映画『おいしくて泣くとき』 涙が止まらない!一途な想いが紡ぐ優しい愛と約束の物語
互いの幸せを願う純粋な想いをまっすぐに描き、多くの読者の心を震わせた原作「おいしくて泣くとき」(森沢明夫著)が実写映画化。4月4日(金)の公開に先駆け試写会に参加したSASARU movie編集部が映画の見どころをレビューします。
主役の風間心也役には、本作が劇場映画初主演となる、アイドルグループ「なにわ男子」の長尾謙杜。どこか影のあるヒロイン新井夕花役は、映画やドラマ、CMにひっぱりだこの當真あみが務め、切ないラブストーリーを紡いでいく作品です。子ども食堂を切り盛りする心也の父・耕平を安田顕、心也の亡き母・南を美村里江、父の想いを受け継いで子ども食堂を守る30年後の心也をディーン・フジオカが演じています。
切なくて、優しく、そして温かい…涙なしでは絶対に観られない本作をぜひチェックしてみてくださいね。
30年の月日を経て明かされる彼女の秘密とは 『おいしくて泣くとき』の気になるストーリー
幼い頃に母を亡くした心也と、学校にも家にも居場所がない同級生の夕花。学級新聞の編集委員を任された2人。始めはぎくしゃくするも次第に打ち解け、2人だけで「ひま部」を結成します。それぞれ孤独を感じていた2人は互いに距離を縮めていくが、ある事件をきっかけに夕花は姿を消してしまう。心也は行き場のない思いを抱えたまま、交わした約束を胸に彼女を待つ。2人の初恋、交わした約束、突然の別れ…30年の月日を経て、明かされる夕花の秘密とは…?
美しい情景と心理描写が絡み合い、優しい愛が溢れる作品
高校生の心也と夕花が心を通わせていく心理描写と、それにリンクする情景描写が観ているものを惹きつけます。純粋で幸せそうな恋心の中にある、2人が抱える家族への葛藤。幼さの残る、優しく愛らしい笑顔の中に映る、どこか切なく、心に残る影を感じさせる表情。そして、そのシーンの背景にあるそれぞれの情景。全てが交わり2人の繊細な心情がまっすぐに響き、その様子に涙がこぼれます。
雨の中を歩く姿、美しい海辺、夜空に願いをかけるひととき、四葉のクローバーを探す情景、そしてどん底の心と向き合いながら電車に揺られる時間——心情と重なる風景が、物語に深みを与えてくれます。物静かで、ゆっくりとした間がある無駄のない会話は、言葉は少なくとも優しい愛に溢れていて、心が温かくなる瞬間。ひとつひとつの優しいセリフにもぜひ注目して観てみてくださいね。
果たせなかった約束を胸に。ひと皿の焼きうどんでつながる奇跡
母が亡くなってから誰かと何かを「約束」することが怖くなり、ずっと避けてきた心也。そんな心也が、離れていく夕花に「俺たち、絶対また会える」「絶対幸せになれる」と約束をします。その約束をずっと心に、30年間彼女を待ち続け、明らかになる彼女の秘密。
ラストシーンで、本作のタイトル『おいしくて泣くとき』に込められた深い意味が明らかになります。映画の中の大切なシーンにでてくるひと皿の「醤油バター焼きうどん」は、家族や青春の思い出、悲しみや温かい想いのその全てがひと皿にぎゅっと詰まっています。タイトルに込められたメッセージの回収の仕方が実に秀逸。
会えなくても大切な人を想い続ける愛情はとても深く、その気持ちは決して消えない。美しく、綺麗で、心にずっと余韻が残る作品です。観終わったあとに、またすぐ観たくなる、そんな本作をぜひ大切な人と一緒に観に行ってくださいね。
映画『おいしくて泣くとき』基本情報
原作:森沢明夫「おいしくて泣くとき」(角川春樹事務所 刊)
監督:横尾初喜
脚本:いとう菜のは
音楽:上田壮一
主題歌:Uru「フィラメント」(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
出演:長尾謙杜 當真あみ
水沢林太郎 芋生悠 池田良 田村健太郎
篠原ゆき子 安藤玉恵 美村里江 安田顕
ディーン・フジオカ
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/oishikute-nakutoki/