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犬も飼い主に『嘘』をつくことがある?ウソをつく理由やタイミング、実験結果をご紹介

わんちゃんホンポ

犬も飼い主に「嘘」をつくことがあるのか

2017年に発表された論文では、『犬は経験により学習をし、戦略的な嘘をつくことができる』としています。

犬の飼い主として興味を持たずにいられないのが、この論文を発表した、マリアン・ヘバーラインさんが行った実験内容です。

チューリッヒ大学(スイス)の研究者であるマリアン・ヘバーラインさんは、自身も犬の飼い主です。愛犬に抱いた疑問を解消するため、実験を行いました。

犬は犬を騙すことができる!?

マリアン・ヘバーラインさんには2匹の愛犬がいます。

愛犬Aは、愛犬Bの注意をそらすことで寝床を奪う、という行動をするそうです。相手を騙すことで、快適な寝床を得るのです。

これに対し、『相手が人間であっても同じ行動をするのか』という疑問を抱いたのです。

犬が飼い主に「嘘」をつくことの有無を調査する実験内容

犬の目の前には、おやつの入った箱が含まれる、3つの箱があります。

✔大好物のソーセージが入った箱
✔まあまあ好きなビスケットが入った箱
✔何も入っていない空箱

そして、犬には3人のパートナーがいます。

✔協力者(おやつをくれる人)
✔非協力者(おやつをくれない人)
✔飼い主(おやつをくれる人)

犬は、全ての人を箱の前に案内しなければなりません。まずは、協力的な人と非協力的な人を箱の前に案内し、最後に飼い主を案内することができます。

協力的な人を案内することができるのは、1つの箱のみです。大好物のソーセージを選びたいところですが、ソーセージを選ぶ場合には、ビスケットはもらうことができません。

非協力的な人をおやつが入った箱の前に案内した場合、おやつをもらうことはできません。つまり、犬はその人を空箱に案内するべきなのです。

実験内容をまとめると、協力的な人をソーセージが入った箱の前、非協力的な人を空箱の前、最後に飼い主をビスケットが入った箱の前に案内することができれば、犬は全てのおやつを得ることができるということです。

今回の実験結果

実験1日目は、飼い主と非協力的な人をおやつの入った箱に案内する確率は同じくらいでしたが、実験2日目になると、非協力的な人をおやつの入った箱に連れて行く確率が減り、ほぼ空箱に案内することができたようです。

つまり、『犬は全てのおやつを得るための方法を考え、最大の利益を得るための戦略を選ぶことができる』、と結論づけることができました。

利益を得るためであれば、自分に対して非協力的な人を利益のない空箱に案内することができるということから、『犬も人間に対して嘘をつくことができる』と導きだした実験なのではないでしょうか。

犬が飼い主に「嘘」をつくタイミングや方法

実験結果が分かったところで、実際に犬が飼い主に対して嘘をつくタイミングやその方法について確認していきましょう。もしかしたら愛犬で経験したこともあるのではないでしょうか。

歩きたくなくなって仮病を使う

お散歩の途中、歩きたくなくなって、「手足が痛い」と嘘をつくことがあります。

抱っこして家まで連れて帰ったことがあるのではないでしょうか。触れると鳴いて痛がり、動物病院へ急いだことがあるのではないでしょうか。

診断結果は、原因不明または仮病。獣医さんも苦渋の診断をされたのではないでしょうか。

お散歩の度に同じようなことがあると、(また嘘なのでは…?!)と疑ってしまうようになりますよね。事実、家に帰れば元気なのですから…。あんなに散歩中は手足が痛かったはずなのに、家に帰ればぴょんぴょん飛び跳ねて、おやつやごはんをおねだりすることだってあるのです。

心配してほしくてごはんを食べない

飼い主の気を惹きたいとき、「体調が悪い」と嘘をつくことがあります。

その嘘で代表的なのが、「ごはんを食べない」ということです。心配しない飼い主はいません。普段、食いしん坊な愛犬なのであれば尚更のことです。

ごはんだけではなく、おやつも食べないとなれば、重度な病気も考えてしまいますよね。仕事を休んででも動物病院へ急ぐでしょう。

まとめ

犬も飼い主に「嘘」をつくことがあります。

時には飼い主を悩ませたり困らせたりする嘘もあります。しかし、愛犬との信頼関係が崩れてしまうような悪い嘘ではないのではないでしょうか。

飼い主としては、愛犬が嘘をつかずに済むような暮らしができればいいなと思います。

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