。

現在は月1〜2回のペースで活動。5月23日は10人ほどが集まり、北側の敷地でイヌムギやオッタチカタバミを重点的に除去していった。

最近ではシソ科の多年草・キランソウやカントウタンポポをはじめとした在来種が増えるなど、徐々に効果が現れはじめているという。

市職員として長く文化財保護に携わってきた富永富士雄さんは「開発が進んで昔ながらの庭がどんどん少なくなり、植生も変わってきている。かつての柳島の景観をできる限り維持していきたい」と話していた。

丸博友の会についての問い合わせは事務局の原さん【携帯電話】090・2218・7730、または【メール】h.shunichi@gmail.comへ。

作業するボランティア

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