【時候の挨拶】1月上旬・中旬・下旬の挨拶を例文付きで紹介
新年を迎える1月は、取引先やお世話になった人へ挨拶をする機会が増える時期です。挨拶状や手紙、ビジネスメールなどで時候の挨拶を入れると、季節感のある言葉で相手を気遣うことができます。
この記事では、時候の挨拶の役割やビジネス、プライベートに使える1月上旬・中旬・下旬の時候の挨拶、結びの挨拶について詳しく解説するので、ぜひさまざまなシーンで役立ててみてください。
時候の挨拶とは
時候の挨拶の役割、書く際のポイントについて紹介します。
挨拶状・送付状などの冒頭に書く季節の挨拶
時候の挨拶とは、挨拶状やメールなどの冒頭に書く、季節を表す言葉で相手を気遣うための表現です。すぐに用件に入らず一言添えることで、心のこもった丁寧な文章になります。プライベートからビジネスまで、幅広く使える表現なので、ぜひ活用してみましょう。
時候の挨拶を書く際のポイント
時候の挨拶には、漢語調と口語調の2種類があります。丁寧に気持ちを表現したい場合は 漢語調 を、親しみを込めたい場合は柔らかな 口語調 を選び、場面や送る相手に合わせて使い分けることが可能です。
漢語調
「~の候」「~の折」「~のみぎり」
口語調
「新年を迎え、寒さが一段と厳しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」など
また、時候の挨拶は、相手によって表現を変えることができます。友人などの親しい間柄であれば、ややカジュアルな言葉や自分の近況、共通の思い出などを盛り込むことで、より相手に気持ちを伝えることができます。
例文
「新しい年が始まり、寒さが身にしみる季節となりましたね。私は最近、家でのんびりと編み物を始めてみました。」 「冬の寒さが本格的になってきました。昨年、一緒に行った旅行先での美味しい食事や美しい景色が、今でも鮮やかに心に残っています。今年もぜひ、また新たな場所を訪れる機会がつくれれば嬉しいです。」
時候の挨拶には、季節を表す「二十四節気(にじゅうしせっき)」を用いる場合もあります。記事の最後に二十四節気の早見表を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ビジネスで使える1月の時候の挨拶と例文(漢語調)
ビジネスで送付状や挨拶メールを送る際には、 「~の候」「~の折」「~のみぎり」 を使った漢語調の時候の挨拶を使用します。また、月の上旬・中旬・下旬で気候やふさわしい表現が変わるため、時季に合わせた時候の挨拶を使う必要があり注意が必要です。
以下のような1月全般に使える表現もあるので、ぜひ覚えておきましょう。
時候の挨拶 意味 厳寒(げんかん) 非常に寒いこと 厳冬(げんとう) 寒さの厳しい冬 酷寒(こっかん) 厳しい寒さ 寒冷(かんれい) ひえびえとして寒いこと
1月上旬の時候の挨拶
1月上旬は、旧暦の名残である新春やお正月に関連する言葉が多く使われます。新年の挨拶は、正月の松飾りを飾っておく期間である松の内(全国的には1月7日まで、関西地方では1月15日の小正月まで)とされています。松の内を過ぎたら、以下以外の時候の挨拶を使うようにしてください。なお、七草は1月7日に送るメールや、1月7日当日に届く手紙、挨拶状に適しています。
時候の挨拶 意味 初春(はつはる) 春の初め 新春(しんしゅん) 新しい年 七草(ななくさ) 七草を食べる時季
例文
「新春の候、貴社におかれましては益々ご発展のことと存じます。
昨年はともに取り組んだ案件で多くの学びをいただき、心より感謝申し上げます。」
「七草の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
昨年は御社との協力のもと、素晴らしい成果をあげることができましたこと、心より御礼申し上げます。」
1月中旬の時候の挨拶
1月中旬は、寒さに関する表現がよく使われます。二十四節気では、寒さが次第に厳しくなる「寒」の季節に入り、「小寒」や「寒中」という言葉が時候の挨拶でも用いられます。
時候の挨拶 意味 小寒(しょうかん) これから寒さが厳しくなる 寒中(かんちゅう) 小寒から大寒までの時季 寒風(かんぷう) 冬の寒い風 晩冬(ばんとう) 冬の終わり
例文
「小寒の折、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」 「晩冬の候、貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。」
1月下旬の時候の挨拶
1月下旬は、より寒さが厳しくなることから、二十四節気で1年の中で最も寒くなる時季を意味する「大寒」とも呼ばれています。
時候の挨拶 意味 大寒(だいかん) 1年で最も寒くなる時季 酷寒(こっかん) 寒さが厳しい時季
例文
「大寒の候、皆様におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。」 「酷寒のみぎり、貴社ますますご発展のことと存じます。」
日常使いができる1月の時候の挨拶の例文(口語調)
1月の口語調の時候の挨拶は、この時季ならではのイベントや行事、冬らしい表現を入れることで、より季節感を演出できます。以下で1月の主な行事や表現も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
行事 日付 元旦・元日・初詣 1月1日 仕事始め 1月4日 小寒 1月5日頃 七草(人日)の節句 1月7日 成人の日 1月第2月曜日 鏡開き 1月11日 どんど焼き・小正月 1月15日 二十日正月 1月20日 大寒 1月20日頃
1月の時候の挨拶に使える表現
新年、正月、初日の出、鏡開き、駅伝、冬将軍、雪だるま、かまくら、七草、雪景色など例文
