家庭内別居した夫婦のその後…夫との完全な“別居”を選んだ妻たち #2「『子どもと引っ越す』と伝えたら」
同じ家には住んでいるけれど、別々の空間で過ごし干渉を避けるのが家庭内別居。
顔を見るのも嫌なほど心が離れてしまうと、関係の修復はよほどの覚悟がないと難しいのが現実といえます。
離れているとはいえ、配偶者の気配が消えないことのストレスは、「次の選択」をどうしても考えてしまうもの。
元の関係に戻るのではなく、本当の「別居」に移った妻たちはどんな決意をしたのでしょうか。
「夫の浮気が発覚して、『これくらいは誰でもする』と口にした夫が信じられず、家庭内別居になりました。
物置にしていた部屋を掃除して夫の荷物だけ寝室に移し、空間を確保してそこで寝起きしています。
突然の行動に夫は『何だこれは』と怒鳴りましたが、それを無視して私物を運び出す私の怒りの強さに気付いてからは、同じく私を無視するようになりました。
一人娘の相手をよくするような人でもなく、娘は私によく懐いていたので、それからは娘の世話だけをして夫には食事の用意もせず、夫は実家に寄って帰ってくる状態でした。
義実家がどう思っているのかはわからなかったけれど、客観的に見ればどう考えても非があるのは夫のほうで、勝手にすればいいと思っていましたね。
幸い私の実家が近かったので、両親にも事情を話したら『親がこんな状態なのは、孫のために良くない』と言われました。
どうして浮気をされた側の私が、謝りもしない夫と暮らさないといけないのか、『あんな父親がいる家にいるほうが娘のためにはならない』と、はっきり返しましたね。
そんなとき、仕事で私の昇進が決まりました。可能なら市外の支社に行ってほしいと言われ、これを機会に別居を決め、娘を連れて引っ越したのが三ヶ月前です。
『昇進が決まったから娘と引っ越す』と夫に伝えたら、『俺のことはどうするんだ』とまず言われたので、『浮気をしておいて反省もしない人間とは暮らせません』と返しました。
自分のことしか考えない夫は、家庭内別居が始まってからは娘の相手をすることもなくなっていたので、夫と離れることを娘が特に嫌がることもなかったのが救いでした。
今は、娘とふたりで新しい生活をがんばっています。
これからどうするか、私は離婚を決めていますが、夫とは揉めることを避けられないと思うので、離婚成立のために情報をしっかり集めているところです」(30代/セールス)
家庭内別居から本当の別居に移ることは、実際は何かが起こらないとなかなかタイミングを掴みづらいもの。
このケースでは妻の昇進がきっかけになりましたが、それまでに夫の浮気や子どもへの悪影響など同居を諦める下地が確かにあり、別居は間違いではないと感じます。
本当に配偶者が出て行く事態になってから騒ぎはじめる配偶者は多いですが、距離があるとその騒音も耳に届くことはなく、落ち着いてこれからを考えられますね。
(ハピママ*/弘田 香)