県営野川南台団地 新型「みらい号」お披露目 地域の足が2代目に
県営野川南台団地自治会が運営するコミュニティバス「みらい号」の新型車両の出発式が5月17日、野川南台団地集会所で行われた。庄司幹夫会長は「地域の足として欠かせないものになっている。これからも協力して維持していきたい」と話す。
高台に位置する同団地は、入居者の高齢化が進む一方で、周辺には店舗や医療施設が少ないため、日常生活に必要な移動手段の確保が課題となっていた。2005年には協議会を発足し、自治会と行政との協働によるコミュニティ交通の導入の検討を開始。みらい号は、試行期間を経て2008年に本格運行をスタート。現在は週3回、同団地集会所、ヨークマート川崎野川店、ダイワサイクル川崎野川店、セブン─イレブン川崎高津野川店を周回し、団地集会所に戻ってくる。
車両購入費などは川崎市が補助。運行に係る経費は、自治会費や募金、企業からの寄付などで賄っている。道路運送法の許可を要しない運行で、運転は自治会のボランティアが担う。約17年間で延べ16万人超が利用。走行距離は約9万Kmとなっていた。
式典には齋藤正孝区長も駆け付け、「地域の方々のこれまでのご尽力に敬意を表する。末永く運行できるよう、行政としても協力していきたい」とあいさつ。関係者とテープカットの後、運行ルートを試乗した。
2代目は、これまで同様の10人乗りのワゴン車だ。これまでは、停留所ごとに踏み台を置いていたが、新型車では「オートステップ」を装備して運転手の負担を軽減。てすりやビューモニターなどの機能も加わった。
庄司会長は「高齢化が進む地域に欠かせない存在となったが、老朽化による故障の心配があった。新型車が納車されたので『みらい』に向けて取り組んでいきたい」と話した。