「放射性物質×巨大台風」の超・非常事態に消防隊は何ができる?香港発ディザスター超大作『カウントダウン』
『トワイライト・ウォリアーズ』に続け!香港ディザスター超大作
日本でもロングラン大ヒット中の映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』を筆頭に、今ふたたび香港映画への注目が高まっている。本国・香港で初登場No.1ヒット&年間興収第3位を記録したアンディ・ラウ主演のディザスター映画『カウントダウン』は、そんな香港映画の勢いを感じることができる超大作だ。
今年1月に公開された『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』でトニー・レオンとの豪華共演も話題になったアンディ・ラウ。5月2日(金)より日本公開となる主演作『カウントダウン』は、香港映画史上初めて放射能汚染の恐怖に真正面から挑んでいる。
700万人が暮らす香港で発生した高濃度セシウムの漏洩。政府は環境汚染の専門家ファンと、消防隊の精鋭部隊を招集し即座に対策を講じる。しかし、時同じくして巨大な熱帯低気圧が香港上空に急接近し、未曾有の危機に直面する。都市消滅まで残された時間は90分。絶体絶命の中、彼らは前代未聞の作戦を実行に移すが……。
香港&中国映画のオールスターキャスト集結
”香港映画界のレジェンド”アンディ・ラウが演じるのは主人公ファン。己の使命と過去のトラウマの狭間で揺れ動きながらも、放射能汚染の危機に立ち向かう研究者だ。
共演には、中国で絶大な人気を誇り2021年にはNHK BSプレミアムでも放映されたドラマシリーズ「ロング・ナイト 沈黙的真相」などで知られるバイ・ユーや、本作が8年ぶりの映画復帰作だという『少林サッカー』のカレン・モクなど豪華キャストがズラリ。大物シンガーのイヴァナ・ウォンも演技巧者ぶりを見せる。
また、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の虎兄貴役で強烈な印象を残したケニー・ウォンや、同作で燕芬姐を演じたフィッシュ・リュウも重要な役どころで登場するので要注目。
そして監督のアンソニー・プンは、2024年No.1ヒットにして香港歴代興行収入を塗り替えた『ラスト・ダンス(英題)』や『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』はじめ数多くの作品の撮影監督を務めた、香港映画界で”いま最も熱い映画作家”のひとりだ。
大事故×大規模災害の超非常事態に立ち向かう
本作は序盤から消防隊員たちのほのぼのとした日常を見せたうえで、命がけの過酷な任務に就いていることを強調。魅力的なキャストへの愛着が芽生えはじめたであろう観客に、ガツンと衝撃を与える。主人公ファンもディザスターもののお約束である“遅れて来た救世主”のような立ち位置ではなく、責任重大な立場であり過去に葛藤を抱える複雑な人物として描かれている。
さらにパニック映画の要となるディザスターシーンは迫力満点で、大型セットとCGを巧みにミックス。手に汗握る決死のミッションにおける激しいスタントをつるべ打ちすることで映画ファンの心を掴みつつ、最前線に立つ者たちの葛藤や矜持を深く描き、様々な災害やパンデミックを経験してきた観客の琴線を震わせる。
実際に放射能汚染の恐怖に晒された私たちは、本作のパニック展開の一つ一つに肝を冷やす。普段あまり意識していなくても、あの恐怖は潜在意識に深く根付いているのだと改めて実感するし、それはハリウッド的なカラッとしたディザスターからは得られない恐怖で、足元から寒気がゾワゾワと這い上がってくる。
とはいえ2つのディザスター要素をぶつけるという大胆な設定は『シャークネード』シリーズのような荒唐無稽さもあり、ジャンル映画的な見どころの連続でエンタメ作品としての強度は抜群。非常にヘビーなテーマではあるが、今こそ描くべきという制作陣の真摯な眼差しも窺える。
『カウントダウン』は5月2日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開