救急出動 3年連続で過去最多
赤穂市消防本部は2024年の火災・救助・救急の出動状況をまとめ、赤穂市内の救急出動は2617件で、3年連続で過去最多を更新した。救急出動件数の増加は高齢化に伴い全国的に同様の傾向がみられ、高齢者人口がピークを迎える2030年ごろまで続くとみられている。
1日平均7・2件の割合で出動し、実際に医療機関へ搬送した人数は2465人。住民19人に1人を医療機関へ搬送した計算になる。要因の内訳は「急病」が最も多く1612件。「一般負傷」385件、「交通事故」156件の順に多かった。搬送した人の約43%が軽症で、中等症は約47%、重症(3週間以上の入院)は約8%だった。
119番通報の着信から現場到着までに要した「現場到着時間」の平均は8分48秒で前年から12秒短縮。通報着信から患者を医師に引き継ぐまでの「病院収容時間」は37分48秒で前年の42分0秒から4分以上短縮した。「新型コロナ感染症が落ち着き、搬送前に医療機関との情報共有に時間を要する事案が減少した」(救急課)ことが主な要因とみられるという。
搬送先の内訳は、▽赤穂市民病院1192人(前年1174人)▽赤穂中央病院920人(868人)▽その他管内31人(28人)▽管外322人(300人)だった。「その他管内」のうち15人はドクターヘリへの引き継ぎだった。
同本部の救急車は赤穂署と上郡署に3台ずつあり、赤穂署の3台すべてが同時に出動したケースが108回あった。さらに救急要請が重なり、上郡署から救急車を向かわせたことが2回あった。逆に、上郡署の3台すべてが同時出動した33回のうち8回でさらに救急要請があり、赤穂署から出動した。
赤穂市内の火災件数は10件(前年比4件減)で、そのうち建物火災は4件あった。死者はなく、負傷者は2人。また、交通事故で車内に人が閉じ込められたケースや水難事故などの救助出動は35件(5件増)だった。