「厳しい寒さが続いていますが、体調など崩されていませんか。」 「新しい年が始まり、気持ちも新たにスタートを切る季節となりましたね。」 「駅伝のタスキリレーを見ていると、チームワークの大切さと新しい年の始まりを実感します。」 「七草の日には、家族みんなで七草粥を囲み、一年の無病息災を願いました。」 「大雪のあと、友人たちと協力して作ったかまくらは、小さな秘密基地のようで、特別な冬の思い出になりました。」
1月上旬・中旬・下旬の時候の挨拶
1月上旬には、松の内、凧揚げ、初詣、初夢など、お正月や新年らしい言葉を入れるのが一般的です。また、二十四節気の小寒の初日(1月5日頃)は「寒の入り」と呼ばれ、小寒から大寒(1月20日頃)までは「寒の内」と呼ばれます。これらは1月上旬から中旬までの時候の挨拶で使うことができます。そして、1月下旬には、冬の終わりや旧正月などの表現が使われるようになります。
1月上旬の例文
「年が明け、希望に満ちた日々が始まりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。」 「新しい年が始まりましたね。どんなお正月を過ごされましたか?」
1月中旬の例文
「お正月気分もすっかり抜け、日常が戻ってきたこの時期、皆様お変わりなく過ごされていますか。」 「寒の入りとともに、冬の寒さが本格化してまいりました。お風邪など召されませんよう、ご自愛くださいませ。」
1月下旬の例文
「1月も残りわずかとなり、寒さも一層厳しくなってきましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。」 「1月も終わりが近づき、少しずつ日が長くなってきたように感じます。」
1月の結びの言葉
挨拶状やメールの最後には、結びの言葉を入れて文章を締めくくります。結びの挨拶を入れる際は、 書き出しと同じような表現にならないよう注意 しましょう。
以下ではビジネス、プライベートで使える1月ならではの結びの挨拶を紹介します。
ビジネスで使える結びの挨拶の例文
「本年も一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。」 「新しい年が貴社にとってさらなる飛躍の年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。」 「寒さが厳しい時期ですが、どうぞお体には十分ご留意くださいませ。」 「寒さ厳しき折、皆さまのご健康と安全を心より願っております。」
プライベートで使える結びの挨拶の例文
「新しい年が○○さんにとって素晴らしいものになりますよう、心よりお祈り申し上げます。」 「寒さが続きますが、どうぞ温かくしてお過ごしください。今年もよろしくお願いします。」 「春の陽気が待ち遠しいですね。季節の変わり目、どうぞお体を大切にお過ごしください。」 「寒い時期は映画鑑賞にぴったりですね。最近観た映画についてまた話しましょう!」
おまけ:二十四節気早見表・挨拶状の適切な時期
二十四節気早見表
時候の挨拶で使える1年の二十四節気を紹介します。
なお、二十四節気は旧暦の太陰太陽暦が基準となっており、実際の気候とは異なる場合があるため、状況に応じて使い分けてください。
季節 時候の挨拶(節気名) 時期 春 立春(りっしゅん) 2月上旬〜2月中旬 雨水(うすい) 2月中旬〜3月上旬 啓蟄(けいちつ) 3月上旬〜3月中旬 春分(しゅんぶん) 3月中旬〜4月上旬 清明(せいめい) 4月上旬〜4月中旬 穀雨(こくう) 4月中旬〜5月上旬 夏 立夏(りっか) 5月上旬〜5月中旬 小満(しょうまん) 5月中旬〜6月上旬 芒種(ぼうしゅ) 6月上旬〜6月中旬 夏至(げし) 6月中旬〜7月上旬 小暑(しょうしょ) 7月上旬〜7月中旬 大暑(たいしょ) 7月中旬〜8月上旬 秋 立秋(りっしゅう) 8月上旬〜8月中旬 処暑(しょしょ) 8月中旬〜9月上旬 白露(はくろ) 9月上旬〜9月中旬 秋分(しゅうぶん) 9月中旬〜10月上旬 寒露(かんろ) 10月上旬〜10月中旬 霜降(そうこう) 10月中旬〜11月上旬 冬 立冬(りっとう) 11月上旬〜11月中旬 小雪(しょうせつ) 11月中旬〜12月上旬 大雪(たいせつ) 12月上旬〜12月中旬 冬至(とうじ) 12月中旬〜1月上旬 小寒(しょうかん) 1月上旬〜1月中旬 大寒(だいかん) 1月中旬〜2月上旬
挨拶状の適切な時期
年賀状や残暑見舞いなどの挨拶状には、それぞれ適切な時期があります。以下を参考にして、相手に届くタイミングを意識しながら準備を進めてください。
挨拶状
時期
年賀状
1月1日~1月7日まで
寒中見舞い
1月8日(松の内が明ける日)~2月4日まで
※一部地域は松の内が明ける日は1月16日
余寒見舞い
2月4日頃~2月末まで
※寒い地域は3月中旬まで
暑中見舞い
7月7日頃~8月7日頃
残暑見舞い
8月8日頃~8月末頃まで
喪中欠礼
11月~12月上旬
※12月後半に不幸があった場合、寒中見舞いで知らせる
まとめ
この記事では、1月の時候の挨拶に関するポイントや、漢語調・口語調の例文、結びの言葉について紹介しました。
1月は新年のスタートを切る季節であり、寒さが一段と厳しくなる時期でもあります。ビジネスにおいては、季節感や二十四節気を反映した時候の挨拶を取り入れることで、相手に対する配慮を示し、好印象を与えることができるでしょう。プライベートでは、お正月や成人の日など1月ならではの行事を交えつつ、オリジナルな表現を加えることで、心のこもった挨拶が可能です。ぜひ、この記事を参考にして、お世話になった人への挨拶に役立ててください。
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