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「わくわく実験工房」元理科教師の糸日谷美奈子さん(千葉市在住) 生きた防災を伝え続ける

チイコミ!

「わくわく実験工房」元理科教師の糸日谷美奈子さん(千葉市在住) 生きた防災を伝え続ける

岩手県釜石市で東日本大震災を経験した糸日谷(いとひや)さんは、当時中学校の理科教師。

生徒たちと津波から逃れたことで、「学ぶことで助かる命がある」ことを体感しました。

現在は防災士の資格も取得し、さまざまな角度から「生きた防災」を伝え続けています。

災害の記録を基に実践する防災訓練

「居住区の災害の記録を調べることが防災の第一歩」だと、糸日谷さんは話します。

2011年の東日本大震災の日、糸日谷さんは勤務していた釜石市立釜石東中学校の生徒たち約200人と共に、迫りくる津波から無事に避難をしました。

これは当時マスコミに「釜石の奇跡」と報じられましたが、それは「奇跡」ではなく、津波訓練を重ねた「成果」だと生徒たちは感じていたそうです。

「津波は時速36kmで走り、建物の3階まで浸水する」。

釜石市が過去に被災した記録を教訓に、市内の小・中学校では津波に特化した防災教育が行われてきました。

時速36kmの車と競争してみても到底かなわないことから、生徒たちは「津波が見えてからでは間に合わない」という危機感を身に付けました。

建物の3階以上の高さがある避難場所を定めていたこともあり、震災時は最初の揺れが治まった直後、それぞれが迷いなく高台を目指し走りました。

事前の学びが命を救ったという大きな出来事でした。

自身のやりたいことをキャリアに

出産を機に退職し家族で千葉市に移住してからは、糸日谷さんは自身のやりたいことをキャリアにしようと、各地で防災教育の講師、震災の語り部として活動しています。

ならしのファミリー・サポート・センターでの会員研修の様子

7月に開催された、ならしのファミリー・サポート・センター会員対象の防災研修では、避難所の現実、被災による心理的変化などを講義した他、持ち歩き用・避難時用・自宅用と3つに分けた非常持ち出し袋を紹介。

必要となる行動と備えを、参加者と一緒に考えました。

非常持ち出し袋の中身には記名をしましょう

また、千葉市内の休耕地を借りて野菜を育てる「マチナカ菜園」も進行中。

井戸も掘り、災害時はいち早く炊き出しができる防災拠点にしたいと語気を強めます。

自身が主宰する、日常のさまざまな現象を掘り下げる科学実験教室「わくわく実験工房」では、自然災害も実験テーマに取り上げ、その原理を分かりやすく子どもたちに教えています。

糸日谷さんはこれからも持ち前の好奇心を携えて、そのキャリアを地域に展開していきます。

いたずら好きな子どもだったという糸日谷さんの好奇心は、工房の科学実験につなが っています

問い合わせ
わくわく実験工房 https://wakuwakuscience946825795.wordpress.com/
※単発で参加できる科学実験講座も行っています。詳細は問い合わせを

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